
アンリアレイジ(ANREALAGE)は2025/2026年秋冬パリコレクション(パリ・ファッション・ウィーク)2日目の2025年3月4日、アメリカン・カテドラル(パリ大聖堂)で2025/2026年秋冬コレクションを発表した。テーマは「SCREEN」。Photos: Courtesy of ANREALAGE(©Koji Hirano)
デザイナーの森永邦彦は、黒い衣服を“スクリーン”ととらえ、情報や感情、メッセージを映し出すメディアとして機能する服の未来像を提示。衣服が着る人の内面やその時々の気分に応じて瞬時に変化する、新たなファッションのインターフェースとして構想されたコレクションを発表した。
ショーは、パリ8区にあるアメリカン・カテドラルで開催。音楽は、かつてダフト・パンクのメンバーとして活動したトーマ・バンガルテルが、今回のコレクションのために書き下ろしたオリジナルサウンドが使用された。コレクションは「スクリーンの向こう側へ」と題された物語形式で構成され、二部構成で展開された。
第1幕では、ブロック状のRobloxアバターを思わせるシルエットが登場。スクリーンに投影されたような光のパターンは、色とりどりの織りやパッチワーク、キルティング、京セラのサステナブルなテキスタイルプリンター「FOREARTH」によるプリントで手作業で再現された。足元には、バイオベースのポリウレタン素材を使用した、ロボット風の3Dプリントのブロック型シューズが合わせられた。
ショー中盤には、ステンドグラスのように構成された1万枚の極小色布片によるパッチワークルックと、同じパターンを黒いベルベット地に発光で再現した“ドッペルゲンガー”ルックが並ぶ。教会のバラ窓を思わせる鮮やかな演出によって、「静」と「動」の美しさが表現された。
第2幕では、RGBカラーのLED糸で編まれたニットトップが光の宝石のようにきらめく。2人のモデルが同じ黒い衣装を身にまとい、ボーダーやストライプ柄が互いの身体を行き交うように動き、やがてチェック模様へと変化。30秒間で60通りものパターンが現れては消える視覚効果が、スクリーン=衣服の動的な表現力を印象づけた。
終盤には、無数のパターンが万華鏡のように咲き、散っていく演出が続いた。LED-LCD技術を織り込んだ柔軟な布は、折りたたみ、編み、縫い、ドレープとしても展開可能な新素材で、技術協力はMPLUSPLUSによるもの。模様はTVの砂嵐やカラーバー、ステンドグラス風の輝きを経て、宇宙の爆発のように広がり、静かに“黒”へと回帰してコレクションは幕を閉じた。
衣服を「第二の皮膚」としてとらえ、個人の内面や外部情報を映し出すプラットフォームとして再定義する試みとなったコレクション。物質とデジタル、手仕事とテクノロジーの融合によって、未来の衣服のあり方を提示した。
アンリアレイジ(ANREALAGE)2025/2026年秋冬コレクションLOOK ©Koji Hirano
























アンリアレイジ(ANREALAGE)2025/2026年秋冬コレクションUP ©Koji Hirano













































アンリアレイジ(ANREALAGE)2025/2026年秋冬コレクションFINALE ©Koji Hirano






