
ウジョー(Ujoh)は、2025/2026年秋冬パリ・ファッション・ウィークの9日目の3月11日、2025/2026年秋冬コレクションを発表した。今シーズンは、1990年代のスクールファッションをテーマに、制服やテーラードの既成概念を再構築。ウジョーらしいカッティングとレイヤードによって、制約やテーラードスタイルの中にある「自由」を表現した。Photos: Courtesy of Ujoh
デザイナー自身の10代の体験が創作の出発点となった今シーズン。厳しい校則に抗いながらも、制服の着こなしを通じて個性を表現しようとした当時の記憶が、アイテムの随所に織り込まれている。特に、規定内であえて大きなサイズのベストを選び、丈の短いプリーツスカートと合わせることで、かつてのムーブメントを想起させるスタイルを提案した。
コレクションでは、オーバーサイズのニットベストや、アシンメトリーにカットされたプリーツスカートが登場。テーラードカラーを再構築して生まれたセーラーカラー風の付け衿や、サテン素材のキルティングコートには、リサイクルポリエステル素材の人工羽毛「エアーフレイク」が封入され、上質さと軽やかさを両立させている。アルパカ素材を用いたラガーシャツ風ニットや、ヤク素材のレッグウオーマーは、ルーズソックスの記憶を上質にアップデート。シャツの前立てはボウタイや袖のリボンへと変形し、スクールスタイルの既成概念をユーモアとともに解体していく。
アクセサリーには、ブランドのロゴが刻まれたシルバー製のスクールバッジを添え、トラッドな空気感を象徴的に演出した。
テキスタイルにも工夫が凝らされた。使い込んだような質感と毛羽立ちが特徴のフランネル仕上げの高密度サージは、ライム、トープ、ネイビーの3色で展開。ボトルグリーンやダークチョコレートの樹脂加工を施したウールギャバジンは、シャープな構築と柔らかさを併せ持つ。また、ファーのような質感のジャカードは、リボンテープやファンシーヤーンを横糸に織り込み、ハンドカットによって奥行きのある表情を作り出した。
ウジョー(Ujoh)2025/2026年秋冬コレクションLOOK









































コレクションブランドでパタンナーとしての経験を積んだ西崎暢(ミツル・ニシザキ)と亜湖(アコ)が、2009年にスタート。心に響く美しい線を重視した本質的なテーラードを軸に、あえて均整をくずしたデザインや大胆なカッティングを取り入れ、これまでにない新しいテーラリングを提案している。アシンメトリーなデザインや独自のスタイリングが生み出す新鮮なレイヤードバランスは、常に細部がアップデートされ、身体と衣服の関係性を探る中で、知的でハンサムな空気を演出する。
2019年にはメンズラインを開始。ユニフォームやミリタリーといった服づくりの原点となるディテールを意識的に取り入れながら、誠実なテーラリングを継承している。2020/2021年秋冬コレクションでパリで初めてショーを発表し、2021/2022年秋冬コレクションでパリ・ファッション・ウィークに初参加。以来、世界を見据えてパリでの新作発表を続けている。