デザインオフィスnendoが手掛ける光と空気がモチーフのクリスマス装飾が東京ミッドタウンに登場

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「風や空気の動きを使ってクリスマスツリーを演出できないかと考えました。吹き抜けや館内につってあるオーナメントも風で動くイメージで作りました」と語る佐藤オオキさん。デザインオフィスnendoが手掛けた空気(air)によって輝き(glitter)を生み出すクリスマス装飾「Glitter in the air」が東京ミッドタウン館内に登場した。優しい空気の動きによって、高揚感とキラキラとした空気を演出している。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

11月17日から12月25日まで、「MIDTOWN CHRISTMAS 2022(ミッドタウン クリスマス)」を開催している東京ミッドタウン。ガレリア地下1階のクリスマスツリーは、「光の粒子」が空中を舞い、ひとつの場所に集まることで生まれた様を表現している。また、吹き抜けエリア、ガーデンテラスなどにも輝きを纏(まと)ったインスタレーションが登場している。11月25日にはプレス内覧会が行われ、東京オリンピック聖火台デザインを手掛け、大阪万博日本館総合プロデューサーも務めるデザインオフィスnendoチーフデザイナー佐藤オオキさんも登場した。

ガレリア地下1階にあるクリスマスツリーは、きらきら輝く光をかたどったように切り抜かれた、416枚のアルミ製パーツが集まって構成された、高さ約7.5メートルの円すい形のツリー。風が生まれ空気が動く構造によって、光のパーツは軽やかに揺れ、ツリーに様々な表情が生まれるようになっている。

また、ツリーに使用されている光のパーツは、ガレリアやガーデンテラスなどの吹き抜けにも館内装飾として使用され、イベントの一体感とともに華やかさをプラスしている。朝や夜など時間帯によって見え方が変わることや、1階、2階、3階からなど見る場所でも表情が変わることもポイントになっている。

シャンパンゴールドに輝く、すべてのパーツの裏には小型ファンが設置され、それぞれ個別に制御されている416台のファンが連動しながら風を送っている、という。パーツは風によって動くだけでなく静止することやパーツを浮き上がらせることなども可能で、それらを組み合わせることで、らせん状に上昇する動きや点状のランダムな動き、波紋のように広がる動きなど、様々な表情を生み出している。

内覧会には佐藤さんも出席。「ツリーを作るのは初めてですが、公共の場や国内で作品を展示するのも20年のキャリアの中で初めて。2020年にパリのボンマルシェでアートインスタレーションをやらせていただいたことはありましたし、去年は、東京オリンピックの聖火台のデザインをやらせていただきましたが、こういう商業施設、みなさんが気軽に接することができる場所での展示は初めての体験でした」という佐藤さん。

ツリーについて「普通に釣ると重力で垂直になってしまうので、ツリーの角度に合わせて、重しを付けて寝かさなければいけないので、416枚のパネルすべてに一つ一つ手作業で重しを付けて調整していくという地獄のような作業がまずありまして。すいません。クリスマスのキラキラした話ではなくて(笑)。けっこう大変でした。列ごとに大きさが違い、一つ一つ性格が違うというか、いうことを聞いてくれない。さっき見ていてもドキドキしていました」などのエピソードを披露。「デジタルやLEDを使った表現が増える中、何か癒(い)やされるような表現、ずっと見ていても気持ちいいデザインができないのかということから、風で動かすというアイデアを着想しました」と語った。

また、シャンパンゴールドという色については「色出しにはすごく時間をかけました。淡いというか、上品なシャンパンゴールド、自然光と合わさったときにも違和感がなく気持ちいいということは意識しました。外のイルミネーションでテンションが上がってワクワクするので、ここにきてあえて落ち着くというようなバランスも意識しました」と説明。「これを作るのは聖火台と同じぐらい大変で、夜眠れないぐらいでしたが、みなさんには純粋に楽しんでいただければと思っています。ここ数年、コロナで集まって楽しんだりすることができなかった中で、点在していた粒子たちが集まってツリーを形作っている、全体で一体感があるストーリーを感じていただければ」などと話した。

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