21_21 DESIGN SIGHT企画展「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」とは。

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21_21 DESIGN SIGHTのギャラリー1からギャラリー3まで、すべてのギャラリーを使って開催される初めての展覧会となる今回の「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」。6月23日からの一般公開に先駆け、前日の22日に行われたプレスプレビューからその詳細をレポートする。クリストとジャンヌ=クロードを始め、既存の表現方法の垣根を越えた大胆な発想を実現する、クリエーターたちによる壮大なプロジェクトを紹介する「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」の全貌とは?

(閲覧注意:この記事には一部作品の詳細な写真と説明が掲載されています。これから展覧会を見る方はご注意ください)

昨年6月、イタリアのイセオ湖で、プロジェクト「フローティング・ピアーズ」を開催したクリストとジャンヌ=クロード。今回の企画展は「フローティング・ピアーズ」がきっかけとなったもの。プレスプレビューには、たくさんの編集者や記者、ジャーナリストが集まった。展覧会のディレクターを務めたのは、建築やデザイン、アートなど幅広い分野に精通するライターでエディターである青野尚子。青野は「そこまでやるか、というタイトルにはリスペクトの意味を込めた。クリストとジャンヌ=クロードたちの行う期間限定のプロジェクトは、形はその場からなくなっても強烈な影響を残す。今回は、見終わった後で、壮大さによって自分の中で何かが変わる、そんなスイッチを押してくれる作家を集めた」と話す。

今回はクリストとジャンヌ=クロード(Christ and Jeanne-Claude)、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ(LUCERNE FESTIVAL ARK NOVA)、ヌーメン/フォー・ユース(Numen/For Use)、ダニ・カラヴァン(Dani Karavan)、ジョルジュ・ルース(Georges Rousse)、淺井裕介、石上純也、西野達の8組が参加。展覧会では、制作過程のアイデアスケッチやドキュメント、実際の作品で使用した素材、新作インスタレーションなどが展示されている。「大人の事情とは違う価値基準と自由さ、壮大さを見て、体感できる展覧会にしたい」という狙いから体感型インスタレーションもある。

21_21 DESIGN SIGHTがクリストとジャンヌ=クロードを取り上げたのは、2010年に開催された「クリストとジャンヌ=クロード展」に続く2回目。クリストとジャンヌ=クロードの展覧会を開催したのはアジアで日本だけだという。展覧会はクリストの50年を超える創作活動の歴史とその物理的・時間的スケールの壮大さを表現した世界地図からスタート。プロジェクト実現のために費やされた時間、実演時間に地図を加えた。

また、前回はドローイング作品やプロジェクト写真によって、これまでのプロジェクトを紹介したが、今回、ギャラリー1では3面のマルチ・プロジェクターを使って、展覧会のためニューヨークのスタジオで撮り下ろしたインタビュー映像、世界初公開となる「フローティング・ピアーズ」のドキュメンタリー映像を中心に、写真、映像を見ることができる。さらに、「マスタバ、アラブ首長国連邦のプロジェクト」をドローイングやコラージュ作品、ドキュメント写真などで紹介している。クリストはプレスプレビューのために来日できなかったが会場では50分のインタビューを見ることができる。(ドローイング横のマスタバについての10分のインタビューも含めると計60分)

ギャラリー2では石上純也、ヌーメン/フォー・ユース、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ、淺井裕介の4組の作品を展示。廊下ではダニ・カラヴァン、最後にはジョルジュ・ルースの作品を紹介している。

舞台美術、インダストリアルデザイン、インスタレーションなど、テープやネットなどの素材を使い、様々な活動を行っているヌーメン/フォー・ユースは、透明のテープで作られた新作のインスタレーションを制作するほか、場所に応じてインスタレーションの形が変わっていくプロセスを見せた。6日間かけて作られた作品はダンスパフォーマンスからインスパイアされたもの。柱の間を踊る、ダンスの振り付けのデーターを形にしているそうだ。また、オブジェは彫刻であるとともに建築であり、1度に最大3人まで入ることができる。中は、60年代、70年代の特撮作品などを思わせる、身体の中に侵入したような、あるいは異次元空間に紛れ込んでしまったような、不思議な雰囲気だ。

泥や絵の具などを使った絵画で知られる淺井裕介は、これまで各地で採取した土に加えて東京ミッドタウン内で採取した土を使用。ヴァンジ彫刻庭園美術館で発表した作品など、過去に手がけた作品を大幅に組み換えた壁画作品を発表した。

ジョルジュ・ルースは21_21 DESIGN SIGHTの建築空間に合わせて作られた、見る位置によって形を変える円形のインスタレーションとともに、その写真作品を紹介している。

石上純也は中国山東省の渓谷で進行中の、教会のプロジェクト模型を通して、壮大なスケールを表現した。

ダニ・カラヴァンは長さ3キロの「大都市軸」と「ネゲヴ記念碑」の2つのプロジェクトのスケッチ、写真、模型などによって精密なプロセスを見せている。

ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァは2011年の東日本大震災を機に、長さ36メートルの巨大な風船状の可動式コンサートホールを制作。東北でコンサートを開催したプロジェクトの素材サンプル、構造の図面、組み立てる際の映像、コンサートの様子などを展示。

一方、ギャラリー3では、マーライオンを使ってホテルやリビングなどのプライベート空間を公共空間に設置するプロジェクトなどを発表してきた西野達がカプセルホテルをモチーフにしたインスタレーションを発表。、「六本木にど真ん中に突如として出現したアートホテル」として7月14日と28日には実際に夜間滞在できる予約制のイベントを実施するなど、ギャラリー3の建築とも融和する体験型新作インスタレーションを行っている。西野は「安藤忠雄の建築を1人で使えるということで、めちゃくちゃ力を入れて作った。今までも実現不可能なことをしてきたが、日本は世界で一番やりたいことをすることのが難しい、規制の多い国。実現不可能性99パーセントが98パーセントになりました、という感じで一歩ずつ進めていった」と話す。

「そままでやるか」というような壮大なプロジェクトを通して、クリエーションが持つ特別な力と、そこから広がっていく喜びを伝える展覧会。10周年を機に、今年3月31日にギャラリー3を設立した21_21 DESIGN SIGHTにとって新しい一歩といえそうだ。10月1日まで。

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