「FASHION PRIZE OF TOKYO 2025」第7回受賞デザイナーはシュタイン(ssstein)の浅川喜一朗さん〇Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 S/S

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「パリのショーでは、自分たちらしい表現で伝えられるように準備を進めていければと思っています」と話す浅川喜一朗さん。「FASHION PRIZE OF TOKYO 2025(ファッションプライズ・オブ・トウキョウ2025)」の第7回受賞デザイナー発表会が、楽天ファッション・ウィーク東京2025年春夏6日目の2024年9月7日に、渋谷ヒカリエ・ヒカリエホールBで行われ、シュタイン(ssstein)の浅川喜一朗さんが第7回受賞デザイナーに選ばれた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

浅川さんは2025年1月と6月のパリ・メンズ・ファッションウィーク期間中にパリでショーイベントを開催する。また、来年3月に行われる楽天ファッションウィーク東京2025/2026年秋冬(Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 A/W)でも凱旋イベントの実施を予定している。

シュタインの浅川喜一朗、パリメンズファッションウィークでショー開催決定

浅川さんは「このような権威ある素晴らしい賞をいただけたことを、本当に嬉しく思っております。海外でプロジェクトを本格的に進める中で、毎シーズン海外展示会を行っていますが、さらに1つ、2つと海外の壁を越えていきたいというタイミングで、この賞を受賞できたことは大変光栄です。今後も身を引き締めてまいります。

来年1月と6月には、パリでショー形式の発表を予定しています。この賞に恥じないよう、チーム一同プロダクトをさらに掘り下げ、世界観を広げ、より多くの方々に届けられるよう全力で努めてまいります」とあいさつ。

シュタイン2025年のパリショーに向けた展望

また、パリでのコレクション発表について「本当に難しいとは思いますが、サンディカの公式スケジュール内で発表できればと考えています。(支援される)2回だけでなく、継続してプロジェクトを進め、自分たちらしい表現を海外でも続けていきたいと思っています。

素材感や、どのようなシルエットを作りたいかというイメージして、パターンとテキスタイルの両方が噛み合わないと、理想のシルエットは作れません。静かだけれどダイナミズムを感じるシルエットや、静謐ながら少しニュアンスのあるシルエットを作ることが、自分にとってポイントになっています。それを良い形で伝えられればと思っています。

ショーについては、自分の中ではイメージは色々考えていますが、具体的な形はまだ決まっていません。ただ、シュタインらしい表現をとにかく掘り下げて、それをしっかりとアウトプットできれば良いと思っています。

パリのメンズコレクションには多くの日本人デザイナーが参加していて、現地でも多くの日本の方々にお会いします。海外を意識している日本人の友人や先輩方が多く、その環境がとても素晴らしいと思っています。切磋琢磨しながら、お互いに良い表現を追求し、パリだけでなく、さまざまな国の人々に届けようとベストを尽くしている姿はとても素晴らしいと感じています。私たちも、自分たちが打ち出したい表現を追求し、発信していければ」と述べた。

審査員クリエイティブディレクター長尾悦美さん「独自の美意識を持っている」と評価

また、審査員を務めるクリエイティブディレクターの長尾悦美さんは「今回の審査会では、デザイナーたちの海外進出への意気込みが年々高まっていることが感じられる素晴らしいプレゼンテーションが行われました。まるでショーのようなプレゼンテーションを披露していただきましたが、どれも皆さんの個性が光っており、審査は非常に白熱しました。点数をつけるのが難しいほど、差がつけがたい審査だったと思います。

その中でも、今回受賞されたブランドは、美の追求が非常に素晴らしく、独自の世界観を海外でも展開していく姿を、私たち審査員もぜひ見てみたいと思い、審査員全員の思いが一致しました。今後の海外での活躍を期待しています」とコメントした。

審査員ファッションキュレーター 小木 “Poggy”基史さん「世界に挑む決意が強い」

ファッションキュレーターの小木 “Poggy”基史さんは「今回の審査会は非常に白熱し、どのブランドも甲乙つけがたいものでしたが、受賞されたデザイナーは、モデルを海外から呼び、ミニショーのようなプレゼンテーションを行いました。海外で活躍する方は、チャンスを確実にものにする力を持っていると思います。静かなデザイナーですが、内に秘めた強い意志で『世界で絶対に勝負する』という決意を持っているので、大いに期待しています。

私の周りでも、海外のファッション関係者がオーラリーを着ているのをよく見かけるようになりました。以前、シンプルで上質な服は海外で受け入れられにくい土壌がありましたが、オーラリーはその常識を打破しました。今回選ばれたデザイナーは、オーラリーが開けた風穴をさらに広げる役割を担う方だと思います」と話した。

「FASHION PRIZE OF TOKYO」とは

「FASHION PRIZE OF TOKYO」は、既に国内外で知名度と実績がありながら、海外で継続的にコレクションを行っていない東京のデザイナー1組を選び、パリのメンズまたはウィメンズのファッション・ウィークでの1年間2シーズンのファッションショー形式のコレクション発表とショールームイベントをサポートするもの。若手デザイナーの育成・支援を目的としたファッションコンテスト「TOKYO FASHION AWARD(東京ファッションアワード)」よりも1ステップ進んだ支援企画になっている。

「FASHION PRIZE OF TOKYO」歴代受賞者

第1回はマメ(Mame Kurogouchi)の黒河内真衣子さん、第2回はオーラリー(AURALEE)の岩井良太さん、第3回はダブレット(doublet)の井野将之さんが受賞。第4回はCFCL(シーエフシーエル)の高橋悠介さん、第5回はトモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)の小泉智貴さん、昨年の第6回はMASU(エムエーエスユー)の後藤愼平さんが選ばれた。

「FASHION PRIZE OF TOKYO 2025」第7回受賞デザイナー発表会

「FASHION PRIZE OF TOKYO」審査プロセスについて

「今後東京を代表するインターナショナルブランドになる可能性がある」 「デザイン・アイテム数・価格帯で知名度向上の可能性がある」 「海外出展の意欲があり、支援内容を実施する体制がある」という観点のもとエントリーブランドを選定。その中でも世界的に有名になるポテンシャルの高いブランドを選出。

「FASHION PRIZE OF TOKYO 2025」審査員

サザビーリーグ リトルリーグカンパニー 執行役員、ロンハーマン ウィメンズクリエイティブディレクター 根岸由香里
クリエイティブディレクター 長尾悦美
ファッションキュレーター 小木 “Poggy”基史
ファッションディレクター 髙島涼

「FASHION PRIZE OF TOKYO 2025」今後の支援について

国際的知名度向上のため、2025年1月(または3月)と6月(または10月)にパリでショーイベントを開催し、また、3月の楽天ファッションウィーク東京でもイベントの実施を予定している。

【浅川喜一朗デザイナープロフィール】

1986年生まれ、山梨県出身。
2016年4月、渋谷区神宮前にセレクトショップ「carol」をオープン。
2016年7月、パンツ3型から「シュタイン(stein)」をスタート。
※2024年秋冬シーズンより、ブランドロゴ表記を「ssstein」に変更した。

【シュタイン(ssstein)ブランドプロフィール】

2016年7月:パンツ3型からブランドをスタート。自店のセレクトショップ「carol」のみで販売。
2017年9月:展示会形式にてコレクション発表開始。各卸先での取り扱いが始まる。
2022年3月(2022年秋冬コレクション):楽天ファッションウィーク東京でショー形式の動画を発表。
2023年1月(2023年秋冬コレクション):パリ展示会を開始。
2023年3月(2023年秋冬コレクション):楽天ファッションウィーク東京でファッションショーを発表。

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