ミッドタウン八重洲で“工芸が灯すクリスマス”奈緒さんが点灯式に登場  駿河竹千筋細工のツリー

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 東京ミッドタウン八重洲は2025年11月13日から12月25日まで、クリスマスイベント「MIDTOWN YAESU CHRISTMAS 2025」を開催している。今年は「ジャパンクラフト×イルミネーション」のコンセプトを継承しつつ、日本各地の職人約60組による工芸作品を集めた「Merry KOGEI Exhibition」を展開。静岡県の伝統工芸「駿河竹千筋細工」を用いたクリスマスツリーやクラフトマーケット、ワークショップ、5階テラスのイルミネーションなどを通じて、“工芸が灯すクリスマス”を提案している。初日には1階ガレリアで点灯式が行われ、俳優の奈緒さんがゲストとして登場した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

「MIDTOWN YAESU CHRISTMAS 2025」とは ジャパンクラフト×イルミネーションの第3弾

 東京ミッドタウン八重洲は、2023年に青森のねぶた、2024年に石川の金継ぎとコラボレーションしたクリスマスイルミネーションを実施し、各地の伝統工芸を東京・八重洲から発信してきた。3年目となる今回は、コラボレーションの相手を全国の工芸職人へ広げた。「大切な人のための特別なギフト」という、クラフトとクリスマスに共通する考え方を軸に、日本各地とつながる八重洲ならではのクリスマスを企画したという。

駿河竹千筋細工の「Merry KOGEI Tree」 環境にやさしい“工芸ツリー”がガレリアに登場

 ガレリアに設置されたメインツリー「Merry KOGEI Tree」は、静岡県の伝統工芸・駿河竹千筋細工を用いた高さ約5メートルのツリー。直径約0.8ミリの極細の竹ひごを一本一本手作業で組み上げる独自の技法によるもので、細かな網目からこぼれる光が会場を柔らかく照らす。ツリーのデザインは、静岡県出身のデザイナー花澤啓太氏(unknot)が手がけ、70年以上のキャリアを持つ伝統工芸士・高橋一雄さんら駿河竹千筋細工協同組合が制作した。

 駿河竹千筋細工は、江戸時代中期に静岡県の駿河地方で始まったとされる国指定の伝統的工芸品。竹に開けた小さな穴に細い丸ひごを差し込み、曲げて形をつくる技法が特徴だ。竹本来の色味や艶、丸ひごの曲線が生む柔らかな表情が魅力とされる。素材としての竹は成長が早く、農薬や肥料を使わずに育ち、伐採後も再生するなど環境負荷が比較的少ない点も評価されている。会場では、こうした素材や技術の特性も生かしながら、伝統工芸を現代のイルミネーションへと翻訳した。

全国の職人約60組が集結 「Gift Collection」で“贈り物になる工芸”を提案

 ツリー周辺では、日本各地の工芸作家約60組が参加する「Gift Collection」を実施。クリスマスシーズンに合わせた“贈り物”をテーマに、ガラス、金工、染織、木工など多様な工芸作品を展示する。訪れた人が工芸の質感や手仕事の跡を間近に感じながら、自分だけのギフトを探せる場とした。会場は午前11時から午後11時まで開場し、作品は観賞だけでなく、一部は購入も可能だという。

エスクァイア日本版との「Special Orders」 奈緒さん・堀米雄斗選手・成田悠輔さん・スプツニ子!さんの一点物

 ガレリアに隣接する1階アトリウムでは、男性向けスタイル誌「エスクァイア日本版」との共同企画「Special Orders」を展開する。俳優の奈緒さん、プロスケートボード選手の堀米雄斗選手、経済学者の成田悠輔さん、アーティストで起業家のスプツニ子!さんの4人が、それぞれの視点で職人にオーダーした一点物の工芸作品を展示している。

奈緒さんが語る八女提灯と“朱”の魅力 国花・菊を描いたインテリア照明

 点灯式には、奈緒さんが白の衣装で登場。司会者から「白くて、ちょっと妖精みたいな感じですね。そして、髪もバッサリと」と聞かれた奈緒さんは、「人生で今、いちばん短いのかなってなっています」とした上で、衣装については「クリスマスを意識して選んできました」と笑顔を見せた。

 奈緒さんは、「Special Orders」で自身がオーダーした作品についても語った。故郷の福岡県八女市の伝統工芸「八女提灯」を、現代の暮らしに合うコンパクトなインテリア照明として依頼。制作はシラキ工芸が担当し、八女提灯の特徴である薄い和紙と骨組みの構造を生かしながら、小ぶりで日常使いしやすいサイズに仕上げた。

 提灯に描かれたモチーフは、日本の国花の一つである菊。「国花といえば桜をイメージされる方も多いと思うんですけど、じつは菊も日本の国花。今回は、八女提灯に日本の国花としての菊を、手描きでイラストにしてみました」と説明した。

 「着物でも菊ってモチーフになることがすごく多いんですけど、日本の伝統的な菊柄を見ると、とても日本らしく、均一に描かれているものが多くて。そこを、今の自分の世代だったり若い世代の方に、新しい形で広めるにはどうしたらいいかなと考えた時に、手描きで、それぞれの花びらの大きさも、よく見ると実際には違うというところが、また“わびさび”で日本らしいのかなというのも私の中にあったので、今回はわりと“ゆるく”手描きで描かせていただきました。描いている時間はすごく楽しかったです」と話した。

 完成した八女提灯を初めて目にした時の感想を問われると、「本当に感動しました。今回、『何でも夢を叶えていただける』というお話だったので、家の中でも和を感じられて、いろいろなインテリアにも溶け込んで、どんな時でも日常で使える“和を感じられるもの”が欲しい、というご相談をさせていただきました」と振り返り、「まさに、家に帰ってその日1日が終わったときに灯すような、優しい明かりになっていて。これから家でこの灯りをともせるんだと思うと、とても幸せな気持ちになりました」と笑顔を見せた。

 色選びの背景には、海外での体験もある。奈緒さんは「私が先日フィンランドに行った時に、向こうのアーティストさんと一緒にイラストを描く時間があったんですけど、その時に、日本の習字の時に先生が使う“赤い墨汁”を、フィンランドのアーティストさんがご自身のイラストを描く時に使っていらっしゃったんですよ。私はその色は“添削するときの色”というイメージしかなかったので、びっくりしちゃって。聞いたら、『この朱の赤はとっても可愛い、チャーミングな色だよ』と教えてくださって。自分が気づかなかった日本の朱・赤の色というのは、海外ではそんなふうにチャーミングだと思ってもらえるんだな、と感じました」。

 そうした経験から、「家の中でも“朱”を感じられるものをちょっと置きたいな」という思いが生まれたという。「菊にもいろんな色がありますけど、今回はその中で赤を選びました」と話し、「夢が叶いました。ありがとうございます」と職人たちへの感謝を述べた。

 奈緒さんは、八女提灯をはじめとする工芸品について「ぜひ見ていただいて、今回の提灯いいなって思ってくださった方がいらっしゃったら、ぜひ“マイ提灯”を手に入れてほしいなと思っていて。最近は、北欧の家具と日本の家具を合わせるというようなインテリアの組み合わせも少し流行しているので、ぜひぜひ、難しく考えずに、日本の伝統というものをぜひ家に取り入れていただけたら嬉しいなと思います」とコメントした。

つまみかんざしや友禅の日傘も 工芸とストーリーに出会えるショーケース

 この日は、「Merry KOGEI Exhibition」に参加する工芸品の一つとして、江戸つまみかんざし職人による工芸品も紹介された。用意された2種類、4つのカラーの中から、白い衣装に合わせて雪の結晶モチーフの作品を実際に身に着けた奈緒さんは、「お花かなと思ったんですが、雪の結晶なんですね。すごく可愛いです」と笑顔を見せた。

 この日は、「Merry KOGEI Exhibition」に参加する工芸品の一つとして、江戸つまみかんざし職人による工芸品も紹介された。用意された2種類、4つのカラーの中から、白い衣装に合わせて雪の結晶モチーフの作品を実際に身に着けた奈緒さんは、「お花かなと思ったんですが、雪の結晶なんですね。すごく可愛いです」と笑顔を見せた。

 ショーケースに並ぶ他の作品の中では、刷毛で手描き友禅を施した日傘にも心を惹かれたという。「私も日傘をよく持ち歩くんですけど、傘ってすぐ無くしてしまって。でも、こういう“1本を大切にできるようなもの”を日頃から持っていると、物をより大切にできるんだろうなと思います」と語った。

 13日に行われた点灯式では、奈緒さんがステージ上のスイッチを押すと、ツリー全体に光が一斉に灯った。奈緒さんは、「近くで見てもいいですか。うわ、すごい。竹ですよね。好きなんです。竹の1本1本のひごが、とても細くて繊細なんですよ。手作りだからこそ感じられるあたたかさが、すごくあるツリーだなと思います」とコメントした。

 ツリーの印象については「とっても日本らしく、大切に作られている形になっているのかなと思うので。また“透ける”ということが、私すごく日本らしいなと思っていて。さっきの八女提灯の和紙のもそうですけど、私がドラマや映画をやっていると、日本髪を結っていただくことがあるんですよ。そうすると、日本髪のこの“結い上げた部分”が、少し似ているんですよね。透けるんですよ。その奥に見える景色が、ものすごくきれいに映ったりして、これはすごく日本の美しさだなと感じました。この柔らかい明かりが透けているというところが、とても素敵だなと思います」と話した。

奈緒さんのクリスマスの思い出とメッセージ “サンタさんを待つ子どもたちへ”

 トークの終盤には、「今年30歳になったので、今まで29回クリスマスを過ごしてきたんですけど、幼い頃は、とにかくサンタさんとコミュニケーションを取りたい子どもだったんですよ。どうやったらサンタさんに会えるか、ずっと考えていて」と笑いながら話し、「クリスマスにはサンタさんにスープを用意してみたり、夜起きて外を見て、サンタさんを見つけたこともあって。サンタさんがいる!ってお母さんに言ったら、赤い光があったんですよ。その先に、小さい白い光が何個かあって、『あれがサンタさんだ!』って言い張って、すごく満足して寝たんですけど。次の日も、その次の日も、その光がずっとあるんですよね。今思えば、ただの街灯だったんですけど(笑)」と、自身の幼少期のエピソードも披露した。

 それでも、「当時は本当に嬉しくて。お母さんもお父さんも、そして家族ぐるみで仲良くしていた人たちも家に来ていて、みんなが『そうだね、あれはサンタさんだね』って、小学生の私に合わせてくれて。あの時は本当に嬉しかったですね」と当時の気持ちを振り返った。「サンタさんを私と同じように待っているお子さんも、たくさんいらっしゃると思うんですけど、なかなかサンタさんは姿を見せてくれません。でも、諦めずにいれば、もしかしたらいつか見られるかもしれない。と、私は思っています」とメッセージを送った。

5階「Illumination TERRACE」で東京駅の夜景とシャンパンゴールドの光を楽しむ

 5階の「YAESU TERRACE」では、樹木をシャンパンゴールドの光で彩る「Illumination TERRACE」を展開する。東京駅の夜景とともに、温もりと華やかさを兼ね備えた空間を演出する。集光型のLEDライトを採用し、歩く位置や角度によって光の表情が変わるように設計した。今年はツリーイルミネーションの間にランタンも配置し、より立体的で華やかな景色を楽しめるようにしたという。

【Merry KOGEI Tree 概要】

場所:1階ガレリア
期間:2025年11月13日~12月25日
点灯時間:午後4時~午後11時
制作:駿河竹千筋細工協同組合
デザイン:花澤啓太(unknot)

【Gift Collection 概要】

場所:1階ガレリア
期間:2025年11月13日~12月25日
時間:午前11時~午後11時

【Special Orders 概要】

場所:1階アトリウム
期間:2025年11月13日~12月25日
時間:午前11時~午後11時
企画協力:エスクァイア日本版

【Market 概要】

場所:1階ガレリア
期間:2025年11月13日~12月25日のうち、金曜、土曜、日曜と12月22日~12月25日
時間:午後1時~午後8時(日曜は午後7時まで)

【Workshop 概要】

場所:1階アトリウム
期間:2025年11月13日~12月25日の毎週土曜

【Illumination TERRACE 概要】

場所:5階 YAESU TERRACE
期間:2025年11月13日~2026年2月15日
点灯時間:16時~23時

【MIDTOWN YAESU CHRISTMAS 2025 概要】

開催期間:2025年11月13日~12月25日
※一部イルミネーションは2026年2月15日まで実施
場所:東京ミッドタウン八重洲(1階ガレリア、アトリウム/5階 YAESU TERRACE)
点灯時間:16時~23時
主催:一般社団法人八重洲二丁目北地区エリアマネジメント
サイトURL:https://www.yaesu.tokyo-midtown.com/special/xmas/

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