「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」が東京・六本木の国立新美術館で開催

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日本・オーストリア外交樹立150周年記念「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」が4月24日から8月5日まで、東京・六本木の国立新美術館で開催されている。前日の23日にはプレス内覧会が行われた。

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19世紀末から20世紀初頭にかけて、絵画や建築、デザインなど、それぞれの領域を超えて新しい芸術を求めた、装飾的できらびやかな独自の文化が開花したウィーン。今回の「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」は、ウィーンの世紀末文化を「近代化(モダニズム)への過程」という視点からひも解く、新しい試みの展覧会となるもの。ビーダーマイヤー時代の銀器や絵画など、18世紀後半やビーダーマイアー時代の美術作品を始め、グスタフ・クリムトの30点の素描画を含む47点の作品やエゴン・シーレの22点の作品、オスカー・ココシュカの17点の作品、建築、ファッション、テキスタイル、インテリア、音楽にまつわる作品まで、およそ400点の作品を展示。ウィーンの芸術文化の全容と革新性を紹介している。

会場は啓蒙(けいもう)主義時代のウィーン、ビーダーマイアー時代のウィーン、リンク通りとウィーン、1900年世紀末のウィーンの4章で構成。赤い壁で始まる第1章では、啓蒙主義時代のウィーンをテーマに、近代化への種のまかれた原点を紹介。

緑色の壁の第2章では、ビーダーマイアー時代のウィーンをテーマに、19世紀前半の政治状況やデザイン、絵画を紹介。ウィーン会議を主催したオーストリアの外相クレメンス・フォン・メッテルニヒが使っていたスーツケースなども展示している。

第3章ではリンク通りとウィーンをテーマに、近代都市へと変わっていく、都市改造の時代を紹介。ハンス・マカルトの油彩画など、フランツ・ヨーゼフ皇帝夫妻の銀婚式記念祝賀パレードやウィーン万博などを軸に、それらにまつわる美術品を展示している。

メーンとなる第4章では、1900年世紀末のウィーンと題して、クリムトのエミーリエ・フレーゲの肖像など、世紀末芸術を展示。新しい近代的な建築を目指したオットー・ヴァーグナーの建築の素描画など、ワーグナーが提案したウィーン都市プロジェクトのデッサンや作品を展示しているほか、絵画分野では、クリムトが若い画家たちと結成したオーストリア造形芸術家組合(ウィーン分離派)や、ウィーン工房の作品も紹介している。

内覧会で、ウィーン・ミュージアムのウルズラ・ストーク副館長は「日本・オーストリア外交樹立150周年という記念すべき年に展覧会を開催することができ、大変うれしく思っています。現在、ウィーン・ミュージアムは拡張工事と改修工事で閉館しているため最高の作品を日本に持ってくることができました。日本のみなさんは高い教育を受けているので、美術品だけでなくその時代背景や社会を見ていただくというコンセプトも理解していただけると思っています」とあいさつ。

また、国立新美術館の本橋弥生主任研究員は「ウィーンの世紀末の芸術と文化を成り立ちから魅力まで紹介する決定版と自負しています。今回の展覧会は当館が開催する通常の展覧会の2倍から3倍の量を展示しています。本国のウィーン・ミュージアムに行ってもこれだけ多くの作品を見る機会はありません。少しでも多くの人にそのすばらしい作品を見てほしい」と話した。

同展は8月27日から12月8日、 大阪・中之島の国立国際美術館でも開催される。

なお、同館内には文化服装学院の学生によるクリムトの「エミーリエ・フレーゲの肖像」やエミーリエ・フレーゲのファッションからインスパイアされた作品も展示されている。

Text & Photo:Shinichi Higuchi(樋口真一)

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会場 国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
開館時間 10:00〜18:00
※毎週金・土曜日は、4・5・6月は20:00、7・8月は21:00まで。
4月28日(日)〜5月2日(木)と5月5日(日)は20:00まで開館。
5月25日(土)は「六本木アートナイト2019」開催に伴い22:00まで開館。
※入場は閉館の30分前まで。
休館日 毎週火曜日

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