ソマルタ(SOMARTA)を手掛けるデザイナーの廣川玉枝は、450年以上の歴史を誇る英国の名門パブリックスクール「ラグビースクール(Rugby School)」の日本校「ラグビースクールジャパン(Rugby School Japan)」の新制服をデザインした。新制服は英国本校の歴史をひも解きリサーチを重ね、柏市の環境や日本の風土との関係性も考慮してデザインしたもの。ジャケット、スラックス・スカート、シャツ、ネクタイなどのほか、バッグやトラックスーツなどもデザインした。
「ラグビースクールジャパン」は「国際的な学術・教育・文化空間の形成」の実現を目指し、「柏の葉国際キャンパスタウン構想」であるスマートシティの一端を担う学校として2023年9月、千葉県柏市に開校したインターナショナルスクール。
象徴的なタータンのジャケットは、かつて本校で使用されていた伝統タータンに基づき、細やかな千鳥模様が交差する格子織りで構成。日英共通の伝統模様である千鳥模様は、英国ではハウンド・トゥースと呼ばれる猟犬の牙を表す模様であり、日本では荒波を乗り越える水辺の鳥を表す縁起の良い柄として広く知られていることに着目した。
色は、2020年に刷新された本校の新制服の色であるブルーを基調に、伝統的なスクールカラーであるオックスフォード・ブルー、ケンブリッジ・ブルー、ホワイト、柏市のシンボルツリーで、強い生命力を象徴する柏の木をイメージしたグリーンと都会的な印象を与えるシルバーグレーをプラスしている。
廣川は「スクールの中で制服は非常に重要な要素のひとつで、着用することで一人一人がラグビースクールジャパンの生徒として誇りやコミュニティ、帰属意識を育んでいけるよう、英国本校の伝統を受け継ぎながらも都会的な日本校の革新性をデザインに取り入れました」とコメントしている。
デザインアイテムの特徴
■ジャケット
英国「ラグビースクール」の伝統を受け継ぎ、シングルブレストのデザイン。身体のバランスが美しく見えるようやや細身のシルエットで、上襟と下襟の切り替えとなるゴージラインは高めに設定し、都会的でスタイリッシュな造形を実現。タータン図案を立体的に見せるため、基本カラーに陰影となるカラーを加え、合計8色の色糸を複雑に交差させたタータン生地をデザインした。
■ジェネラル ネクタイ
レジメンタルストライプに織り上げた生地の色彩には、スクールカラーであるオックスフォード・ブルーとホワイト、新制服に合わせたブルーに加え、本国の教育環境であるパストラルライフをイメージする、肥沃な大地の色パストラル・ブラウンを取り入れている。
■ハウス ネクタイ
英国本校同様に導入される寄宿舎ごとのハウスネクタイは、伝統的に受け継がれている色彩や紋章のデザインを取り入れジャカード織りで表現した。
■シャツ(長袖/半袖)
サックスブルーのシャツは、肌当たりの良い堅牢(けんろう)なオックスフォード織りの生地を使用。比翼前立てで都会的で品格の漂う洗練されたデザインに仕上げている。
■スクールニットセーター・ベスト
Vネックセーター・ベストはミドルゲージで丁寧に編み上げ、それぞれ袖口と裾をスクールカラーであるケンブリッジ・ブルーとグリーンのストライプで縁取りし、首元にはグリーンのステッチを施している。胸元に日本校の校章の刺しゅうを入れ、どのスタイルでも同校の生徒であることが分かるようにした。
■スラックス・スカート
スラックスは、ウエストにワンタックを入れセンタープレスのデザインにし、適度にゆとりを持たせつつ美しいストレートシルエットとなるよう設計。スカートは、ボックスプリーツ加工を施して緩やかに広がりをもたせたAラインシルエットに仕上げられている。
■スクールバッグ
全寮制の英国本校と違い、様々な通学スタイルを持つ日本校の特徴に合わせたオリジナルデザイン。制服のタータンにも使用されている千鳥模様のエンボス加工を施した生地に、フロントポケットには校章を刻印。現代のライフスタイル、スクールライフに合わせた堅牢なデイパックとして教材やPC・タブレット専用ポケットを設けるなど用途に応じた機能を備えている。
■スポーツキット
トラックスーツをはじめ、スポーツキットはスクールカラーであるオックスフォード・ブルー、ケンブリッジ・ブルー、ホワイトを使用。アイテムの胸元には校章をプリントし、どのスタイリングでも同校の生徒であることが分かるよう視認性を持たせている。
■スポーツバッグ
大容量で耐久性に優れたスポーツバッグは、堅牢なナイロン素材を使用し、色彩はスクールカラーであるオックスフォード・ブルーとホワイトを採用。スポーツキット同様にホワイトカラ
ーをブロック状に大胆に使用し快活な印象を与えている。
■スイムバッグ
スイムバッグは高密度ツイルのナイロン素材を使用。ジッパー付きのボトムポケットには濡れた水着や水中眼鏡を分けて収納できるよう利便性を持たせながら、複数のバッグを持ち合わせた際のカラーコーディネートを考慮しデザイン設計されている。