21_21 DESIGN SIGHT企画展「もじ イメージ Graphic 展」開催

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21_21 DESIGN SIGHTは11月23日から2024年3月10日まで、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1とギャラリー2で企画展「もじ イメージ Graphic 展」を開催している。開催に先駆けて11月22日には記者会見とプレスプレビューが行われた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

同展は、パソコン上で出版物や印刷物のデータ制作を行うDTP環境やインターネット上のコミュニケーションが普及してきた1990年代以降のグラフィックデザインを、日本語の文字とデザインの歴史を前提に紐解いていくもの。
国内外のグラフィックデザイナーやアーティスト約50組が参加。漢字や仮名の使い分け、縦横自在の書字方向、ルビといった特有の表現方法をもち、文字とイメージの混ざり合いのなかで発展してきた日本のグラフィック文化が、グローバルなデジタル情報技術とどう向き合い、何を生み出してきたか、そして今どのような可能性をみせているかを「造形性」「身体性」「メディア」など13の現代的なテーマに分けて紹介している。

「ギャラリー1:日本語の文字とデザインをめぐる断章」では、漢字、仮名をはじめ複数の文字が多層的に組み合わさる日本語の書記体系はどのようにデザインされてきたのか。その歴史的展開を紹介するダイアグラムや、近代以降の文字を軸とするグラフィックデザイン作品を紹介。

「ギャラリー2:辺境のグラフィックデザイン」では、文字とイメージを統合して発展してきた日本語のグラフィック文化が現代のグローバルな情報環境のなかでみせている動きを、「1.テクノロジーとポエジー」、「2.造形と感性」、「5.キャラクターと文字」、「8.ファッションとカルチャー」、「13.言葉を超えて」など、海外の動向も交えた13のテーマ、54組のクリエーターの実践を通じて紹介している。

記者会見で、21_21 DESIGN SIGHTのディレクターで館長の佐藤卓さんは「念願のグラフィックをテーマにした展覧会。21_21 DESIGN SIGHTが2007年にスタートしてから16年。いろいろな展覧会を開催してきましたが、グラフィックをテーマにした展覧会をできたらとずっと思ってきました。私はサブタイトルの辺境のグラフィックデザインという言葉が気に入っています。世界中に情報がフラットに回り、均質化しがちな中で、日本は漢字、片仮名、平仮名、アルファベット、絵文字、記号文字などが入り乱れています。こんなに文字やイメージビジュアルが豊かな国は世界にないのでは、今の世の中、辺境であることがいかに貴重であるかということを気づかせてくれました」とあいさつ。

21_21 DESIGN SIGHTのディレクター深澤直人さんは「今回の展覧会のすばらしいのは、良しあしや、美しい美しくないというところで見るのではなく、全体をフラットに環境情報として見たり、寄って見たりするところ。会場を回ってみて、こんなに文字やグラフィックにはまり込んだ人たちはいない、やりすぎではとも思いましたが、是非楽しんでいただけたらと思っています」などと話した。

また、展覧会ディレクターの室賀清徳さんは「文字のレイアウトそのものに意味を持ちながらも、言葉自体も意味を持つのが日本語の表現の面白さ。それをベースに、あるいは枕にグラフィックデザインをとらえてみると、どういう風景が現代見えてくるのかがスターティングポイントになりました」。

同じく展覧会ディレクターの後藤哲也さんは「日本はグラフィックギャラリーが3つもある世界でも珍しい国ですが、デザイナーの個展のような展覧会や、その年のデザインを代表するものを表すような展示が多いので、もう少し俯瞰(ふかん)的にデザインをとらえたような展覧会ができないかと考えていました。今回は1960年代や70年代、80年代ではなく、90年代以降、コンピューターでデザインをするようになった世代をしっかりととらえた展覧会をやりたいと考えました。同時に、90年代から海外でどういった動きがあったのかも、併せて紹介しています」などと語った。

企画展「もじ イメージ Graphic 展」

会期
2023年11月23日~2024年3月10日
会場
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
休館日
火曜日(12月26日は開館)、年末年始(12月27日~1月3日)
開館時間
10:00~19:00(入場は18:30まで)
入場料
一般1400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
主催
21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援
文化庁、経済産業省、港区教育委員会、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会、東京タイプディレクターズクラブ、特定非営利活動法人日本タイポグラフィ協会
特別協賛
三井不動産株式会社
協賛
株式会社TSDO
協力
公益財団法人DNP文化振興財団

展覧会ディレクター
室賀清徳、後藤哲也、加藤賢策
グラフィックデザイン
LABORATORIES
会場構成
中原崇志、香坂朱音
会場構成協力
吉田あさぎ
企画協力
西山萌、長田年伸

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