東京の新しい風物詩、未来へのメッセージを発信する“光の祭典”「TOKYO LIGHTS 2022(トウキョウ ライツ ニーゼロニーニー)-プロジェクションマッピング国際大会-」が9月17日から9月19日まで、明治神宮外苑 聖徳記念絵画館と明治神宮外苑 総合球技場軟式球場で開催されている。前日の9月16日にはプレスプレビューが行われ、オフィシャルアンバサダーの尾上松也さんが登場した。また、プレスプレビュー前には、光の祭典エリア体験/内覧会も行われ、最先端テクノロジーと光のアートが融合したエンターテインメント空間が広がる「光の祭典エリア」も公開した。
Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
追記 :9月18日と9月19日に予定していた「TOKYO LIGHTS 2022」は台風14号の接近に伴い中止が決定した。
昨年スタートした「TOKYO LIGHTS」は、世界最大級の「プロジェクションマッピング国際大会」を軸として、先進のエンターテインメントパフォーマンス、鮮やかな光のアートなどを体験出来るイベント。プロジェクションマッピング国際大会は世界各国から集まった作品が聖徳記念絵画館に投影され、圧倒的で上質な映像を体験出来る。場軟式球場の「光の祭典エリア」では、非日常感のある光の世界を旅行するように光のアートや先進的な光のエンターテインメントコンテンツで、様々な光の時間を体感することが出来る。
昨年12月に続く2回目となる今回。プレスプレビューでは、オープニングショー 「WELCOME TO NEO TOKYO-Old meets New- 」のほか、メインコンテンツである、世界最大級のプロジェクションマッピング国際大会「1minute Projection Mapping Competition」の最終審査まで勝ち残った19作品の中から5作品を上映。招待作家である、ユウタオクヤマと前大会で優勝したインドネシアのザ・フォックス、ザ・フォルクス(THE FOX, THE FOLKS)のスペシャル作品2作品も上映した。尾上松也さんと「TOKYO LIGHTS 2022」実行委員会副委員長兼「1minute Projection Mapping Competition」大会総合プロデューサーの石多未知行さんによるトークセッションも行われた。
オープニングショー「WELCOME TO NEO TOKYO」では、歌舞伎を始め琉球やアイヌ民族など、様々な日本の伝統文化や芸能を新しい演出手法と表現を融合させた今までにないエンターテインメントを創り出した。1分から1分59秒という限られた時間の中で製作された、プロジェクションマッピング作品を紹介する「プロジェクションマッピング国際大会」では、コロナウイルス感染症や紛争、自然災害などで、環境が変わる中で、ライフ、命、くらし、人生をテーマに、ウクライナや日本、中国など、過去最多となる55の国と地域241組のエントリーから選ばれた作品を重要文化財である聖徳記念絵画館をスクリーンにして、投影。YouTubeでも配信している。
一方、「光の祭典エリア」では、「サークル・オブ・ライフ」をテーマに、日本を代表するクリエーターが作る光や音楽を使ったマルチメディアインスタレーションとリアルなパフォーマンスを組み合わせ、没入型のエンターテインメント空間を創り出している。会場は「海」、「森」、「空」のエリアに分かれ、光の世界を旅するように、非日常な体験が出来るような構成になっている。
会場は序章光のポータルからスタート。光のアーチを抜けると、「TOKYO LIGHTS 2022」のオブジェが見え、非日常に入っていく。次は第1章の海。ファイバービームという、日本で開発された目に入っても危険がないレーザー光線と海の中のような映像演出、クラゲなどを思わせるリアルなパフォーマンスを組み合わせた、光のトンネルを進むことで、海や深海の中を泳いでいるような体験が出来る。続く第2章森は、自然の中で多様な命を感じられる空間。一輪車などを使った、たくさんの鳥が自然の中を飛んでいるようなパフォーマンスを楽しめる。最後の第3章は空の空間。光のオブジェやファイバービーム、輝く光で構成された空間で、フードやドリンクを楽しみながら、大会を観覧することが出来るようになっている。
トークセッションで、尾上松也さんは「迫力と美しさが同時に伝わってきました。昔から野球が好きで、すぐ近くのバッティングセンターに来ていたので見慣れた景色なのですが、まるで別世界でした」とあいさつ。「歌舞伎を通じて思うのは、日本の皆さんに日本の文化を知ってもらうことが、世界に発信するのと同じか、それ以上に大事だということ。TOKYO LIGHTSは日本のクリエイティブのすごさを世界に発信し、交流する場であると同時に、日本の人たちに自分たちの文化を知ってもらうチャンスという意味でも価値のあるイベントだと思います。世界の光の祭典になれるように、頑張って欲しい」などとコメント。石多さんは「ウクライナの作品は戦争的な描写もあり迷いましたが、世界の人の考えを知ること、ウクライナの人のメッセージを受け止めたいと思いました。イベントを体験することが難しい中で、ここに来ることで世界を感じ、大きな光や映像に包まれる体験を知り、楽しんでほしい」などと語った。
また、質疑応答で尾上松也さんは「1回、自分の公演でプロジェクションマッピングと一緒にやる作品を作ったことはありますが、そのときは劇場だったので、外で夜やるのは素晴らしいと思いました。今後プロジェクションマッピングと一緒にやるとしたら、決められた場所ではなくゲリラ的にやってみたい。急に街の中でやり出すとか。夢みたいですが、いつか出来たらと思っています」と話した。