
「愛知・名古屋2026アジア・アジアパラ競技大会 TEAM JAPAN オフィシャルスポーツウェア発表会」が2026年8月8日、東京・JAPAN SPORT OLYMPIC SQUAREで行われた。TEAM JAPANオフィシャルスポーツウェアは、愛知・名古屋2026アジア競技大会、アジアパラ競技大会に出場する日本代表選手団が表彰式や大会中の宿泊拠点などで着用するもの。日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)の意向を踏まえ、アシックスがスポーツウェア、シューズ、バッグなどを作製した。発表会には、アジア大会に出場するブレイキンの半井重幸選手(ダンサー名・SHIGEKIX)、スポーツクライミングの小屋松恋選手、アジアパラ大会に出場する車いすバスケットボールの鳥海連志選手、水泳の福田果音選手が新ウェアを着用して登場。着心地やデザイン、大会への思いを語った。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
TEAM JAPAN公式ウェア、青海波と円相をデザイン キーカラーは「ファイアリーレッド」
オフィシャルスポーツウェアは、TEAM JAPANの情熱と日本の伝統美をデザインに取り入れた。
キーグラフィックには、日本の伝統的な吉祥文様「青海波」と、水面に広がる波紋をモチーフにした円相を組み合わせた。「青海波」には未来永劫続く幸せや発展への願いを重ね、日本ならではの伝統美とアジア各国・地域とのつながりや交流の広がりを表現した。円相から広がる力強さには、限界まで研ぎ澄まされたアスリートの精神と競技に挑む躍動感を込めた。
キーカラーには「ファイアリーレッド」を採用。勝利への思いや情熱を燃え立つ赤い炎で表現し、TEAM JAPANの力強いエネルギーを象徴するという。
メインアイテムの「ポディウムトラックジャケット」には、アシックス独自の3Dフィットテクノロジー「ACTIMOTION(アクティモーション)」を採用した。人間工学に基づいた3D設計により、腕上げや腕振りなどの動作時に生じるつっぱり感を軽減し、動きやすさと快適な着心地を追求。ファスナーの引き手も指を掛けやすい仕様とした。
アスリートが着用するシューズには「NIMBUS MIRAI 2(ニンバスミライ 2)」を採用した。
半井重幸(SHIGEKIX)「間違いなくスイッチが入りますね」

発表会当日に新ウェアを初めて着用した半井選手は、日の丸の付いたウェアに袖を通した印象について、「日の丸を背負わせてもらうんだなと、改めて自覚します。この赤が自分の気合いをもう一段入れてくれる。TEAM JAPANのウェアだなと感じます」と表現した。
競技によってアスリートの体形が異なることにも触れ、「上半身ががっしりしている選手もいれば、下半身に特徴がある選手もいる。さまざまなアスリートがいる中で、上下ともかなり幅広くサイズが用意されています」と説明。「大会前後でもストレスのかからない、着心地のいいものになっていると感じます」と評価した。
司会からオフィシャルスポーツウェアを着用すると「ギアが一つ上がるか」と問われると、「間違いなくスイッチが入りますね」と即答した。
小屋松恋、憧れのTEAM JAPANウェアに「日の丸を背負わせてもらうことに感動」

赤い代表ウェアを着用するのが今回初めてという小屋松選手は、東京オリンピックで代表選手が着る姿を見て憧れていたという。
「東京オリンピックの時に代表選手が着ていて、かっこいいなという憧れがあったので、自分が日の丸を背負わせてもらうことに感動しています」と喜びを表現した。
着心地については、「生地が柔らかくて、移動の時にも競技の前にもしっかり体を動かすことができるので、そこがいいと感じています」と、移動時から競技前までを想定した動きやすさを挙げた。
鳥海連志、TEAM JAPANの一体感を実感 ファスナーの使いやすさも評価

鳥海選手は、普段競技団体で着用するウェアとの違いについて、「日本選手団として、すべての競技の選手たちと一緒に戦うぞというところが、このウェアを通じて感じられることが、まず僕にとってはうれしい」とTEAM JAPANの一員として着用する意味を語った。
着心地についても、暑い時期の大会であることに触れながら、通気性を評価。「競技以外でストレスがかからない、抵抗にならないギアだと感じています」とした。
福田果音「速乾性があり、通気性も良く、着心地がいい」

福田選手も発表会当日に新ウェアを初めて着用した。「日の丸のついたウェアを着るとやる気が湧いてきます」とし、「燃えるような赤と、躍動感のある模様が印象的です」と語った。
水泳選手ならではの視点からも着心地に言及。「私は汗をかきやすく、水泳では濡れた状態でウェアを触ることもあります。速乾性があり、通気性も良く、着心地がいいです」と、濡れた状態でウェアを扱う競技特性を踏まえて評価した。
4選手が語る公式ウェアのデザイン 小屋松恋は「唯一無二感」

4選手は、ウェアで最も気に入っているデザインについてもそれぞれ答えた。
半井選手が注目したのは、日本の伝統的なデザインやモチーフ。大会へ向けて余分なものをそぎ落としていくアスリートの心境に触れながら、「競技者ではありながらも、自分たちの魂というかアイデンティティみたいなものを、最後の最後まで身につけるものに用いられている」と受け止めた。
「ちゃんと日本を背負わせていただいている、ファンの皆さんとも心がつながっているような、そんな気持ちになれるデザインが気に入っています」と、デザインに込められた日本らしさと代表としての意識を重ねた。
小屋松選手は、ウェアに入ったサーモンピンクの部分を挙げた。登壇前に選手同士で見比べたところ、「一人一人、柄の位置が違ったり、一人一人が違う柄だった」といい、「そこが唯一無二感があっていいと思います」と話した。
福田選手も同じ部分に注目。「サーモンピンクの部分」の位置が選手ごとに異なるところを気に入っているとし、小屋松選手の「唯一無二感」という表現に同意した。
鳥海選手はファスナーに注目。自身について「上肢障害があって、指が両手とも少ない」と説明した上で、「つかみやすくなっていて、開け閉めがスムーズにできる。デザインの中に機能性というところもしっかりと配慮があって、そういうところが好きです」と、デザインの中に機能性への配慮が盛り込まれている点を評価した。
愛知・名古屋2026へ 半井重幸ら4選手が大会への思い

半井選手にとって、アジア大会は特別な存在でもある。前回大会で金メダルを獲得し、2024年パリ大会への出場権を得たことを振り返り、「自分のキャリアの中でも、人生の中でも一つ背中を押してくれた重要な大会、大切な大会」と表現した。
今回の自国開催については、「何度経験しても特別なもの」と話す。日本で応援する人たちが実際に会場へ足を運び、大会を身近に感じられることを自国開催の良さに挙げ、「自国開催ということ自体を、プレッシャーというより、自分の頑張る理由の一つ、エネルギーの一つにさせてもらっています」と語った。
小屋松選手は初めてのアジア大会に向け、「大幅な自己ベスト更新と、メダルを獲得して日本を盛り上げたい」と目標を掲げた。
スポーツクライミングのスピード種目については、「まずはスピード感に注目してほしい」と呼びかけた。15メートルの壁を男子は4秒台、女子は6秒台で登り、「最後の部分、タッチ寸前まで1000分の1秒を競う」ことから、「ギリギリまでどっちが勝つか分からない競り合いが魅力」と説明した。
大会に向けては約1年間、筋力トレーニングにも取り組んできた。「実際に練習でできないことは本番でできないと思っている」とし、普段の練習の質を上げ、本番では練習を思い出しながら臨むことを意識している。
鳥海選手は、東京パラリンピックが無観客だったことを踏まえ、「今大会ではたくさんのファンの人たちに、自分たちが活躍する姿を見せられるように頑張っていきたい」と意欲を示した。
チームとしての目標は金メダル。「個人としては全試合でスターティングとしてチームを引っ張ること。そしてチームの中でもしっかり自分が勝利に導くことが自分の役割」と位置付けた。
日本開催についても、「たくさんの人に本当に見に来てもらって、同じ会場で車いすバスケットボールという競技をファンの皆さんと一緒に楽しむ」ことに加え、「皆さんにしっかりといい結果を見せていく」ことを今大会で実現したいと話した。
福田選手は、アジアパラ大会が日本で開催されるのは今回が初めてとして、「もうすでに今からワクワクしています」と期待。「大会本番では、私が持っている100メートル平泳ぎのアジア新記録を更新して、メダル獲得を目指したい」と目標を示した。
前回大会ではパラ水泳女子選手の中で最年少だったが、今回は10代の選手も多い。「結果という面でも、行動という面でも、先輩としていい結果を残せたら、いい姿を見せられたら」と、自身の立場の変化にも触れた。
さらに、「大きな大会で自己ベストを更新する」ことを目標に挙げる一方、結果を狙う試合では楽しむことを忘れがちになるとして、「今回、国内開催ということで、日本人のサポーターの方々の応援も感じて、大会を楽しみたい」と話した。
愛知・名古屋2026への思いを漢字一文字で 半井「躍」、小屋松「恋」、鳥海「挑」、福田「新」

4選手は大会へのテーマを漢字一文字でも表現した。それぞれが掲げた一文字には、競技への姿勢や今大会で実現したいことが表れている。
半井選手が選んだのは「躍」。ブレイキンだけに「踊る」を連想させる字もあるが、あえて「躍」を選んだ。「この大会、ステージを通して、僕自身もそうですし、自国開催ということもあり、応援してくださっている、また現地で見てくださる全ての方々の心をワクワク踊らせるような、そんな踊りをしっかりと見せていきたい」と説明。「その先の飛躍ということで、この『躍』という字を選びました」と思いを込めた。

小屋松選手は「恋」を掲げた。「自分の名前にも入っていて、気に入っている字」とした上で、クライミングについて「パフォーマンス的にも皆さんを魅了する競技」と表現。「皆さんを恋させるような、皆さんがワクワクするような登りができたらと思って、この漢字にしました」と話した。

鳥海選手の一文字は「挑」。前回大会で金メダルを獲得した一方、「まだまだ日本車いすバスケットボールというものは発展途上」と捉える。「僕たちはまだまだ成長しなければいけないし、常にチャレンジャーだという心を持って、毎試合に挑みたいと思っているので、この漢字を選びました」と説明した。

福田選手は「新」を選んだ。前回大会で金メダルを獲得したものの自己新記録を更新できなかったことや、パラリンピックやアジアパラ大会といった大舞台で自身のベストパフォーマンスを出すレースが十分にできていないことを理由に挙げた。「今大会は、自己新記録で、アジア新記録で結果を出していきたいと思ったので、『新』という漢字にしました」と、新記録への思いを一文字に込めた。
TEAM JAPAN公式ウェアは8月14日発売

TEAM JAPANが実際に着用するオフィシャルスポーツウェアのオーセンティックモデルは11品番。2026年8月14日からアシックスオンラインストア、アシックスフラッグシップ原宿、名古屋を中心とする全国のスポーツ用品店などで発売する。
レプリカ応援Tシャツと応援マフラータオルは2026年8月19日から、アシックスオンラインストアとアシックスフラッグシップ原宿で販売する。メーカー希望小売価格は税込み3300円~3万7400円。
半井重幸、TEAM JAPAN公式ウェアの着こなしは「スポーツミックス」

一般販売されるウェアについて、半井選手は「今このウェアを着て、まさに戦っているんだなと身近に感じていただけるとうれしい」とファンへ呼びかけた。
テレビ中継などで競技する姿を見ると、国内開催でも選手を遠い存在に感じることがあるとしながら、「我々プレイヤーとしては、自分のことのように熱を入れて応援していただけると一番パワーになる」と、同じウェアを通じて選手を身近に感じてもらうことを期待した。
普段着としては、スポーティーなアイテムとデニムパンツやキャップを組み合わせる「スポーツミックス」を提案。「僕だったら、太めのデニムにこういうスポーティーなものを上に合わせたり、キャップをあえてかぶったりする」とし、ヒップホップやストリートカルチャーで見られるスタイルを例に、自身ならではの着こなしを紹介した。











