クールジャパン機構が「インフルエンサー」を使ったコンテンツマーケティング会社クローゼットに出資。アセアンのミレニアル女性に発信

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写真右からクールジャパン機構加藤有治専務、クローゼットCEOのロジャー・ユアン(Roger Yuen)氏、共同創業者でコンテンツ制作の責任者であるケーシー・コー(Kersie Koh)さん、共同創業者で営業部門の責任者であるシェリル・タン(Cheryl Tan)さん

クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は4月9日、「インフルエンサー」を使ったコンテンツマーケティング会社である、シンガポールの「クローゼット(Clozette Pte.Ltd.)」への出資を決定した、と発表した。出資額は最大約11億円(1万3,500万シンガポールドル)。日本に関心の高い、イスラム圏を含めたアセアンのミレニアル世代の女性に向けて、日本の美容やファッション、旅、グルメなどを現地目線で継続的に発信し、次世代の日本ファンの獲得と定着を目指す。

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クローゼットは、アセアンの20代から30代のミレニアル世代の女性に向けて、美容やファッション、旅、グルメなどを中心に、インフルエンサーを通じて、SNSを使ってコンテンツを配信している有力ベンチャー企業。プロモーション企画ごとに最適なインフルエンサーを活用し、商品の背景にあるストーリーを核に、フォロワーの反応に関する蓄積データの分析から最適なコンテンツを制作するなど、アセアンのミレニアル女性の興味や関心に対して、精度が高くリーチできる新世代のマーケティングを展開。現在、インフルエンサーのネットワークは約3,500人、そのフォロワー数は計6億人を超え、化粧品や日用品など大手消費財のブランドを始め、300以上の企業やブランドとの協業実績があるなど、同分野のリーディングカンパニーとなっている。パリコレクションに参加するラグジュアリーブランドや著名ファッションブランドとも協業している。

クールジャパン機構の加藤有治専務では今回の出資について「アセアンは人口構成が若く、ミレニアル世代の人口は2億1,500万人と日本の8倍。消費額もGDPベースで日本の80兆円に対してアセアンが約70兆円など、急速に発展しており、同等になるのは時間の問題。クローゼットのメーンターゲットのひとつであるインドネシアからイスラム圏へも訴求していける。アセアンではSNSが普及していて、1日あたり日本の4倍から7倍の時間をSNSに使っているなど、若者に対して訴求力を持っている。数あるコンテンツマーケティング企業の中で、クローゼットはミレニアル世代への圧倒的なリーチなど、特徴がすばらしく、良質ともにクールジャパン機構が求めるものと一致し、資本提携に至った」としており、「テイストメイド、スパイバーに続き、新体制としては3件目だが、非常にボリュームが大きい、アセアンのミレニアル世代の女性をメーンターゲットに、日本の有力なコンテンツである、ファッション、ライフスタイル、旅、グルメなどを発信したい」考えだ。

今回の出資によって、クローゼットは日本オフィスの立ち上げや、日系企業および地方自治体との連携、自社サイト内での日本に特化した情報セクションの新設などを行う予定。自社サイトでは6月以降をメドに英語サイト内に『クールジャパン』セクションを作るほか、インドネシア専用のサイトでもクールジャパンのセクションを作り、ハラルメニューを提供するレストランの紹介など、現地の目線で日本のビューティ、スタイル、トラベル、フードなどのコンテンツを紹介。インフルエンサーを通して、ファンやたくさんの人たちに日本の魅力を発信していく。

クローゼットの創業者でありCEOのロジャー・ユアン(Roger Yuen)氏は「アセアンは2020年には世界5番目の経済圏になると言われている。インドネシアも30歳以下が50パーセントで、消費欲が旺盛だ。日本の企業はもっと活躍出来る。日本の商品や文化を現地の言葉や目線に直し、クールジャパン機構とともに発信していきたい」などと話した。

Text & Photo:Shinichi Higuchi(樋口真一)

 

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