三井不動産は、八重洲二丁目北地区市街地再開発組合の一員として事業を推進している「東京ミッドタウン八重洲」を3月10日、グランドオープンする。オープンに先立ち、3月7日に社長記者会見とプレス内覧会が行われた。内覧会では1階から3階の商業フロアなども公開された。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
三井不動産が目指す「経年優化の街づくり」と「人が主役の街づくり」を体現してきた東京ミッドタウン。六本木の東京ミッドタウンでは「都心の上質な日常」をコンセプトに、デザイン・アートのイベントなどを実施。東京ミッドタウン日比谷では「未来志向の新たな体験や価値の創造」をコンセプトに、東京国際映画祭の誘致や地域と連携した芸術・文化・エンターテインメントの街ならではのイベントを行ってきた。
「東京ミッドタウン八重洲」は、「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド ~日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街~」を施設コンセプトにしたもの。セントラリティー(圧倒的な交通利便性を活かし、世界への出発点となる街)、オープンマインド(誰にでも開かれ、新たな成長や挑戦の機会があふれる街)、ハーモニー(多様な人々が出合い、感性が重なり、新たな価値観が生まれる街)という強みを活かし、日本の価値を世界に発信し続ける街を提案。「世界中から人や情報が集まり、交わり、それが新しい価値を生み出し、世界に発信していく街にしたい」(三井不動産菰田正信社長)考えだ。
また、4月開業の日本初出店となる「ブルガリ ホテル 東京」など、オフィス、商業施設に加え、ホテル、バスターミナル バスターミナル東京八重洲、中央区立城東小学校や子育て支援施設(認定こども園)など多彩な要素で構成されたミクストユース型プロジェクトであることも特徴。さらに、4階と5階のイノベーションフィールド八重洲では、社会人のリカレント教育を行う、東京大学八重洲アカデミックコモンズをはじめ、企業、スタートアップが集まる交流と拠点として、都市や地域のイノベーション創出に貢献していく。周辺エリアに電気と熱を提供するエネルギーセンターを建物内に設置するなどのBCPサポートに配慮した街づくりや、温室効果ガス排出量ネットゼロへの取り組みなども推進していく。
商業施設は、地下1階から地上3階までの計4フロアから構成。昨年9月17日に先行オープンした地下1階の13店舗を含む、57の店舗が集結する。3月10日にオープンする1階から3階では、ジャパンブランドにこだわった店舗から、クイックでカジュアルに楽しめる飲食店、ハレの日に利用するための上質なレストランまで、「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド」を体現する店舗が並び、多様な人々が楽しめるラインナップが揃(そろ)っている。
1階は、こだわりの逸品や空間を求める国内外のツーリストや都会の生活者に対し「現代の日本初ラグジュアリー」を提案するフロア。「東京ミッドタウン八重洲」の顔となる現代および次世代の日本を担うジャパンブランドの12店舗が出店。現代の日本のラグジュアリーを提案する「HOSOO」や「CFCL」など、日本のものづくりにこだわったブランドを世界に向けて発信する。CFCL YAESUでは、全世界からのお客さまを迎え入れる玄関口として、ブランドの代表的でアイコニックなニットウェアを取りそろえる。
2階は新しいメイドインジャパンを提案するフロア。スポーツ、食、アートに対する好奇心をくすぐられる10店舗が並び、毎回新しい発見やライフスタイルが提案されるゾーンになっている。初出店の「TOKYO UNITE」では、東京をホームタウンとする14のスポーツチーム・団体が競技の垣根を越えてコラボレーションを行い、スポーツとともにある暮らしをテーマに、試合観戦を彩る新しいデザインのファッション、雑貨などを販売。スポーツとファッションの新たな体験とスポーツの魅力を発信する。津軽びいどろなどの贅沢なギフトショップやオフィスワーカーやツーリストに向けたリラクゼーション店舗なども出店している。
また、今回の注目ポイントである2階の「ヤエスパブリック」は、八重洲を行き交う全ての人が気軽にふらりと立ち寄れる場所を目指した、個性豊かな11店舗が入り、快適に楽しみながら、常に新しい発見があるパブリックスペース。立ち飲みスポット「ALLSTANDS」、物販・休憩エリア「イチジテイシ」、八重洲の裏路地のような「八重洲のロジウラ」の3つのゾーンで構成されていて、1人ひとりのためのパブリックスペースになっている。
3階のダイニングフロアは、東京らしさを凝縮した幅広いレストランが揃(そろ)うフロア。フロアは働く人や施設を訪れる人が使いやすいカジュアルスタイルのレストランが集積したゾーンと、東京の食の最前線を走るハイクオリティなレストランを集めたゾーンで構成さてれいて、炉端焼き、寿司といった和食、洋食、中華など、11店舗が出店する。
会見で菰田社長は「私が社長になった12年前には将来のありたい姿だったものが、今、現実のものになりつつあります。オープンを迎えられ、テナントは満床で、商業施設も非常にユニークで魅力のある店舗に入っていただけましたし、ブルガリ ホテル 東京もオープンするということで、感無量という感じです。八重洲は日本のゲートウェイであり、東京のゲートウェイ。海外の人と日本の人、東京に住んでいる人と地方の人が交わることによって新たな価値が生まれる、また、それを世界に向けて発信していく拠点になるようなプロジェクトになればと思っています」などと話した。