在日イタリア商工会議所が主催する第14回全国イタリア料理コンクール「グラン・コンコルソ・ディ・クチーナ(Gran Concorso di Cucina)2023」の決勝大会が2023年12月11日、東京・新宿の服服部栄養専門学校 ステューディオ ドゥ キュイジーヌで行われ、オステリア楓(香川県高松市)の津田圭佑さんが優勝した。津田さんにはジャーナリスト賞など各賞も贈られた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
「グラン・コンコルソ・ディ・クチーナ」は日本全国のイタリアンのプロのシェフを対象にしたもの。今年は、レシピと写真による審査を通過した8人で11月に準決勝を行い、2人を選出。津田さんとIl Senso(茨城県つくば市)の池邉真喜さんの対決による決勝大会を開催した。
当日は1時間以内にイタリア国旗の緑、白、赤にちなんだ3色のペスト(パスタ・ペースト)を作り、審査員のほか、ジャーナリスト、一般観覧者が試食、投票を行い、優勝シェフを決定した。また、今回はタレントの峰竜太さんとスポーツキャスターの下嶋兄さんがスペシャルゲストサポーターとして登場した。
ジェノベーゼ、フレッシュトマトを使ったトラパネーゼ、北海道の白子を使ったペストを作った津田さんは「本当にうれしいです。決勝大会本番は緊張して、うまくできなかったのですが。とりあえず、ほっとしています」と笑顔で喜びを語った。
審査員であるエリオ・ロカンダ・イタリアーナ(Elio Locanda Italiana)のエリオ・オルサーラさんは津田さんについて「3種類ともパスタを変えてきたことが気に入った」と評価。また、「冷たいもの、オーブンに入れたものなど、いろいろな食べ方がありますよという考えから3皿すべてカネロニにした」池邉さんの料理について「彼女の味のエレガンスはすばらしい。すごくバランスが取れている。でも、イタリア料理では若者らしいファンタジーも大事だ」と説明した。
イタリア・エミリア=ロマーニャ州ボローニャのミシュランレストラン「AL CAMBIO」のエグゼクティブシェフを務めるマッテオ・ポッチ(Matteo Poggi)さんは「池邉さんは、パスタの種類がもう少しあればよかった。イタリアにはものすごい種類のパスタがありますからね。でも、彼女のコンセプトはカネロニ1つとってもいろいろな食べ方ができるということだったので、どっちに転ぶかだったと思う。もしかしたら、時によって、違った結果になったかもしれない」と話した。
また、スペシャルゲストサポーターとして池邉さんを応援した峰さんも「彼女のパスタの中にはすべてストーリーがあったし、そのストーリーが素敵でした。料理も素敵でしたが、人間性も好きになりました」などと語った。
第14回全国イタリア料理コンクール「Gran Concorso di Cucina 2023」決勝大会
オステリア楓(香川県高松市)の津田圭佑さんの作品
Il Senso(茨城県つくば市)の池邉真喜さんの作品
審査員:
マッテオ・ポッジ(AL CAMBIO/ボローニャ)
パトリツィア・ディ・ベネデット(byebyeblues TOKYO)
エリオ・オルサーラ(Elio Locanda Italiana)
パオロ・マッツィーニ(Leone Marciano)