「TOKYO FASHION AWARD 2027」受賞デザイナー8組決定 CIOTA、Midorikawa、ORIMI、Takemaruら

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東京を拠点とするファッションデザイナーの海外展開を支援する「TOKYO FASHION AWARD 2027」第12回受賞デザイナー発表会が2026年9月5日、渋谷ヒカリエ・ヒカリエホール ホールAで開かれた。パリ・メンズ・ファッション・ウィーク時期支援の4組と、パリ・ウィメンズ・ファッション・ウィーク時期支援の4組の計8組が選ばれた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

パリ・メンズ・ファッション・ウィーク時期支援は、シオタ(CIOTA)の荒澤正和さん、グッド ピープル グッド ステッチング グッド プロダクト(GOOD PEOPLE GOOD STITCHING GOOD PRODUCT)の中城大祐さん、ミドリカワ(Midorikawa)のデザインチーム、オリミ(ORIMI)の折見健太さん。パリ・ウィメンズ・ファッション・ウィーク時期支援は、グルトヴァイン(GURTWEIN)の長谷川照洋さんとウィングさん、オーロヒー(OHROHEE)のパク・ソンヒさん、プールデ(POOLDE)のペリさん、タケマル(Takemaru)の阿部剛丸さんが受賞した。

パリとソウルで4シーズンの海外展開を支援

東京都と日本ファッション・ウィーク推進機構が主催するTOKYO FASHION AWARDは、世界で活躍する可能性の高い東京のファッションブランド、デザイナーを選定・表彰し、海外でのビジネス展開を継続的に支援する取り組み。パリ・ファッション・ウィーク期間中に単独ショールーム「showroom.tokyo」を開設し、世界の有力バイヤーとのビジネスマッチングを通じて国内外での販路開拓を後押しする。

受賞者は2026年11~12月に予定するソウルでのポップアップショップを皮切りに、2027年1月と6月のパリ・メンズ・ファッション・ウィーク時期、3月と9月のパリ・ウィメンズ・ファッション・ウィーク時期に実施する「showroom.tokyo」などに参加する。2027年3月には楽天 ファッション・ウィーク東京2027年秋冬(Rakuten Fashion Week TOKYO 2027 A/W)の公式会場で凱旋イベントも予定。2027年秋冬から2029年春夏まで4シーズンにわたり海外展開を支援する。

第11回までに76組が選出されており、今回の8組を加えると84組となる。過去の受賞ブランドでは、ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)がLVMHプライズのグランプリを受賞している。

受賞8組が海外展開への意気込み

シオタの荒澤さんは「私だけではなく、会社のオーナーやシオタのチームのメンバーがあってこそ、今ここにいられると思っています。その皆さんに感謝を伝えたいです」とあいさつした。

海外では現在、約30アカウントで展開している。アワードへの応募については「認知度をもう少し広げたいと思っています」とし、海外のバイヤーやジャーナリストに伝えたいものとして「ものづくり」を挙げた。「シオタはファクトリーブランドなので、母体が工場です。そこのものの良さが伝わればうれしいです」といい、現段階ではショー開催などより、まずブランドの認知度を高めることを重視している。

グッド ピープル グッド ステッチング グッド プロダクトの中城さんは、70年以上続くカットソー縫製工場を母体とするブランドであることに触れ、「日本には素晴らしい素材を作る方々や、素晴らしい技術を持った方々がたくさんいます」とした。生地メーカーや加工業者、工場などの協力によってコレクションが成り立っているとして、関係者への感謝も述べた。

「ブランドの成長が、支持していただいている方々への恩返しになればと思っています。厳しい状況が続いていますが、明るい気持ちを持って一歩一歩前進し、協力していただいている皆さんと一緒に良い景色を見られたらと思っています」と語った。

ミドリカワはLVMHプライズのセミファイナリストにも選出されている。デザインチームを代表して高須さんが登壇し、工場、生産、職人、アーティスト、服を着る人たちへの感謝を表した。

「これまで自分たちから前に出ることも、多くを語ることもなく、それを美学だと思ってやってきました」と振り返り、ブランド創立10周年を迎えることにも言及。「せっかく真面目に洋服を作っていますし、埋もれるのも嫌なので、この受賞をきっかけに、これからはもっと前に出て、自分たちのことを表現していきたいと思っています」と話した。

オリミの折見さんは「10代の頃に初めて原宿に来て感じたファッションに対する自由さや初期衝動を、そのままずっと続けて表現しているブランドです」とブランドの原点を語った。

原宿でセレクトショップ「ジ エレファント(THE ELEPHANT)」を始め、古着のリメイクやドッキングを通じて独学で服作りを始めた。「一つ一つブランドを良くしていく中で、このようなアワードをいただくことができました。これからもっとオリミを幅広く世界に伝えていけるよう、期待に応えられるように頑張っていきたいと思っています」と意欲を示した。

ウィメンズでは、グルトヴァインの長谷川さんが「グルトヴァインは共同設立者のウィングと2人で続けてきたブランドです」と紹介。家族ができたことを機に海外での活動を控えていたといい、「今回の受賞を機に、また世界に挑戦していこうと思っています」とした。

オーロヒーのパクさんは、2025年にブランドを立ち上げ、現在は一人で運営している。産地や工場、セールス、PR、店舗、顧客、友人らへの感謝を述べた。

海外展開はこれからだが、日本と韓国の美意識やカルチャーを組み合わせることをブランドの強みとする。「東アジアの中でもファッションでホットな二つの国の美意識とカルチャーをミックスすることが強みだと思っています。世界のどの国にもまだないコンセプトだと思っています。そこを魅力的に感じてもらうだけでなく、商品のクオリティーの良さも打ち出していきたいと思っています」と語った。

すでに海外での経験を持つセールス担当者と打ち合わせを進めているが、「海外も少しずつ進めながら、一番は日本で基盤をもっと広げたいと思っています」と日本での基盤拡大も重視している。

プールデのペリさんは「人生でこういう賞をいただくのは初めてです。この賞をいただけたのは、今まで見守ってくれたお客様とブランドに携わってくださっている皆様のおかげだと思っています」と感謝し、「これからも世界を目指して励んでまいります」と力を込めた。

タケマルの阿部さんは、応募の理由について「自分たちとしても新しいステージに進みたいという思いがありました。アワード自体は以前から知っていたので、この辺りで挑戦してみようとパタンナーと話し合い、応募しました」と振り返った。

海外展開はまだ行っていないが、以前からパリや韓国への挑戦を考えていた。「一番の目標はパリで展示会を開くことだったので、今回初めて実現できることを、すごくうれしく思っています」と話す。

海外のバイヤーには、構築的、構造的な服作りと仕立ての良さをアピールしたいという。「そこが武器でもあるので、見てもらいたいです。ルックではかなりインパクトがありますが、実物を見ると日常にも取り入れやすいものが多いので、実際に手に取ってもらえたらうれしいです」とし、今後は海外に限らず国内も含めて卸先を増やすことを目指す。

日本ファッション・ウィーク推進機構の古茂田博事務局長は、日本のものづくりについて「世界一という評価を、たくさんの国からいただいています」とした上で、「その原点になっているのは、デザイナーが抱えているアイデアや、それを具体化する産地の方々です。そういったところに支えられて、ものづくりがしっかりできていると思っています」と話した。

審査員が語る選考のポイント

今回の選考には国内10人、海外4人の審査員が参加した。

審査員を代表してあいさつした源野里沙子さんは、日本のものづくりやクラフツマンシップ、クリエイティビティーを重視したと説明。「どれだけ世界の市場で長く愛され、日本のブランドの強みとして戦っていけるかというところが、選考のポイントになったと感じています」と語った。

また「今回がスタートラインだと思っています」とし、「自身のブランドの魅力を信じて頑張っていただきたいです」と受賞者にエールを送った。

日比野智之さんは、今回の受賞ブランドについて「価値になり得るオリジナリティーがあり、伝えたい思いと、伝えるべきものづくりの背景をしっかり持っているブランドだと思っています」と評価した。

「デザインや技術の素晴らしさはもちろん、東京のカルチャーや、日本ブランド特有の体温を感じるようなクリエイティブを、これから世界に向けて発信していってほしいと思います」と期待を寄せた。

8組は2026年11~12月に予定するソウルでのポップアップショップを皮切りに、パリでの「showroom.tokyo」などを通じて海外展開に取り組む。

「TOKYO FASHION AWARD 2027」第12回受賞デザイナー発表会

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