日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志(THREE KINGDOMS UNVEILING THE STORY)」が7月9日から9月16日まで、東京国立博物館平成館で開催される。開催に先駆けて、きょう7月8日に報道内覧会が行われ、展示内容が公開された。
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「リアル三国志」を合言葉に、日本でもゲームや漫画、人形劇、映画などで幅広く親しまれている、漢から三国の時代の文物を最新の成果によって読み解く今回。三国志研究史上最大の発見で、海外初出品となる河南省の曹操高陵(曹操の墓)からの出土品や、呉の皇族クラスの墓と目される上坊1号墓のほか、後漢から三国時代の兵器、三国の風土がかいま見える俑など、中国から来日する最新の考古発掘成果を展示し、考古学ならではのリアルな三国志像を紹介する。
東京国立博物館学芸研究部調査研究課東洋室の市元塁主任研究員は「三国志は日本でも人気の高いコンテンツですが、果たしてどういう時代だったのか、人々がどういうものを見て、どんなものを使っていたのか実はわかっていませんでした。それが、ここ10年で本格的な発掘が進んだことで、実物の資料によって三国志の時代を再構築出来るようになってきました。本展はリアル三国志と唱っているように、リアルタイムの文物をメインに展示しています。中国各地18の地域の40を超える機関から文物を集めた規模の大きい展覧会で、見所もたくさんあるので、多くの人に見てほしい」などと話した。
Text & Photo:Shinichi Higuchi(樋口真一)
三国志研究史上、最大の発見で、海外初出品となる河南省の曹操高陵出土品や、呉の皇族クラスの墓と目される江蘇省の上坊1号墓など、選りすぐりの文物と最新の研究成果を交えてその実像に迫り、これまでの三国志を超えた考古学ならではの、新たな三国志像の構築を目指しているという今回。
展覧会は「プロローグ 伝説のなかの三国志」、「第一章 曹操・劉備・孫権 英傑たちのルーツ」、「第二章 漢王朝の光と影」、「第三章 魏・蜀・呉 三国の鼎立」、「第四章 三国歴訪」、「第五章 曹操高陵と三国大墓」、「エピローグ 三国の終焉 - 天下は誰の手に」の七つのパートから構成されている。
「プロローグ 伝説のなかの三国志」は、なじみ深い三国志の世界を紹介するもの。今回のポスターのメインヴィジュアルに使われた関羽像は、引き締まったからだで、ひげも控えめなど、神格化される以前の関羽像で、造形的にも非常に美しく、伝世像屈指の「美関羽」と言える、という。
今回はNHKの人形劇『三国志』の川本喜八郎による人形とのコラボレーションや、横山光輝の漫画『三国志』の原画なども展示。また、音声ガイドも吉川晃司がナビゲーターとなり、吉川英治作「三国志」の物語と対比させながらリアルな三国志に迫るバージョンとコーエーテクモゲームスのゲーム「真・三國無双」シリーズから曹操・曹丕・夏侯惇・関羽の4人の武将がナビゲートするバージョンの2つを用意するなど、横山光輝の『三国志』とコーエーテクモゲームスの『三国志』、吉川英治の『三国志』という日本を代表する『三国志』が揃っている。
「第二章漢王朝の光と影」では、後漢時代の獅子の像などを紹介。墓の入り口に飾られたと思われるもので、実物のライオンそのもののような造形から後漢時代の王朝の国力が感じられる。
「第三章 魏・蜀・呉 三国の鼎立」では、三国時代の武器を展示。空中を飛び交う矢で三国時代の戦いを再現した。来場者が戦いの一場面を体感出来るように天井には1100本の矢が飛び、壁には400本の矢が刺さっている。
「第五章 曹操高陵と三国大墓」では、実寸で曹操高陵の一部を再現。出土品の白磁も展示している。
棺をのせるための台座として作られた石の虎「虎形棺座(とらがたかんざ)」。
「エピローグ 三国の終焉 - 天下は誰の手に」では、展覧会のとりを飾る、世界一短い三国志とも言える「晋、呉を平らげ天下大平」と刻印された晋時代の墓に使われていた磚などを展示している。
日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」
会期 2019年7月9日~9月16日
休館日 月曜、7月16日。※ただし7月15日、8月12日、9月16日は開館
開館時間 午前9時30分~午後5時 ※金・土曜は午後9時まで (入館は閉館の30分前まで)
会場 東京国立博物館平成館(上野公園)〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
観覧料(税込) 一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円※中学生以下無料※障がい者とその介護者1名は無料
チケット取り扱い 東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、 展覧会公式サイト(オンラインチケット)、 セブンチケット、 ローソンチケット、 チケットぴあ、 イープラス、 イベンティファイ、 CNプレイガイド、 その他各プレイガイド
主催 東京国立博物館、中国文物交流中心、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
後援 外務省、中国国家文物局、中国大使館
協賛 大日本印刷、三井住友海上火災保険、三井物産
協力 飯田市川本喜八郎人形美術館、コーエーテクモゲームス、日本航空、光プロダクション
問い合わせ 03−5777−8600(ハローダイヤル)ご案内時間 8:00~22:00(年中無休)