アシックスが車いすバスケットボール鳥海連志選手との所属契約締結記者発表会を開催

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アシックスは10月10日、東京・目黒の恵比寿ガーデンプレイス ガーデンルームで、車いすバスケットボールの鳥海連志選手との所属契約締結に関する記者発表会を開催した。アシックスがプロパラアスリートとの所属契約するのは初めて。契約は2023年9月1日からで、あわせて、鳥海選手はプロ車いすバスケットボールプレーヤーに転向し、プロとして各種活動を行う。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

今回の所属契約は、鳥海選手が車いすバスケットボールの普及活動や自身の経験をふまえた講演会などを積極的に行っていることに加え、グローバルな視点で多様性を身につけ社会へも還元したいという思いが、アシックスの目指すビジョンと一致していることから実現したもの。

同社は「健全な身体に健全な精神があれかし」を創業哲学に掲げ、「誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造する」ことを目指している。また、2022年1月にはパラスポーツ事業の戦略を策定・実行する「パラスポーツ企画部」を新設するなど、パラスポーツを通じた健康で持続可能な共生社会の実現に向け取り組んでいる。

今後、アシックスは、商品の提供、商品へのフィードバックを行うほか、トレーニング施設もサポートするなど、オン・オフともに包括的な支援を行い、鳥海選手のもつバックグラウンドやパラアスリートの枠を超えたさまざまな活動を応援するとともに、そこから生まれる創造的なアイデアを同社の事業に生かしていきたい考えだ。

発表会で、アシックスの廣田康人社長CEO兼COOは「鳥海選手をアシックスの一員として迎えられたことを大変うれしく思います。パラスポーツには、相互理解や挑戦する勇気、夢や目標を育むといった、スポーツがもつ本質的な価値や可能性を表現し、人々に感動を与える力があると信じています。鳥海選手のプロとしての思いや覚悟をサポートすることはもちろん、彼のもつ感性や発想、パラアスリートの枠を超えたさまざまな活動にも注目しています。スポーツだけでなく、ファッション分野でも幅広く関与していただけると期待しています」とあいさつ。

甲田知子常務執行役員も「パラアスリートとしてアシックスだけでなく、オニツカタイガーやアシックススポーツスタイルなども含め、イノベーティブな商品やファッション、ユニバーサルなデザイン開発にも貢献していただけると思っています」と期待を語った。

「両足義足なのでショーツをはくなど、、街中で見て、義足をかっこいいと思ってもらえるようなスタイリングをしています。ここ数年はアメカジが多かったのですが、アシックスやオニツカタイガーの洗練されたウエアを着ることを楽しみにしています」という鳥海選手はオニツカタイガーの新作スーツを着て登場。

「アシックスはパラリンピックでも着用していましたし、オニツカタイガーは子供の頃から、父からシューズをプレゼントしてもらっていて、スタイリッシュ、かっこいいし、インパクトがあるところが好きで、愛用していたので所属選手になれてうれしいです。世界でどういう風に戦うのか、アシックスから学んでいきたい」と笑顔。廣田社長CEO兼COOから社章を授与され、「身が引き締まる思いです。アシックスの一員として更に活躍できるようにがんばります」と話した。

発表会では、アシックス契約選手であるバスケットボールの河村勇輝選手から「バスケットボール界全体を一緒に盛り上げていけるように頑張っていきましょう」というビデオメッセージも贈られた。鳥海選手は「河村選手からは世界に挑戦している姿にいつも勇気をもらっています。僕自身負けていられないという気持ちになりますし、アシックスの一員として一緒に頑張っていけるのは心強いです。車椅子バスケットボール男子は、パリオリンピックの出場権を獲得していないので、1月のパリ予選に向けて、優勝できるようなチームを作っていきたい。二大会連続メダル獲得は目標にしていますし、パリでメダルを獲れるチームになりたい」ときっぱり。

また、質疑応答で鳥海選手は「プロになったのはプロと名乗ることでより注目されるし、スポーツ以外のところにもチャレンジしたいと思ったから。商品開発のフィードバックはさせてもらいましたが、今後はファッションに触れることも多くなるのかと思っています。僕自身、ファッションが好きですから、貢献させてもらえるのは嬉しい。共生社会に向けた発信などにもチャレンジしたい」とした上で「シューズかウエアかわかりませんが、鳥海モデルも作りたいと思っています。僕は義足がかっこいいと思っているので、足元に目が行くようなシューズや、義足の人や車椅子の人のためのデザインも作りたい」などとコメント。

それに対して、廣田社長CEO兼COOは「鳥海モデルいいですよね。次回はここをランウェーにしてファッションショーなどもできればと思っていますが、まずは、パラアスリートとしてユニバーサルな観点でスポーツ用品やアパレル、シューズなどのアドバイスをいただきたい。ファッションについては、アシックスはオニツカタイガーやアシックススポーツスタイルも持っているので、限定せず、プロとして様々な意見をいただければと思っています」と答えた。

「鳥海連志選手×アシックス契約締結記者発表会」

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