第23回「コットンの日イベント」(日本紡績協会、CCI国際綿花評議会、コットン・インコーポレイテッド主催)が5月10日、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で行われた。今年2月の定期総会で新会長に選出された国際綿花評議会のテッド・シュナイダー会長も来日した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
「コットンの日イベント」は、コットンが夏物素材として店頭に揃う、販売のベストシーズンであることや5月10日の語呂合わせなどから制定された、コットンの日を記念して毎年開催されているもの。
昨年からB to Bやマーケティングなどに力を入れており、今年は米国コットンの持つ優しさ、さわやかさ、清潔感、責任感などのイメージにふさわしい著名人に贈られる「コットン USA アワード 2018」の授与式や、Tシャツ・プリント・デザイン・コンテスト2018グランプリの表彰式に加えて、従来以上に情報発信を強化するため、コットンUSAの最新事情や原料段階までさかのぼったサステナビリティに対する取り組み、コットンの新機能などについてのセミナーを行った。
また、スポーツなどを中心に、素材に対して機能性が求められ、コットンのシェアが縮小してきた中で、コットンのイノベーションや可能性、新機能を追求するメーカー10社とのタイアップによる取り組み「WHAT’S NEW IN COTTON」をファッションショー形式で紹介した。
「日本は重要な顧客であり、東京は重要な市場。品質に対する要求が高い。今後も高品質なコットンを提供するとともに改善や技術革新を進め、日本市場のニーズに応えていきたい」というテッド・シュナイダー会長は「アメリカはサステナブルについての数値目標を示している唯一の国。未来のため、さらにサステナブルな農業をめざし、全力で取り組んでいきたい」と改めて強調した。
CCIのヴォーン・ジョーダン副専務理事は「米国綿の質の高さと信頼性、安定性が世界から求められている。今年はいい年になりそうだ」。CCIのカリン・マルムストローム中国北東アジア担当理事は「ヨガのための服を着て街を歩く人が増えるなど、世の中が変化する中で、コットンを選んでもらうためにはイノベーションが必要だが、新しい技術がコットンに改革をもたらした。今年もプルミエールヴィジョンやインターナショナルテキスタイル上海など、たくさんの展示会出展を予定している。プロモーションに力を入れていきたい」などと話した。
ファッションショーでは、疲労回復ウェアや反応性顔料インクとデジタル技術を統合することで製品への直接プリントを可能にした地球に優しいデジタルプリント、合成繊維の代わりに細番手のコットンを使い経編地を作る特許技術など、各社の最新技術を駆使したアイテムを披露した。アイテムはレセプションでも紹介された。
なお、Tシャツ・プリント・デザイン・コンテスト2018グランプリは杉本裕一さんが選ばれた。