2023年(第41回)毎日ファッション大賞の表彰式にマメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)の黒河内真衣子さん、のんさんらが出席

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2023年(第41回)毎日ファッション大賞の表彰式が10月16日、東京・渋谷のEBis303で行われ、マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)の黒河内真衣子さんや俳優でアーティストののんさんらが登場した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

毎日ファッション大賞は毎日新聞創刊110年を記念して1982年に創設されたもの。年間を通してファッションという文化活動の中で最も優れた成果を上げたデザイナーや経営者、コーディネーター、企業、団体を選び、表彰するほか、優れた創作活動をした新人デザイナーやファッションデザイナー以外でファッション界に功績を残した人・団体、ファッション文化に貢献し、社会的にインパクトを与えた人や企業などを表彰している。

41回目を迎えた今回は、マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)のデザイナー黒河内真衣子さんが大賞を受賞した。黒河内さんは2014年(第32回)毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞を受賞している。新人賞・資生堂奨励賞はシンフラックス(Synflux)代表取締役のCEOの川崎和也さんに贈られた。

また、ファッション界に貢献した人や団体に贈られる鯨岡阿美子賞はユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文さん、話題賞は高級時計ブランド「グランドセイコー」と俳優でアーティストののんさんの2組が、それぞれ受賞した。特別賞は文化学園に授与された。

大賞に選ばれた黒河内さんは「『マメ』というブランド名は、私のあだ名から付けたのですが、今では私個人のものではなく、スタッフ1人1人の『マメ』になっています。この1年間、通常のコレクションだけではなく、様々なコラボレーションやプロジェクトで、いろいろな人と仕事をさせていただき、毎日が勉強になっています。制作という長い旅を続けてこられたのも、モノづくりの現場からたくさんのギフトを頂いたからだと思っています。一緒にものづくりに励んでくださる工場や職人の方たちには本当に感謝と尊敬の思いしかありません。また、そういった旅の中ではたくさんの失敗もありますが、サンプルを受け取ったときに本当に感動するんです。モノづくりのすばらしさを誰よりも感じていますし、思いのこもった商品を大切に思ってもらえるのは、これ以上ない幸せです。ファッション業界にはたくさんの課題もありますし、私自身日々葛藤もありますが、これからも私たちらしいやり方で、誰かにとっての素敵な1着を作っていけたといいなと思っています」とあいさつ。

新人賞・資生堂奨励賞を受賞したシンフラックスの川崎さんは「私はコレクションデザイナーではありません。洋服のパターンメイキングの際に生じる廃棄物を大幅に削減するシステムを開発しています。私はファッション産業にとって重要だと思っていることが2つあります。ファッション産業の持続可能性、循環、再生のために、テクノロジーとファッション産業が共振すること、そして、そのために行動を共にし、一緒に事業を作っていくことです。今後もがんばりますので、よろしくお願いします」と喜びを語った。

また、鯨岡阿美子賞に選ばれた栗野さんは、「生まれて初めてこのような賞をいただきました。ファッション小売業界の仕事は、販売の仕事もバイイングの仕事も、残るようなものではありません。黒河内さんのように皆さんに着ていただいたり、美術館に飾られたりするようなこともありませんが、評価されることが難しい仕事を続けてきて良かったと思っています。今年70歳になりましたが、もうしばらく走り続けると思いますし、これからもいい洋服屋でありたいと願っています」とコメント。

話題賞に選ばれた、のんさんは「私は俳優、アーティストとして活動していますが、キャリアの始まりはティーン誌のモデルからでした。たくさんのお洋服を着たいという気持ちでこの世界に飛び込んできたので、ファッションで賞をいただけるということがめちゃくちゃうれしいです。そして、私が立ち上げた『ウィ・ユー(OUI OU)』というブランドも評価していただけ、これからも頑張ろうという気持ちになりました。私は、強い意志を示したいとき、物すごいエネルギーで挑戦しなければならないときに、ファッションの力を借りて頑張ることができたので、これからもファッションの喜びを体現できるように精進したいと思います」と笑顔。

同じく話題賞となった「グランドセイコー」を展開するセイコーウォッチの石黒実代表取締役・副社長執行役員は「日本の美意識を大切にしながら、世界に通用する日本のラグジュアリーブランドを目指し、ブランド価値を高めていきたい」などと話した。

特別賞を授賞した文化学園の清木孝悦・文化学園理事長/文化学園大学学長は「学園の創立100周年の年に特別賞を受賞しうれしく思います。これからも1人1人の学生を大切にして、それぞれの希望に応えながらファッション教育を継続することで社会の発展に寄与したい」と述べた。

2023年(第41回)毎日ファッション大賞表彰式

写真上から
マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)のデザイナー黒河内真衣子さん
シンフラックス(Synflux)代表取締役のCEOの川崎和也さん
ユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文さん
俳優・アーティストののんさん
セイコーウォッチ代表取締役・副社長執行役員の石黒実さん
文化学園理事長/文化学園大学学長の清木孝悦さん

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