アシックスが東京2020オリンピック・パラリンピック日本代表選手団オフィシャルスポーツウェアを発表

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アシックスは「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 日本代表選手団オフィシャルスポーツウェア発表会」を2月21日、都内で開催した。日本代表選手が東京オリンピックやパラリンピックの表彰式やインタビュー取材時、選手村、選手村からの移動の際などに着用するもの。今回発表したのは、ポディウムジャケットやポディウムパンツ、ポロシャツ、Tシャツ、シューズ、サンダル、ショルダーバッグ、バックパックなど17アイテム。東京2020オリンピック・パラリンピックのスポーツ用品カテゴリーのゴールドパートナーであるアシックスが作製した。発表会には森ひかる選手(写真上)など13人のゲストアスリートも登場。オフィシャルスポーツウェアを披露するとともに、トークセッションなども行われた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

東京2020オリンピック・パラリンピック日本代表選手団オフィシャルスポーツウェアのコンセプトはジャポニズム

アシックススポーツ工学研究所で約4年の歳月をかけて研究、開発した今回のオフィシャルスポーツウェア。「ジャポニズム」をコンセプトに、開催国である日本選手団が誇りを感じられるように、日本の伝統美と先端技術を掛け合わせ、選手団の強さを表現した。「ジャポニズム」を表現するデザインとして、色は朝日の昇る力強さをイメージした「サンライズレッド」をキーカラーに採用。グラフィックは日本の伝統文化を表現するために、「折形(おりがた)」や「重ねの色目」などをアクセントに取り入れるとともに、大小の点や線、5種類の赤など、様々な要素を組み合わせ、1つの柄を創り出すことで、多様性を表現している。

開発テーマは「コンディショニング」「ダイバーシティ」「サステナビリティ」

また、開発に当たって、「コンディショニング」、「ダイバーシティ」、「サステナビリティ」の3つを開発テーマに設定。「コンディショニング」では、最も重要である暑さ対策のため、過去3年にわたって、夏に実際競技の行われる国立競技場やお台場での現地テストや、アシックススポーツ工学研究所でのラボテストなどを行った結果などから、「ボディーサーモマッピング」に基づき、温度を下げるために効果的な構造「アクティブリーズテック」を設計。衣服内温度が高くなり、汗の量が多くなる場所に粗いメッシュを配置することで空気の流れを最大化し、効率的に温度を下げるとともに、特殊な編み地にすることで機能性とコレクションブランドのようなデザイン性を併せ持たせた「アクティブリーズテック」をポディウムジャケットに採用した。「アクティブリーズテック」によって、前回の2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックのトレーニングジャケットより通気性が約5倍向上したという。

「ダイバーシティ」では、多様性と調和を重視し、オリンピックとパラリンピック、競技の枠も超えて、1つのチームであることを意識しながら、1人1人が輝けるウエアを開発。Tシャツやポロシャツ、ジャケットは1枚の生地から複数型取りを行うことで、1つ1つ柄の配置が異なりながら、全体では統一感のあるデザインになっている。また、誰もが使えるものを目指し、ジャケットにはボタンのように重ね合わせて押すだけで閉じることができる新しいファスナーを採用。さらに、車いすや義足アスリートにも着脱しやすいように、シューズの履き口を広くするなど、ユニバーサルデザインを採用し、サンダルには着脱可能なヒールストラップを採用している。

現代のモノづくりでは欠かせないものとなっている「サステナビリティ」については、従来の染色過程より水の使用量を減らしたソリューションダイという染色方法を採用するとともに、植物由来の糸や衣料品をリサイクルした再生ポリエステルなども採用。2019年に実施した、「アシックスリボーンウェアプロジェクト」で回収したスポーツウェアからポリエステルだけを抽出したリサイクル糸(再生ポリエステル材)を活用してポディウムジャケットやパンツ、シューズなどを作っている。

発表会には13人のゲストアスリートが参加

発表会に参加した体操・トランポリンの森ひかる選手は「すごいのは(ポディウムジャケットのファスナーを)一気に開けることができること」と笑顔。

水泳・アーティスティックスイミングの乾友紀子選手は「とても鮮やかな色で、すごく存在感が出せるなと思います。遠くからでも、見つけてもらいやすいと思います」と話した。

車いすラグビーの倉橋香衣選手は「車いすを動かすと袖口が黒くなってしまうのですが、素材が変わっているので黒くなりません」と説明。

これまで4度オリンピックに出場した、クレー射撃・トラップの中山由起枝選手は「オフィシャルスポーツウエアは日本代表の証(あか)しであり、特別なもの。代表選手としてのスイッチが入り、着るとモチベーションが上がります」。

柔道・78キログラム超級の素根輝選手は「本番までしっかり準備し、金メダルを獲得できるようにがんばりたい」と意気込みを語った。

吉田沙保里さんも登場

発表会には、吉田沙保里さんと車いすバスケットボールの根木慎志さんも登場。自身も「アシックスリボーンウェアプロジェクト」に参加した吉田さんは「私が練習していたときに着ていたウェアがオフィシャルスポーツウェアに生まれ変わったので本当にうれしい。気持ちを強く持って最高のパフォーマンスを出せるようにがんばってほしい」とエールを送った。

アシックス尾山基会長CEO「史上最もイノベイティブなオリンピック・パラリンピックにふさわしいものを目指して、開発」

また、「史上最もイノベイティブなオリンピック・パラリンピックにふさわしいものを目指して、開発した」というアシックスの尾山基会長CEOは「日本の最先端技術を示すことで、ブランドの価値や信頼感が増すと思う」と強調。廣田康人社長COOは「2020年はアシックスの年にしたい。私たちの思いやブランドを世界に発信し、来年以降の飛躍に向かう絶好の機会として生かしていきたい。日本中を赤く染めたい」などと話した。

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