2024年(第42回)毎日ファッション大賞の表彰式が開催。大賞は三原康裕さん、新人賞・資生堂奨励賞は村田晴信さんが受賞

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2024年(第42回)毎日ファッション大賞の表彰式が10月23日、東京都千代田区大手町の大手町三井ホールで行われ、メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)の三原康裕さんが大賞を受賞した。また、新人賞・資生堂奨励賞はハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)の村田晴信さんが受賞した。ファッション界に多大な貢献をした人や団体に贈られる鯨岡阿美子賞は、日本ファッション・ウィーク推進機構前理事長の三宅正彦さんに贈られた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

毎日ファッション大賞は毎日新聞創刊110年を記念して1982年に創設されたもので、年間を通じてファッションという文化活動において最も優れた成果を上げたデザイナーや経営者、コーディネーター、企業、団体を選び、表彰している。また、優れた創作活動を行った新人デザイナーやファッションデザイナー以外でファッション界に貢献した人物・団体、ファッション文化に貢献し社会的インパクトを与えた人や企業なども表彰の対象になっている。

大賞に選ばれた三原さんは「正直なところ、これまで当たり前のことをしてきただけで、大げさなことを成し遂げたわけではありません。今回の受賞もどうかと思いましたが、これまでお世話になった多くの方々に感謝を伝える良い機会だと感じ、喜んでお受けしました。

23歳で靴作りを始め、1996年に会社を設立しました。あと少しで30周年を迎えます。年月が経つにつれ、共に歩んできた方々が引退されたり、いなくなったりすることもあり、この機会を逃すと感謝を伝えることが難しくなると思い、こうしてお話しすることにしました。

靴作りを始めた頃、多摩美術大学の学生だった私は、少し変わり者として見られていました。それでも、多くの方が私を信じ、支えてくれたおかげでブランドを立ち上げることができました。その後、洋服の制作も手がけ、今ではヨーロッパでショーを発表するまでになりましたが、これらの実績はスタッフや周囲の皆様の支えがあってこそのものです。

毎日9時半に出勤し、日々当たり前のことを積み重ねてきました。若者の育成という大げさなことは考えておらず、ただ目の前で困っている人がいれば助けたいと思ってきただけです。だから、この賞をいただくことには迷いもありましたが、これは私一人の功績ではなく、支えてくださった皆様への感謝の表れです。

ファッションとアートが好きで、その情熱だけでここまでやってきました。30年はあっという間でしたが、これからも40年、50年と続けていければと思っています。若い頃は、少し格好をつけて『新人賞などはいらない』と言っていましたが、今は心から感謝の気持ちでいっぱいです」とあいさつした。

村田さんは「ブランドを立ち上げてから5年が経ち、今、その努力が一つの形になったと感じています。これまでの経験が本当に意味を持ち始め、とても嬉しく思っています。

ハルノブムラタは、日本のラグジュアリーブランドを目指して、私が日本に帰国後に始めたものです。ポケットに手を入れるときのさりげない仕草や、繊細な動きといった日本人特有の美意識を大切にしています。また、非常に個人的な思いも込められています。私の祖母はとてもおしゃれで、その美しさやファッションセンスをブランドに取り入れたいという想いもありました。

イタリアでデザイナーとしてキャリアをスタートし、職人技への敬意や素材へのこだわり、ファッションに対する情熱を深く学びました。日本の美意識とイタリアで学んだ考え方を組み合わせ、新しい形のラグジュアリーブランドとして発信していきたいと思っています。今回の受賞をきっかけに、さらに世界へと展開し、日本を代表するラグジュアリーブランドを目指していきます」と意気込みを語った。

また、海外のコレクション発表については「長くミラノに滞在していたため、ミラノ・ファッションウィークに挑戦したいという強い気持ちはあります。ファッション協会とも話をしており、継続的に活動できる基盤が整えば、ショーを開催しに来るよう誘われています。実現できるかわかりませんが、日本でその基盤を作り、コンセプトをさらに固めてミラノに行くことが当面の課題です。また、これまではショーを開催することからイメージが先行していましたが、新しい店舗のオープンも控えており、実際の製作に丁寧に取り組む段階に入っていくと思います」という。

三宅さんは「昭和32年に学校を卒業し、丸紅に入社して以来、長い間、繊維産業とファッション業界に関わってきました。時代の移り変わりを強く感じながら、日本ファッション・ウィーク推進機構の理事長として、毎年2回のファッションショーや、年2回の繊維産業の展示会を開催してきました。スタッフと皆様のご支援のおかげで、順調に運営することができました。今後もさらなる発展を目指していきたいと考えています。今年6月に理事長を退任しましたが、今後も日本ファッション・ウィーク推進機構を応援していきたいと思っています」と話した。

また、表彰式終了後には、新人賞・資生堂奨励賞に選ばれた村田さんの受賞記念プレゼンテーションが行われた。村田さんは今回のプレゼンテーションについて「ブランドを運営する上で、私にとって最も大きな原動力は、幼少期に抱いた憧れ。それが、創作活動の中心となっています。今回は、これまでのショーで発表したコレクションの『ベスト版』として、特別なコレクションを皆様にご覧いただきたいと考えました。最初に登場するルックは、私が20歳の時に制作したもので、現在のブランドの道筋となる最初の作品です。また、サウンドトラックには、学生時代に初めて目にしたファッションショーの音楽を取り入れており、現在のブランドの方向性とは少し異なるものになっていますが、私にとっての憧れを一つの形にして皆様にお届けしたいと思いました」と説明した。

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