在日イタリア商工会議所が主催する第15回全国イタリア料理コンクール「グラン・コンコルソ・ディ・クチーナ(Gran Concorso di Cucina)2024」の決勝大会が、2024年12月9日、東京都豊島区の武蔵野調理師専門学校で開催され、トラットリア アズーリの門平光正シェフが優勝した。門平シェフにはジャーナリスト賞やバリラ賞など各賞も贈られた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
「グラン・コンコルソ・ディ・クチーナ」は、日本在住でイタリア国籍以外の国籍を持ち、プロとして2年以上の経験があるシェフを対象としたコンクール。質の高いイタリア料理と食品を海外に広めることを目的に、イタリア外務・国際協力省が毎年開催している「世界イタリア料理週間(Settimana della Cucina Italiana nel Mondo)」の公式プログラムとして、期間中の11月18日に武蔵野調理師専門学校で準決勝が行われ、準決勝進出者8人の中から2人を選出。門平シェフと株式会社オリエンタルランドの伊藤公則シェフが決勝大会に進出した。
当日は、1時間以内にイタリア料理の代表的な伝統料理である「ラザニア」を独自の解釈で制作した。審査員は、アンティカ・オステリア・デル・ポンテ総料理長のステファノ・ダル・モーロさん、バリラ・アジア&オーストラリア・エグゼクティブシェフのアンドレア・トランケーロさん、メルキュール東京日比谷エグゼクティブスーシェフのクリスティアーノ・ポッツィさん、イタリア料理アカデミー東京支部のエマヌエラ・オリギさんが務めた。審査員に加え、ジャーナリストや一般観覧者が試食と投票を行い、優勝シェフが決定した。
優勝した門平シェフは、3種類のラザニアを用意した。フィンガーフードを取り入れ、修行時代に学んだイタリアの郷土料理を織り交ぜ、軽くつまめるコース仕立てに仕上げた。ラザニアは多様な食感を意識し、パスタの上部の焼けた部分、下部の焼けた部分、中の蒸された部分など、それぞれの食感を楽しめるよう工夫されている。3種類のラザニアはコース形式で、前菜、プリモ、ドルチェとして提供された。さらに、イタリアでの思い出の料理も取り入れた。ピエモンテ地方の伝統料理「カナベーゼ」をアレンジし、サラミとジャガイモを使った「サランパタータ」を前菜として用意。また、山で摘んだ「熊ネギ」を日本の「行者にんにく」に置き換え、燻製にして新たな風味を加えた。その地域の郷土料理をラザニア仕立てにした一品も加えた。最後に、アオスタ地方の思い出をもとに、「モンテビアンコ」に秩父のお酒を使ったジェラートを組み合わせたデザートを提供した。
一方、準優勝となった伊藤シェフは、セミファイナルで「ベネチアのラザニア」を作ったが、今回は「ベネチアのラザニア2」として、ベネチアの郷土料理「バッカラマンテカート」を軸に新たに考案した。ラザニアの生地作りにはポレンタを使用。本来40分ほどかかる工程を20分に短縮して練り上げた後、生地と一体化するよう火を通して仕上げた。ポレンタと組み合わせることで、相性の良い一皿に仕上げている。さらに、タジャスケオリーブ、タジャスケピューレ、ドライトマトを用い、中にトマトペーストを加えることでアクセントをつけた。また、オレンジの香りをほのかに添えた。
審査員を務めたトランケーロさんは、「ラザニアは伝統に深く根付いたレシピといえます。ただ、その中で未来的な姿を体現したのが門平シェフのラザニアでした。本当に僅差ではありましたが、そのように感じました」と語った。
門平シェフには、イベント協賛企業であるバリラジャパン、ヘンケルフレシネジャパン、アルケグラスジャパン(ARCHÈ GLASS JAPAN)、エゴシェフ(EGOCHEF S.r.l.)、ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパンの各社から、パスタ40キログラム、チャンピオンコックコート、グラス、バッラリーニ(Ballarini)のフライパンなどが贈られた。
第15回全国イタリア料理コンクール「グラン・コンコルソ・ディ・クチーナ(Gran Concorso di Cucina)2024」決勝大会
Our website incorporates the Google Website Translator tool. This feature allows users to access content in various languages through seamless translation.