ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)2022/2023年秋冬コレクション

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ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)は3月25日、デジタル形式で2022/2023年秋冬コレクションを発表した。デザイナー活動60年を迎え、今回新たなスタートとなる121回目のコレクションを発表した鳥居ユキ。鳥居ユキらしさと、かわいいムードやわかさが共存する、次の10年に向けた新しいステップ、新しいディレクションとも言えそうなコレクションを見せた。

「あたたかさ」を伝えたい。そうプレスリリースに記した今シーズン。提案したのは、ローズプリントとチェックの組み合わせなど、鳥居ユキらしいプリントで、あたたかさと同時にはなやぎを込めたという冬の防寒着。ニットもノルディック柄、フェアアイル柄、手仕事のぬくもりを感じるフラワー刺しゅう、存在感を発揮した表情豊かなニットのバリエーションを様々なチェック柄、ストライプ柄と合わせて、トラディショナルに今の気分を取り込んだという鳥居らしいデザインだ。

だが、これまでのコレクションや無観客でのランウェイショー形式の見せ方とは違う、カタログやアナログなスライドショーのような、画像の見せ方などのためだろうか。クラシックで鳥居らしく、自由でありながら、ユーモラスで、若く、レトロかわいいムードに見える。前回からのスポーツアイテムも大人のカジュアルであると同時にリラックスして、若々しい。モンドリアン柄やデザイナーの大好きな花やフラワーガーデン、そこに降り注ぐ光、花の生命力などを、そのまま服にしてしまったようなデザインもカジュアルで、スポーティ、どこまでも軽い。

コレクションは、もしも鳥居が今10代でデビューしたら、10代、20代をターゲットにしたら、あるいは10代をターゲットにしたブランドとコラボレーションしたら、というコレクションなのではとも思わせた。

ここ数年、特にコロナ以降、若さ、軽さ、透明感を増してきた鳥居。リアルなショーをしていた頃のようなモデルが来日しなくなっている影響か。パリの老舗メゾンがラグジュアリーブランドが時代に向けて変化したり、デザイナーを交代したりすることで、時代に対応したように、鳥居も変わろうとしているのか。それとも、ケンゾーやヨウジヤマモトがそうであったように、時代が何週も周り、最先端になっているのか。もちろん、そのすべてが重なり合っているのだろう。鳥居のデザインが2世代、3世代と、世代を超えたものであることは間違いないだろう。今後の展開も注目されそうだ。Text : Shinichi Higuchi(樋口真一)

ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)2022/2023年秋冬コレクションLOOK

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