久保嘉男が手がけるヨシオクボ(yoshiokubo)は、楽天ファッション・ウィーク東京2025年春夏(Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 S/S)3日目の2024年9月4日、ルミネtheよしもとで2025年春夏コレクションを発表した。テーマは「守・破・離、自在 」。Photos Courtesy of yoshiokubo
同ブランドはリリースで今回のコレクションについて次のように書いている。
yoshiokuboは、ブランドの今を「守・破・離、自在」として定義し、記憶や蓄積された経験を振り返り、その先にある新たな創造を目指しています。
2025年春夏コレクションでは、過去の全力を基盤に、自身のアイデアを深く掘り下げ、そこから生まれる独自の着眼点をもとに服作りを展開しています。
ブランドの土台として続く「切り替え」という手法。
誰も見たことがないような、見せたくなる技を駆使した「テクニカル」なデザイン。
今やりたいことを詰め込んだ「ギャザー」という視覚的なアプローチ。
「きっと、しっかりと考え尽くして丁寧に作り上げた唯一無二とも言える一着を作ることができれば、簡単に“消費”されることなくずっと長く愛着をもって着続けてもらえるはず」
という想いから出来上がった洋服を、作り続けます。
久保嘉男
また、新作の発表は吉本新喜劇によるもの。劇中にて yoshiokubo 25SS Runway Show を展開し、間寛平(吉本新喜劇ゼネラルマネージャー)と座長・すっちーも特別モデルとしてランウェイを歩くなど、いつもとはひと味違う「笑いあり・感動あり・ファッションあり」の発表を行いました。今回のコレクションは、大阪出身であるデザイナー久保が長年温めてきた構想を、20周年の節目の年を記念して実現させたものです。
久保は、「子どもの頃から吉本新喜劇は自分の生活の一部であり、ずっと心の中の切り離せない存在だった。同じ舞台に立つなんて思いもしない憧れそのものであり、生き方にも深く影響している」とし、次のように感想を述べています。
「大阪弁ではクリエイティブなことや、誰も目にしたことがない、聞いたことがないようなことを『おもろい』と表現する。そして、大阪には、他人と違うことをすると『君、おもろいな! 吉本の芸人さんになれるで』と褒める文化がある。この言葉は、他と違うことをすることは良いことだ、という気持ちを育み、他と違うことをしようとする自分への自己肯定感を高めてくれていた。
吉本新喜劇があったから、のびのびと自分の“色”を出すことを恐れずにいられたし、『おもろいこと』をしても良いと感じさせてくれたのは吉本新喜劇であり、吉本の芸人さんの存在があったからだと思い、尊敬している。そして、ファッションデザイナーとして『今まで見たことのないパターンやディテールを追求して、誰も見たことがない服を作りたい』というブランドのアイデンティティにも深く繋がっていると考えている。
そんな吉本新喜劇の劇中に自分のショーが組み込まれ、一体となって観客を楽しませることができ、感無量だ」