「六本木アートナイト2022」プレスプレビューに村上隆さんが登場

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「これまで六本木アートナイトを見て、現代美術の作家の作品は難しいと感じていたので、ねぶたのような、大きな光る(ドラえもんの)バルーンを作りました。アートの最初の入り口、小さなお子さんたちが入ってこられるようなものを作るという考えでやってみました」と語る村上隆さん「六本木アートナイト2022」が9月17日から9月19日の3日間、開催される。開催にさきがけて、9月15日には六本木ヒルズアリーナでプレスプレビューが行われ、メインプログラム・アーティストの村上隆さんが登場した。また、当日はプレスツアーも開催され、作品の一部も公開された。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

今回は「マジカル大冒険 この街で、アートの不思議を探せ!」をテーマに開催。約70組のアーティストが、六本木の街全域を会場として、ペインティングやインスタレーション作品、音楽、パフォーマンス、映像、トークなど、約100の多様なプログラムを展開する。また、オンラインで楽しめるアートナイト・デジタルでも、多くの映像作品、トークプログラムなどを発信する。

代表作「お花」を描いた、10メートルの「ドラえもん」のバルーンを作った村上さんは「1960年代初頭に子供たちの間で漫画が大ブームだったころ、漫画家の先生たちはみんなベレー帽をかぶっていました。ベレー帽はフランスの画家の象徴で、自分は芸術家であることを標榜(ひょうぼう)していたわけです。藤子・F・不二雄先生も、自分で芸術家だと言わないにせよ、今のユーチューバーやティックトッカーのように、自分たちが世の中を変えているという自覚があった、と言いますが、その通り、こうやってアート作品として展開しても十分に持ちこたえられる力を持っています。アーティストを始めた30年以上前、銀座の有楽町マリオンの吹き抜けの大きな空間にドラえもんの大きなバルーンを浮かべた映画のキャンペーンがあり、デビュー当時は似たような作品を作ったので、先祖返りしたような気持ちで作らせていただきました」などとあいさつ。

キュレーションした12組のアーティストについては「選んだのは僕が気に入っているアーティスト。基本的に日本の漫画・アニメ・ゲーム文化とリンクしている作家たちです。僕はスーパーフラットアートと言っていますが、スーパーフラット的なアーティストを選んだつもりです。オーダーを頂いた最初のプランでは時間がありませんでしたが、パンデミックで時間が伸びたことで、作り直してもらったものもあり、結果的に完成度が上がり、作家にとっても満足の出来るコラボレーションになっています。10メートルのドラえもんのバルーンも昨年展示した花のブロンズ像より強いな、どっしりしていて、表現もいっぱいあり、情報量も多い。このスケールで細密な形を、高いレベルで作れたと自負しています」と話した。

また、メインプログラムについては「常に外国向けのもの、文化を発信しているので、日本の祭りもたくさん取材もしていますが、今回はアートナイトということで、夜のお祭りで1番盛り上がるのは、ねぶただと思い、光るバルーンを作りました。どこまで面白おかしく子供たちの目線を引けるような図像をマッピング出来るのかに集中して作っています。アートの鑑賞は一瞬ですが、見た衝撃は大人になっても記憶に残っています。一瞬の衝撃があれば子供たちにメッセージが伝わると思っています」とした上で「僕のことを一番かわいがってくれているアートの母体は六本木ヒルズ。日本では発表する場所がないので、この場所を中心にしていますし、ドラえもんの展覧会には1回目から参加させてもらっているので、アートナイトをやるなら、ドラえもんをやればいいとずっと思っていました。10数年思っていたことをやった感じです」などと語った。

「六本木アートナイト」は生活の中でアートを楽しむという新しいライフスタイルの提案と、大都市東京における街づくりの先駆的なモデルを創り出すことを目的に2009年3月にスタートした。2011年は東日本大震災、2020年・2021年はコロナ禍により中止となったが、六本木を舞台に、現代アート、デザイン、音楽、映像、パフォーマンス等の多様な作品を街の中に点在させ、非日常的な体験をつくり出す同イベントは、回を重ねるごとに発展し、東京を代表するアートの祭典になっている。

六本木アートナイト2022開催概要

日時 9月17日(土)~9月19日(月・祝) 10:00~22:00(※19日のみ18:00まで)
※9月3日(土)~一部作品は先行展示
※一部、開催時間の異なる会場あり
開催場所 六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、
その他六本木地区の協力施設や公共スペース
デジタル(公式ウェブサイト、公式YouTubeチャンネル【RAN TV】)
公式ウェブサイト: https://www.roppongiartnight.com/
公式YouTubeチャンネル【RAN TV】:https://www.youtube.com/c/rantv_roppongiartnight
入場料、視聴料 無料(ただし、一部のプログラム及び美術館企画展は有料)

問い合わせ 六本木アートナイト実行委員会 ハローダイヤル: 050-5541-8600(9:00~20:00)

六本木アートナイト2022プレスプレビューとプレスツアー

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