アンリアレイジ(ANREALAGE)は6月16日から7月2日まで、東京・表参道のスパイラルガーデンで「アンリアレイジ20周年記念展覧会『A=Z』(ANREALAGE 20TH EXHIBITION「A=Z」)」を開催している。入場料無料。開催に先立ち、6月15日には会場でレセプションパーティーを行い、展覧会を公開した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、パリコレクション公式スケジュールとしてデジタル(オンライン)形式で発表した2021春夏コレクションから2022/2023年秋冬コレクションまでの4シーズンのコレクションから、コロナ後にパリで発表した原点回帰ともいえる2023年春夏コレクションと最新の2023/2024年秋冬コレクションまで、アンリアレイジの「日常」と「非日常」を地続きにさせる対極的な思考を、ギャラリー空間に展示、紹介するもの。
アンリアレイジの設立20周年を記念して開催された今回。展覧会では、世界の人々が非日常的な日常を経験した2020年から2023年に発表したコレクションを展示している。
会場は1「WALL OF THE COLLECTION LOOKS OF 20 YEARS, 2003-2023」、2「WALL OF THE WORDS OF A=Z」、3「S/S 2022 COLLECTION A&Z」、4「S/S 2021 COLLECTION HOME」・「A/W 2021-22 COLLECTION GROUND」・「S/S 2022 COLLECTION DIMENSION」・「A/W 2022-23 COLLECTION PLANET」、5「A/W 2023-24 COLLECTION = ()」の5つのエリアがら構成されている。
展覧会は、レセプション受付右横の壁面を使い2003年から2023の最新コレクションまで、膨大な作品をルック画像を並べて紹介する「WALL OF THE COLLECTION LOOKS OF 20 YEARS, 2003-2023」エリアからスタート。階段をのぼりながら過去のコレクションを振り返っていく。
次は反対側の壁にアンリアレイジを言葉で表現した文章を集めた「WALL OF THE WORDS OF A=Z」エリア。また、ルック画像のエリアと言葉のエリアの間にある「S/S 2022 COLLECTION A&Z」エリアでは、階段にパッチワークへの原点回帰コレクションといえる2023年春夏コレクション作品を展示。アンリアレイジがデビュー当時から追求してきたパッチワークを駆使した作品を目の前で見ることができる。
階段を降り、黒い布で作られた入り口を通り過ぎた暗闇の中にあるのが、「S/S 2021 COLLECTION HOME」から「A/W 2021-22 COLLECTION GROUND」、「S/S 2022 COLLECTION DIMENSION」、「A/W 2022-23 COLLECTION PLANET」まで、パリではショーを行わず、デジタル形式で発表した4シーズンからピックアップしたエリア。
最後のエリアは、最新作となる2023/2024年秋冬コレクションを紹介する「= ()」エリア。ら旋階段に包まれたスパイラルガーデン奥のスペースに作られた円形のインスタレーション。展示された一見クラシックに見える白のドレスやコート、鮮やかな色のコートなどはフォトクロミック技術を活用したもの。「環世界」の概念を起点にしたコレクションは、メリーゴーランドのように回り、アーム型ロボットが紫外線を当てることによってレインボーカラーやモノグラム、ボーダーやストライプの柄などに変わり、時間の経過とともに、もとの白や無地に戻っていく。そして、また、ロボットアームで服に紫外線を当て、色や柄が変わる。
また、会場奥にはポップアップショップも設置。なお、会場は全エリア、 写真・動画撮影が可能となっている。
昨年は楽天グループによる日本のファッションブランド支援プロジェクト「バイアール(by R)」で、楽天ファッション・ウィーク東京2023春夏5日目の9月2日、ベルサール渋谷ファーストで「ANREALAGE 2023 SPRING/SUMMER 20th ANNIVERSARY COLLECTION “A & Z”」を発表したアンリアレイジ。
アニバーサリーコレクションでは、2021春夏コレクションから2022/2023年秋冬コレクションまでの4シーズンのコレクションをリアルなファッションショーの中で再現するとともに、ラストシーンではデジタルとは対照的な、同ブランドの原点である、手仕事を駆使したパッチワークを進化させた新作も発表したが、今回の展覧会は、昨年のアニバーサリーコレクションを思い出させる。
森永邦彦さんは、今回の展覧会について「昨年のショーでも1回やりましたが、展覧会をすることでアンリアレイジというブランドの『根っこ』にあるものを、たくさんの人に見てもらいたいと思いました。スパイラルガーデンの真ん中で回り続ける2023/2024年秋冬コレクションのインスタレーションやパッチワークのコレクションを見ることで、原点を知ってもらえるし、色の変化のスピードが速くなり、色の表現も広がっているなど、フォトクロミックが進化していることなども分かってもらえると思います」とコメント。
また、これからの20年について聞くと「パリでコレクションを発表することは変わりませんが、今後は20年間に発表したコレクションの中で消えずに残ってきたものを凝縮しながら、20年後にも残るものを作りたいし、日常と非日常という考えは残しながら、新しいものを作っていきたい。また、フォトクロミックなどの服を見たことのない人もたくさんいます。まだ、見たことのない人たちに見てもらえる機会や場所も作ることができればと思っています」などと話した。
「アンリアレイジ20周年記念展覧会『A=Z』(ANREALAGE 20TH EXHIBITION「A=Z」)」レセプションパーティー
【「アンリアレイジ20周年記念展覧会『A=Z』(ANREALAGE 20TH EXHIBITION「A=Z」)」レセプションパーティー展覧会開催概要】
アンリアレイジ20周年記念展覧会
アンリアレイジ 20TH EXHIBITION「A=Z」
開催日: スパイラルガーデン東京都港区南青山5-6-23
スパイラル1F
期間: 2023年6月16日~7月2日
11:00~20:00
入場:無料
主催:株式会社アンリアレイジ
企画制作:株式会社金子繁孝事務所 カナカワニシアートオフィス合同会社
展示協力:ライゾマティクス
開催協力:株式会社ワコールアートセンター
協賛: 日本電信電話株式会社 シキボウ株式会社 バリュエンスホールディングス株式会社 株式会社グランマーブル ヒビノ株式会社