アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)は2022/2023年秋冬パリコレクション6日目の3月5日、ショー&ライブストリーミングで2022/2023年秋冬コレクションを発表した。
演劇の世界にエレガントなトリビュートを送るコレクションを制作した今シーズン。
アンドレアス・クロンターラーは「演劇場は全てを可能にする特別な場所です。私たちには検閲を受けることなく、人々が自由に自己表現できる空間を必要としています。そんな場所を失ってしまったら文化は成り立ちません。私たちはそんな世界を守る必要があるのです。芸術とは人生のようなものです。時間という概念を超越しています。このコレクションではファッションというよりも、服を作ることに重きを置き、より高貴で儀礼的な表現をしました。それは動く絵画を制作するようなものであり、視覚から人々の心を揺さぶる生命体のような絵を描きたかったのです。その作業に没頭することで真実を発見し、その過程で多くを学ぶのです。衣服は幸福、調和、恐れ、優しさ、怒り、尊敬など人の内面にある感情を映し出します。そして私は今、軽快さを求めています。‘アンドレアス・クロンターラーとは何者なのか’今シーズン、私は自分が何者であるのかということを追求しました。ヴィヴィアンや、他の優れた女性や男性の誰でもなく、ミューズを自分自身の中に見出そうとしました。私がただ1つ言えることがあるとすれば、このコレクションこそが私自身なのです」
「コレクション制作の出発点となったのは冠をかぶり、金蘭の花で埋め尽くされた黄金のマントに髪を靡(なび)かせながら子を抱く聖母の像でした。もう1つのアイコンとして華麗さと美しさを放つ金、赤、青、ターコイズ、紫、黄色のサテンに刺しゅうを施した布をまとい、レースで覆ったジプシーの守護神、聖女サラです。クリスマスに私たちはアンナ・マグナーニが出演したジャン・ルノワールの映画 “The Golden Coach”を見ました。彼女は街頭演劇でコロンビーヌを演じていました。ある時は私自身が所有するアートブックの1冊に載っていた世界で最も有名な絵画の1つであるワトーの“ジェルサンの看板”を眺めていました。18世紀を生きた人々の人生の鏡となった作品です。ヴィヴィアンは私が眺めていた幾つかの作品を見て‘あなたは雲から生まれた花のように愛らしく、澄んだ水の表面を波立たせた底なしの紺碧(こんぺき)の水面のようね’と言います。私は我が家にある古いクリスマス飾りをコレクションの中から数点選んでデコレーションするようヴィヴィアンに頼んだのです。いつもありがとう、ダーリン!」としている。