「コシノヒロコ 墨の軌跡」展が開催。来年ニューヨークでも展覧会を

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コシノヒロコさんが最も親しんできた「墨」の仕事の軌跡を辿る展覧会KHギャラリー銀座「コシノヒロコ 墨の軌跡」展が8月10日まで、東京・中央区のKHギャラリー銀座で開催されている。

コシノさんの墨の作品だけでの展覧会は2013年春以来5年ぶりとなるもの。最新作最新作を含むこれまでの作品の中から、墨の濃淡のリズムやにじみ、薄墨が美しい作品約40点を選び、展示している。

1階にある、今回の展覧会のために描いた新作19点は墨と水との戯れを表現。入ってすぐ、正面の作品はじわっと墨や水の表情を表現しながら、毛皮や岩のようにも見えるなど質感も強調されており、その他の作品は心象的な風景を表しているという。また、2階は心象的な風景をより具体的に表現。月の満ち欠けなどを伴う夜の風景を描いている。

オープニングレセプションにはコシノヒロコさんも出席。「墨に始まり墨に終わる、というかどうかはわかりませんが、墨というのは日本人や東洋の独特のテクニックだと思います。私自身、若い頃からすごく興味があっていろいろなことに挑戦してきましたが、だめで元々でやっていくと何かすごくおもしろいものができてしまうのです。それは水と墨、紙の質によってどんどん変化していき、乾いた時にはこれ何だろうと思うようなものができるから。私が頭の中で意図したものではなく、行動すること、手を動かすことで教えられる。自分の意思で創るのではなく、神様が与えてくれるのだと思います」とあいさつ。

また、「来年あたりにはニューヨークでも展覧会をすると思います。書の世界ではニューヨークで成功された人もいますが、また違った形で水墨画の世界を広げていきたい」と明らかにした。

昨年は書籍「HIROKO KOSHINO it is as it is あるがまま なすがまま」を出版。数年後には回顧展となる展覧会の開催も計画しているコシノヒロコさん。今回発表したニューヨークでの展覧会なども含め、今後の展開も注目を集めそうだ。

Text & Photo:Shinichi Higuchi(樋口真一)

コシノヒロコKOSHINO Hiroko プロフィール

スタイル画の大家、原雅夫氏に師事。1964年大阪心斎橋にオートクチュール・アトリエを開設し、1977年から現在まで毎年東京コレクションに参加。1978年にはローマのアルタ・モーダで日本人として初めて作品を発表し、1982年から10年間と2009年から2年間、パリコレクション(プレタポルテ)に参加。近年はアーティストとしても国内外で作品を発表し、銀座と芦屋にKHギャラリーを開廊している。

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