髙田賢三自伝「夢の回想録」(日本経済新聞出版社出版)を祝う会が4月10日、東京・丸の内のパレスホテル東京で開催された。Text & Photo:Shinichi Higuchi(樋口真一)
「夢の回想録」は2016年に日本経済新聞朝刊で連載された「私の履歴書」にファッションやプライベートな話などを加筆し、書籍化したもの。パーティには各界著名人や関係者、編集者など、約360人が出席した。
髙田賢三さんは「本当のことを知ってほしいと思い、素直に表現しました」とあいさつ。
発起人を代表したコシノジュンコさんは「賢三さんとは長いお友達。1番長いつきあいなので発起人の代表になりましたが、今回の自伝はよく書いたなと思います。自分の人生を開けっぴろげに書くというのは、大変ですよ、本当に。度胸がいるし、吹っ切れたのだなという感じがします」と話した。
また、来賓を代表して挨拶した寛仁親王妃信子殿下は「私がヨーロッパに留学していた1970年代には、ケンゾーブランドは高嶺(たかね)の花でした。ケンゾーの服を着ていると、いろいろな国の人たちから『その服はどこで買ったの』『どこの服』とよく聞かれました。私は学生でしたが、日本人が活躍していることがとても嬉しかった」と語った。
プロフィール
髙田賢三(たかだけんぞう)/デザイナー
兵庫県生まれ。1960年第8回装苑賞受賞。1961年文化服装学院デザイン科卒業、 1965年に渡仏。1970年パリ、ギャラリー・ヴィヴィエンヌにブティック「ジャング ル・ジャ ップ」をオープン。初コレクションを発表。パリの伝統的なクチュールに対し、日本人としての感性を駆使した新しい発想のコレクションが評判を呼び、世界的な名声を得る。その後ブランドを「ケンゾー(KENZO)」とし、高い評価を受ける。1984年仏政府より国家功労賞「シュヴァリエ・ド・ロルドル・デザール・エ・レトル」芸術文化勲章(シュヴァリエ位)受章。1998年仏政府より国家功労賞「コマンドゥール・ド・ロルドル・デザール・エ・レトル」芸術文化勲章最高位の(コマンドゥール位)受賞。1999年2月、ニューヨークで国連平和賞(タイム・ピース・アワード)の ’98年ファッション賞を受賞。10月 パリコレクレションを最後にケンゾーブランドを退く。同年紫綬褒章を受章。2004年開催アテネオリンピック日本選手団公式服装をデザイン。パリ市よりパリ市大金賞を受賞。その後、デザイナー活動及び絵画を手掛けている。絵画展は、フランス、モロッコ、アルゼンチン、ウクライナ、ロシアで開催。又、ドイツにて2008年に開催。現在は、クリエーションにおける異業種とのコラボレート事業を展開。その他、世界の伝統文化を継承する為の活動をライフワークの1つともしている。2016年 仏政府よりレジオンドヌール勲章「名誉軍団国家勲章」(シュヴァルエ位)を受勲。 同年、8月下旬より限定一年間、日本において、セブン&アイ・ホールディングスの社傘下のそごう・西武及びイトーヨーカドーのPBブランド「セット・プルミエ」を展開。