在日イタリア商工会議所が「THE NIC(THE NEW ITALIAN COOL)AWARD 2024」を初開催 – 若手ブランドをアピール

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新進気鋭ブランドを支援するプロジェクトが日本で初開催

在日イタリア商工会議所は2024年11月8日、東京都中野区の梅若能楽学院会館で「THE NIC(THE NEW ITALIAN COOL)AWARD 2024(ニュー イタリアン クール アワード 2024)」を開催した。同アワードは、イタリアの新進気鋭のファッションブランドを支援するプロジェクト。当日はミラノから受賞デザイナーや、ミラノファッションウィーク(Milano Fashion Week)を主催するカメラ ナツィオナーレ デッラ モーダ イタリアーナ(Camera Nazionale della Moda Italiana)の関係者も来日し、ショーと授賞式が行われた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

在日イタリア商工会議所は、コロナ禍の2021年に、イタリアの新進気鋭のファッションブランドを支援するプロジェクト「THE NEW ITALIAN COOL(ザ ニュー イタリアン クール)」を実施した。日本未上陸の若手イタリアファッションブランドを紹介するため、商工会議所内に「THE NEW ITALIAN COOL」展示会ショールームを特別に開設。約20社が出展し、そのうち4分の1が日本市場での取引や販売を開始する機会を得た。

同アワードは、イタリアの新進ブランドや若手デザイナーを日本に紹介し、新たなコラボレーションを促進することを目的としている。第1回となる今回は、「PREMIO NEW (2年以上商業活動を展開しているブランドが対象)」カテゴリーに25ブランド、「PREMIO UPCOMING (新卒者および学生対象)」カテゴリーに40ブランドが応募した。

「PREMIO NEW」受賞者:エイアイエム・ハンドメイド・イン・イタリーのモンジーロ

「PREMIO NEW」カテゴリーでは、エイアイエム・ハンドメイド・イン・イタリー(AIM Handmade in Italy)のアンナマリア・モンジーロ(Anna Maria Mongillo)さんが受賞した。手作りと機械を融合させたものづくりのモダンなアプローチが評価された。モンジーロさんは「このような特別な賞を受賞できたことを大変光栄に思います。このような素晴らしい能楽堂で発表できたことに感謝しています」とコメントした。

「PREMIO UPCOMING」受賞者:アジア・グリファルコーニ

「PREMIO UPCOMING」カテゴリーでは、アジア・グリファルコーニ(Asia Grifalconi)さんが受賞した。グリファルコーニさんは「今日この1日が私の日本で始まるキャリアの第一歩になることを願っています」と喜びを語った。

サステナビリティアワードやプレスアワードも発表

そのほか、「サステナビリティアワード」はグレタ・ペッチャ(Greta Peccia)に、「プレスアワード」はクールト(Coolt)とロッソラーメ(Rossorame)の2ブランドに贈られた。ペッチャさんは「力を入れているサステナビリティに注目していただけて非常にうれしい」と話した。

リステア柴田さん:「サステナブルな発想の独創性に注目」

審査員を務めたリステア(RESTIR)の柴田麻衣子クリエイティブディレクターは「サステナブルの発想は、どうしても保守的になりがちで、守りの姿勢に入りがちなクリエーションが多い中、非常に夢があり、キッチュなディテールや発想の豊かさが独創的で心を惹かれました」と評価した。

WWDジャパン村上編集長:「クラフトマンシップとアバンギャルドの融合を評価」

同じく審査員を務めたWWDジャパンの村上要編集長は「クールトは、『かっこいい』という要素と『カルト』、つまり少し狂気じみた相反するものを衝突させている。メディアの立場からすると、ストーリーテリングが非常にしやすいと感じた。実際、クラフトマンシップが感じられる佇まいでありながら、長いフリンジやアバンギャルドな側面も見られる。その相反する要素が1つに組み合わさっている点が面白いと思った」と語った。

また、伊藤忠ファッションシステムの駒谷隆明最高執行責任者(COO)は「街中やデパート、ファッション雑誌をほぼイタリアブランドが埋め尽くしていた時代がありました。現在は大資本が圧倒的なマーケティング力を駆使して消費市場を席巻しています。しかし、それだけではないと感じています。職人気質で、良いものを作り、その上にデザインを重ねること。これは日本とイタリアが非常に似た気質を持つ点です。日本でイタリアファッションが再びブームとなり、イタリアの魅力を再考できるようになれば素晴らしいと思います」と述べた。

在日イタリア商工会議所のダヴィデ・ファントーニ(Davide Fantoni)事務局長は「今回は第1回だが、来年度も開催したいと考えています」と話した。

「THE NIC(THE NEW ITALIAN COOL)AWARD 2024」

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