デサント×豊島区、マルチスポーツ体験イベント、鈴木聡美選手が子どもたちに水泳を直接指導

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鈴木聡美選手が登場、子どもたちに水泳指導

豊島区内の小中学生を対象にした「デサント×豊島区ホームタウンチーム マルチスポーツ体験イベント」が、8月25日、豊島区南長崎スポーツセンターで行われた。今回は2012年ロンドン五輪女子200メートル平泳ぎ銀メダリストで、同社契約選手の鈴木聡美選手(ミキハウス)が参加し、水泳の基礎を子どもたちに直接伝えた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

イベントは、さまざまな競技を体験することで心身を育み、将来の競技力向上や生涯スポーツの習慣につなげる狙いから行われたもの。デサントは筑波大学と共同でマルチスポーツの研究を進めており、その一環として企画された。

小学生の部はデサントが、中学生の部は豊島区が主催。小学生の部には区内の小学4〜6年生25人が参加し、水泳、バレーボール、ダンスの3種目を体験した。水泳を担当したのは鈴木選手で、終了後には筑波大の大山教授とともにトークショーも行われた。

ストリームラインやスカーリングを体験、基礎動作の大切さを学ぶ

鈴木選手が指導したのは、泳法のテクニックではなく基礎となる動きだった。ストリームラインや蹴伸び、蹴伸びにバタ足を加えたドリルを紹介した。また、「数字の8を描くように」と説明しながらスカーリングを実演。最後には模範として50メートルの平泳ぎを披露し、基礎を大事にする姿勢を子どもたちに示した。

鈴木選手は「脚を沈めずに姿勢を浮かせること。水面をまっすぐきれいに泳ぐのがコツです」とアドバイスし、「スカーリングができれば、万一泳げなくても浮けます。諦めず挑戦してほしい」と子どもたちに声をかけた。

バレーボールやダンスも実施、鈴木選手も子どもと一緒に参加

水泳のほか、元男子日本代表コーチの諸隈直樹氏がバレーボールを、パフォーマンスチーム「CHANGE RAPTURES(チェンジラプチャーズ)」がダンスを指導。鈴木選手自身も子どもたちと一緒にバレーボールに参加し、「両親がやっていましたが、私自身は授業程度の経験しかありません。今日は子どもたちと一緒に楽しめました」と笑顔を見せた。

子ども時代の遊びや縄跳びが平泳ぎにつながった経験

イベント後の取材で、「授業以外でも休み時間に友達と円陣を組んでバレーボールをしたり、地面にコートの枠を描いて遊んだりしました。ドッジボールやバスケットボール、バドミントン、卓球もしていましたね。思い返せば自然といろいろなスポーツを経験していたんだと思います」と自身の子ども時代を振り返った鈴木選手。

また、小学生時代に取り組んだ縄跳びや長距離走が平泳ぎにつながった可能性にも触れ、「縄跳びの瞬発力は平泳ぎの蹴りに通じます。学校のイベントで耐久や連続跳びに挑戦していたので、遊び感覚で身につけた動きが後から生きてきました」と話した。

「センスはゼロ」と言われた過去、不器用でも続けた努力

「監督やコーチから『水泳のセンスはゼロだ』とはっきり言われたことを覚えています。本当に平泳ぎしか得意ではなく、他の種目は苦手でした。ただ『コツコツ頑張る選手は好きだ』とも言われました。不器用だからこそ、一つのことを続けられたのだと思います」という鈴木選手。

「海外で活躍するトップアスリートから国内の選手まで、いろいろなスポーツを経験しているのを見て、私は特殊な存在だったと気づきました」とも付け加えた。

スケートやスノーボードへの関心、挑戦したい新しいスポーツ

今後挑戦したいスポーツについて問われると、「ウィンタースポーツに興味があります。子どもの頃に遊びでスケートに行っていて、とても好きでした。スノーボードにも挑戦してみたいです」と答えた。一方で「監督からは『ケガをするからダメ』と止められています。怖さもあって、なかなかチャレンジまではいけません」と明かした。

「できないと思わず挑戦を」子どもたちへのメッセージ

また、子供たちを指導した感想を聞かれ、「できないなりにも積極的に取り組む姿がありましたし、できる子はさらに上を目指していました。意欲の強さに驚きました」と子どもたちを評価。続けて「水泳は全身を使うので難しい部分もありますが、『できない』と思わず、何度も挑戦してほしい。少しずつでもできるようになることの大切さを知ってほしい」と話した。

デサント、豊島区と筑波大学の連携で今後も継続開催へ

「マルチスポーツは自分の可能性を広げるきっかけ。ケガの予防だけでなく、新しい発見や探究の楽しさを見つけてもらえたら」という鈴木選手。デサントは今後も筑波大学と連携し、豊島区内の小中学校を対象に同様の取り組みを続けていく方針だ。

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