アンリアレイジ(ANREALAGE)は2022年春夏パリコレクション6日目の10月2日に発表する2022年春夏コレクションで細田守監督の映画『竜とそばかすの姫』(東宝)とのコラボレーションが決定した、と発表した。アンリアレイジとスタジオ地図がタッグを組み、アニメーションを用いた、新たな試みのデジタルコレクションを発表するもの。NTTが提供するVR空間プラットフォーム「DOOR」で配信し、デジタルルックは、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)コレクションとして販売する。
コレクションのテーマを二次元と三次元を表す「DIMENSION」とした今シーズン。新たな挑戦として、パリコレクションとアニメーションとの融合、『竜とそばかすの姫』の世界を通して表現される、仮想と現実を交錯させる唯一無二の新しい世界、そしてアンリアレイジが追求してきた日常と非日常の境目をあぶり出す独自の世界が共演。異なる次元を越境して、新たなファッション表現とファッション体験を目指す。
デザイナー森永邦彦と細田守監督の出会いは、『竜とそばかすの姫』の制作中、50億人が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>の“歌姫「ベル」” が着る、コンサートシーンでのドレスデザインを、細田監督が森永へ依頼したことから、始まったという。森永は、アンリアレイジがパリコレクションでも発表をしている透明なクリスタルのように輝くフォトクロミックビーズを使ったルックや、ブランドが設立当初から続けてきたパッチワークのルックを“ベル”の衣装にも表現。新しい映画表現と、仮想世界におけるファッションの可能性を広げた。
ショー映像は10月2日16:30(時間は東京時刻、パリ時刻では9:30)、フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode)が運営するパリファッションウィークオンラインの専用プラットフォーム並びに、NTTが提供する3D空間型オウンドメディア「DOOR」、ANREALAGE OFFICIAL ONLINEで配信する。ショー後、10月2日16:45(時間は東京時刻、パリ時刻では9:45)からは、同様のプラットフォームよりビハインドザシーンムービーも配信する。
ライブ配信先である「DOOR」は、NTTが提供する3D空間型プラットフォーム。「DOOR」内では、アンリアレイジのVR会場にアバターとして来場し、ショーを観覧することができる。ライブ配信終了後には、コレクションに登場した新作ルックを3Dで間近で見ることや、来場者同士のコミュニケーションも可能だという。「DOOR」では10月12日からは、新作アイテムをオーダーすることができるVRショールームも開設。リアルとバーチャルが融合した、ファッションの新たな体験価値を提供するとしている。
また、今回のショーで発表するデジタルルックは、ブロックチェーン技術を用いて発行された唯一無二で代替不可能なデジタルデータであり、ブランド初のNFTコレクションとして販売も行う。
今回のNFTプロジェクトの全体コーディネートは、2019年から共創プロジェクトを進める丹青社が担当し、現実空間と仮想空間をつなぐ新たな体験価値を創出。また、スタートバーンが構築するアートのためのブロックチェーンインフラ「Startrail(スタートレイル)」を採用し、作品の真正性と信頼性の担保、流通や利用の永続的な管理を行う。
ショー終了後の10月2日から、先行してアンリアレイジのNFT特設サイトを開設。10月中旬にはNFTのマーケットプレイスであるOpenSeaで一部販売を実施する。同ブランドでは「現実のファッションをデジタル世界に拡張させることで、ヴァーチャルな1点ものとしてのNFTファッションへの第一歩を踏み出す」としている。
●配信URL
PARIS FASHION WEEK ONLINE
VR LIVE STREAMING AT “DOOR(by NTT)”
ANREALAGE OFFICIAL ONLINE
●スタッフクレジット
DESIGNER : KUNIHIKO MORINAGA(ANREALAGE)
SHOW DIRECTION : SHIGE KANEKO (SHIGE KANEKO Co., Ltd,)
MOVIE FILM DIRECTOR : TOMOYUKI KUJIRAI (NION)
HAIR & MAKE : TOMIHIRO KONO
STYLIST : TEPPEI
ART DIRECTION : MASAYA MUTO (ANREALAGE)
ANIMATION “BELLE” DIRECTED : MAMORU HOSODA ©2021 STUDIO CHIZU
ANIMATION PRODUCTION COOPERATION : STUDIO CHIZU
PRODUCER : HIROYUKI ISHIGURO(STUDIO CHIZU)
PRODUCTION MANAGER : MASAMI SAKON(STUDIO CHIZU)
CG PODUCTION : Digital Frontier Inc.
CG DIRECTOR : RYO HORIBE (Digital Frontier Inc.)
CG PRODUCERS : NOBUHIRO SUZUKI / SHUN FUNAHASHI (Digital Frontier Inc.)
PRODUCTION MANAGER : AIKO YONEYAMA (Digital Frontier Inc.)
MUSIC PRODUCER / MUSIC : TAISEI IWASAKI
MUSIC : LUDVIG FORSSELL
MUSIC SUPERVISOR : TAKA CHIYO
MUSIC MIXER : HIROAKI SATO (molmol)
PLANNING : DAISUKE IGA(BAND)
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森永邦彦KUNIHIKO MORINAGA
1980年、東京都国立市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。大学在学中にバンタンデザイン研究所に通い服づくりをはじめる。2003年「アンリアレイジ」として活動を開始。ANREALAGEとは、A REAL-日常、UN REAL-非日常、AGE-時代、を意味する。2005年東京タワーを会場に東京コレクションデビュー、同年ニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART 2005」でアバンギャルド大賞を受賞。東京コレクションで10年活動を続け、2014年よりパリコレクションへ進出。2015年フランスの「ANDAM FASHION AWARD」のファイナリストに選出される。2017年パリコレ以降の作品を展示した「A LIGHT UN LIGHT」展を国内で開催し、LA及びサンパウロのJAPAN HOUSEにて巡回展を開催、また、ポンピドゥー・センター・メッスやロスチャイルド館、森美術館での展覧会へも参加している。2019年フランスの「LVMH PRIZE」のファイナリストに選出。2019年度第37回毎日ファッション大賞受賞。2020年 FENDIとの協業をミラノコレクションにて発表。2021年ドバイ万博日本館の公式ユニフォームを担当。細田守監督作品『竜とそばかすの姫』では主人公ベルの衣装を手がける。
細田守 MAMORU HOSODA
1967年、富山県出身。1991年に東映動画(現・東映アニメーション)へ入社し、アニメーターを経て演出(監督)になる。1999年に『劇場版デジモンアドベンチャー』で映画監督としてデビューを果たす。その後、フリーとなり、『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09) を監督し、国内外で注目を集める。11年、プロデューサーの齋藤優一郎とともに、自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立し、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』(15)で共に監督・脚本・原作を手がけた。『未来のミライ』(監督・脚本・原作)は第71回カンヌ国際映画祭・監督週間に選出され、第91回米国アカデミー賞の長編アニメーション映画賞や第76回ゴールデングローブ賞のアニメーション映画賞にノミネートされ、第46回アニー賞では最優秀インディペンデント・アニメーション映画賞を受賞した。最新作『竜とそばかすの姫』(21)が現在公開中。