アイムメン（IM MEN）2025／2026年秋冬コレクション○2025／2026年秋冬パリメンズコレクション日本人デザイナー

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アイムメン（IM MEN）は2025／2026年秋冬パリメンズコレクション（パリ・メンズ・ファッション・ウィーク）3日目の2025年1月23日、パリ5区にある16世紀初頭の建造物「Le Réfectoire des Cordeliers」で2025／2026年秋冬コレクションを発表した。Photos: © ISSEY MIYAKE INC. 〇Runway looks／Details: Frédérique Dumoulin-Bonnet, Show images: Olivier Baco, Installation image: Thomas Adank

2021年に始動したアイムメンは、三宅一生の「一枚の布」という思想を男性の身体の視点から捉え、ものづくりの可能性を追求するブランド。デザインとエンジニアリングの両方に精通したデザインチームが、その融合による新たなクリエイティブワークを実現する。

パリで初めて発表された今回のコレクションのテーマには、自由な発想によって垣根を越え、多くの人に新たな視点と自由をもたらすプロダクトを創造するというブランドの意志が込められている。

FLY
軽やかな布地の魅力を最大限に引き出すため、「耳」と呼ばれる織物の端を切り落とさず、一枚の布の姿そのままを衣服として表現したシリーズ。コートやジャケットは、上下を反転させたり、ボタンの留め位置を変えることで、多様なフォルムやスタイルを楽しめる。布地には、アイムメン（IM MEN）が初シーズンから展開する浮遊感のあるシリーズ「AIR」のテキスタイルを、さらに軽やかに改良したものを使用している。

FLAT DRAPE
たっぷりとしたドレープが特徴のシャツ、ブルゾン、パンツは、折り畳むとすべて正方形になり、着用時には四角の角がひだ状に変化して、流れるようなシルエットを生み出す。独自に開発した部分植物由来※のポリエステルは、適度な張り感と柔らかさを持ち、シルエットをさらに際立たせる。主な原料には、サトウキビの廃糖蜜を使用している。

WALL
本来内側にくる見返し部分を表側に配置し、立体的なフォルムを生み出したアウターシリーズ。上品な光沢となめらかな肌触りを持つリサイクルポリエステルの布地は、厚みがありながらも軽く柔らかく、シワができにくいのが特徴。雨よけをフードに変形させたり、ボタンの留め方を変えることで、さまざまな着こなしができる。

HERON
布地に使用した「Ultrasuede®（ウルトラスエード®）」は、東レが開発した100％植物由来のポリエステルを基材とする人工皮革スエードで、衣服への使用は世界初。断ち切りが可能という素材の特性を生かし、衣服製作では通常使われない切削加工の技術を採用。ミリ単位で異なるドットによるグラデーションで柄を表現し、生地のボリュームがあるコートに独特で軽やかな印象を与えた。主な原料には、サトウキビの廃糖蜜と非可食コーンスターチを使用している。

SWITCH
原料にヒマとトウモロコシを使用した100％植物由来のナイロン繊維で織り上げたシリーズ。ライナーに用いた薄手の布地は東レが開発し、2024年春夏にアイムメン（IM MEN）が世界で初めて衣服として製品化した。さらに、これを厚手のツイル生地へと発展させ、本体にも採用した。ライナーはすべて取り外し可能で、パンツのライナーはベストのように着用できる。コートやブルゾンは、雨よけをフードに変形させるなど、自由な着こなしができる。

METALLIC ULTRA BOA
東レが開発した部分植物由来の人工皮革スエード「Ultrasuede®（ウルトラスエード®）」に、リサイクルウールを含む複合繊維のボアを貼り合わせ、人工ムートンを共同開発。さらに、表面に箔プリント加工を施し、印象的で力強い質感を加えた。布の下端から垂直に3本の切り込みを入れ、ファスナーを配列。軽くひねるように閉じることで、肘まわりに大きく張り出す大胆な袖のフォルムを生み出した。主な原料には、サトウキビの廃糖蜜を使用している。

KASURI
一本の糸を部分的に染め分け、不均一な濃淡を表す伝統技法「絣染め」を現代的に表現したシリーズ。太さの異なる3種類の綿糸を注染で染め分け、その糸をタテ糸とヨコ糸に配列し、ジャカード織機で織り上げた。コートは、織りの美しさを際立たせるため、切り込みを最小限に抑えつつ、裾から脇にかけてファスナーを配置。そのファスナーを閉じることで、緩やかならせんを描きながら袖と身頃が形成される。コートとポンチョの2通りで着用できる。