
ファーストリテイリンググループのプラステ(PLST)は2025年4月21日、東京都港区のショールームで2025年春夏新商品と新WEB CMの発表会を開いた。長期化する猛暑に対応する新しいオフィススタイル「シン・クールビズスタイル」を発表した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
プラステは、年々夏の期間が長期化し、春と秋が短縮する「春夏夏秋冬」とも呼ばれる気候変動傾向に着目。特に2025年は、日本でクールビズが導入されてから20周年を迎える節目の年でもあり、働く人の夏季オフィスファッションに関する意識変化を探るべく、独自に意識調査を実施した。
調査結果では、回答者の約9割が「現代の気候変動に合わせ、従来の服装規定を見直す必要がある」と認識。さらに、6〜9月に限らず春や秋にも軽装スタイルを取り入れていると答えた人が半数を超え、気温上昇と季節感の変化が職場の装いにも影響を及ぼしていることがわかった。
こうしたニーズに対応し、プラステは快適性ときちんと感を両立するオフィスファッション提案を強化する。新商品群では、表面をドライタッチに仕上げた吸汗速乾素材や、肌接触時にひんやり感を与える接触冷感機能素材を中心に採用。すべて家庭用洗濯機対応とし、夏場のイージーケア需要にも応えた。
主力アイテムには、ジャケットライクな外観とUVカット機能を兼ね備えた半袖カーディガン、光沢感としなやかな着心地が特徴のグロスジャージー素材のハンカチスリーブTシャツを展開する。メンズ向けには、オリジナル開発素材「プレシャスドライ」(ポリエステル高混率ストレッチツイル)を使用した軽量セットアップジャケットを投入。吸汗速乾、軽量、伸縮性、シワ防止といったビジネスシーンに求められる機能を網羅し、出張や外回りにも対応する仕様となっている。
さらに5月には、ポリエステル×ナイロン混紡のマイクロサッカー素材を使ったスーツシリーズも発売する。高密度織りによる通気性とドライな風合が特徴で、ビジネスカジュアル需要に応える。また、撥水性と接触冷感性を兼ね備えたハイストレッチナイロンシリーズも投入し、梅雨期から猛暑期まで幅広いシーンに対応する。
店舗戦略では、今春にユニクロタマタカ店内に「プラステタマタカ店」をオープンし、ユニクロ内店舗は11店に拡大。今後は単独店展開の強化も視野に、地域特性に応じた売り場やサービス提案にも注力する。
プラステは、1年半前に不採算店舗の整理を進め、現在は41店舗体制に縮小。事業の黒字化を達成し、再成長フェーズに入った。マーケティング部長の伊藤なつきさんは、「今年はクールビズ導入から20周年という節目の年でもあり、私たちも改めて、今の気候や働き方に本当にフィットするオフィススタイルを提案したいと考えました」と説明。
「暑さが長期化する中で、機能性ときちんと感を両立した“シン・クールビズスタイル”を通じて、働く方々の日常をもっと快適に、前向きにできたら」と語った。今後は、夏に向けた高機能ビジネスウエアや、オンオフ兼用できるアイテムの開発をさらに強化していく。
また、「ユニクロ内店舗を中心に支持をいただいてきましたが、今後は単独店展開にもチャレンジしながら、地域ごとのニーズに合った売り場づくりやサービス提案を進め、プラステらしさをより多くのお客様に届けたい」と話した。