アジア最大級のプロジェクションマッピング国際大会「1minute Projection Mapping Competition」の公開審査会と授賞式が、光の祭典「TOKYO LIGHTS(トウキョウライツ)」の最終日12月12日、明治神宮外苑聖徳記念絵画館で行われ、「TOKYO LIGHTS」オフィシャルアンバサダーの白石麻衣さんが登場した。プレゼンターも務めた白石麻衣さんは「いろいろな色があって素晴らしかったですし、すごい瞬間にいることができて、ありがたいなと思いました」「歴史ある聖徳記念絵画館をバックにたくさんのプロジェクションマッピングを見られて本当に感動しました。絵画館が本当に動いているんじゃないかと思うぐらいの感動をもらえて感謝しています」などと話した。Text : Shinichi Higuchi(樋口真一)
「1minute Projection Mapping Competition」は、日本が世界に誇る国際都市・東京に新たな光を灯し、エンターテインメントやアートを通して世界中に希望を届ける「TOKYO LIGHTS」のメインコンテンツとして行われたもの。
THE FOX, THE FOLKSが「1minute Projection Mapping Competition」東京都知事賞(グランプリ)とオーディエンス賞のダブル受賞
今回はインドネシアのザ フォックス、ザ フォルクス(THE FOX, THE FOLKS)の作品「THROUGH THE NIGHT」=上写真=が東京都知事賞(グランプリ)を受賞した。ザ フォックス、ザ フォルスクは、公式YouTubeチャンネルで最も多くの「いいね」を獲得した作品に贈られるオーディエンス賞も受賞し、ダブル受賞となった。
世界54の国と地域からエントリーされた246組の作品の頂点に立ったザ フォックス, フォルクスは授賞式にオンラインで参加し、「2つの賞を受賞し、驚いていますし、とてもうれしい」と喜びを語った。大会総合プロデューサーで審査員の石多未知行さんは「ダブル受賞は本当にすごいこと。こういう審査は審査員と一般の方の評価が違うことが多いのです。審査員と一般の方の両方に評価されたということが、この作品がいかに素晴らしいのかを表していると思います。3Dプロジェクションマッピングが主流の時代にあえてイラストレーターを使った表現をしているのもチャレンジングですし、チャレンジングなだけでなく完成度も高く、ストーリーも大人から子供までわかりやすいものでした。こんな時代の中で明るく、今回の希望というテーマを体現したポジティブな作品で、みなさんに楽しんでいただけたと思います」と評価した。
オーディエンス賞のプレゼンターも務めた白石さんは「ストーリー性もあったし、モノクロの世界からパッと明るくなって。音楽ともマッチしていて穏やかな気持ちになりました」と笑顔。MCの古坂大魔王さんは「派手派手というよりも、シビアに、シンプルに、ストーリー性で攻めたという感じでした」と話した。
準グランプリであるTOKYO LIGHTS賞は、スペインのRomera Diseño e infografia SLロス ロメラス(Los Romeras)の「Alegria」に決定。「音楽をこの建物(聖徳記念絵画館)と映像を使ってどう表見するかということにいろいろな作家がチャレンジする中で、フラメンコという伝統的な音楽を、現代的な感性と最先端の技術を使い、シンプルに、強く表現出来た」 (審査員であるライゾマティクスの真鍋大度さん)ことなどが評価された。
Tokyo Tokyo賞は日本のゼロワンイメージ(01iMAGE / Noguchi Kazunobu)
また、Tokyo Tokyo賞は「環境問題、コロナ、国際間の緊張など、困難な状況の中で、どんな人でも楽しく見られる作品の中に、創造性が大事だという強いメッセージを込めた」(審査員で森美術館特別顧問の南條史生さん)ことが評価された日本のゼロワンイメージ(01iMAGE / Noguchi Kazunobu)=上写真右=による「ジダイノテ Hands of New Age」が授賞した。
審査員特別賞は「ビジュアルを音楽に合わせて作った」というドイツのフェリックス フランク(Felix Frank)の「Arco Iris」に贈られた。
小池百合子東京都知事から「世界の人を魅了し、東京の風物詩となるように発展してほしい」のメッセージも
石多さんは大会について「クリエーターや世界中の人たちがTOKYO LIGHTSやプロジェクションマッピングを通じて、つながり、希望や未来を発信していく場にしたい」とコメント。
また、小池百合子東京都知事から「芸術や文化は人の心に潤いをもたらし、国境や言語を超えてその国ならではのものを伝えます。新しい表現手法であるプロジェクションマッピングを歴史的建造物に投影する光の祭典など、今後も伝統と革新が共存する東京の魅力を世界に発信していきたいし、この光の祭典が世界の人を魅了し、東京の風物詩となるように発展してほしい」というコメントも届いた。
白石麻衣さん「世界中から集まったプロジェクションマッピングを観せていただき感動しました」
授賞式終了後行われた会見で、白石さんは「歴史あるこの聖徳記念絵画館を舞台に、世界中から集まったプロジェクションマッピングの映像作品を観させていただきとても感動しました。カラフルな様々な作品を見て、これからの未来のために改めて頑張ろうとも思えました!このような貴重な機会に立ち会えたことを光栄に思っています」とコメント。オフィシャルアンバサダーについては「このような大きな大会でアンバサダーを務めさせていただけると聞いて、はじめは私で大丈夫かな?と思ったのですが、ここ東京から海外とつながり、本当にたくさんの素晴らしい作品を見させていただいて楽しかったです。このような素敵な大会に参加させていただけて良い思い出になりました。これからもたくさんの大会を見れたらいいなと思いますし、プロジェクションマッピング自体がもっともっと世の中に広がっていってほしいなと思いました」と話した。
もし、プロジェクションマッピングのプログラマーだったとしたら世界各国のどの建物にマッピングを投影してみたいかという質問には「エッフェル塔が歴史ある建物で素敵だなと思っているので、エッフェル塔に自分が思い描くプロジェクションマッピングを投映できたらカッコいいだろうなと思います。今回のプロジェクションマッピングの大会でも人の絵とかも出てきていたので、自分がモデルになって、アニメっぽくうまく置き換えて、エッフェル塔に投影できたらかっこいいのかなって思います」と答えた。
また、古坂さんは「プロジェクションマッピングはリアルに見るということも大事だし、醍醐味だとも思っています。でも今は世界中がこのような状態でリアルイベントの実施が難しい中、オンラインで世界中と繋がりつつ、リアルでこの大会が実施できたということがとても嬉しかったです。技術的にできるかどうかわかりませんが、チョモランマでプロジェクションマッピングができたらすごいですよね!チョモランマに富士山を映す。『どういうこと?』」ってなるのがいいですよね」などと語った。