「ガラスを使うのは光に近い素材だから。20年近くガラスを使って光を表現してきたが、これからも続けていきたい」と語る吉岡徳仁。展覧会「吉岡徳仁 光とガラス(TOKUJIN YOSHIOKA Glass Project)」が11月2日から13日、東京・港区の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で展を開催されている。セイコーウォッチが主催する今回の展覧会はイッセイミヤケ ウォッチプロジェクト(ISSEY MIYAKE Watch Project)の最新作「グラスウォッチ(Glass Watch)」の発売を機に開催された。前日の1日にはプレス内覧会を行い、内容を公開した。
自然をテーマにした詩的で実験的な作品によって、デザイン、建築、現代美術の領域で国際的に活躍するデザイナー吉岡徳仁。光、音、香りなどの非物質的な要素を使い、見る人の感覚を揺さぶり、形の概念を超える独自の表現を生み出してきた。
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今回の展覧会は、ガラスに着目し、人々の記憶や感覚の中にある日本独自の自然観を映し出し、光とガラスから生まれる創作の本質に迫るもの。吉岡の手がける「グラスウォッチ」や代表作「ウォーターブロック(Water Block)-ガラスのベンチ」をはじめ、ドンペリニヨンアートプロジェクト(Dom Perignon Art Project)で発表された、ドンペリニヨンと吉岡徳仁のコラボレーションによる「プリズム(Prism)」を展示。建築のプロジェクト「光庵-ガラスの茶室」と「レインボー チャーチ(Rainbow Church)-虹の教会」の映像やレインボーアーキテクチャープロジェクト「虹の建築」も紹介している。
ガラスの時計「Glass Watch」はガラスの存在感を感じさせる塊のような厚みが特徴。セイコーウォッチによる緻密な形状加工と研削技術に加えて、特殊な内部構造を作ることで実現したという。会場の外にあるテラスに展示しているのは、4.5メートルにも及ぶ世界最大のオプティカルガラスの塊で作ったガラスのテーブル「ウォーターフォール(Waterfall)。ギャラリー3に入ってすぐに目に入ってくるのが、透明でありながら光の屈折によって、強いオーラを放つガラスのベンチ「ウォーターブロック」。2つのガラスのベンチの先には、光の刀のような三角形の無垢のガラスによって、自然が生み出す美しさを水の塊のように表現したという、プラチナのモールドから生み出された「ウォーターブロックーカタナ」が置かれている。
また、2つのガラスのベンチの反対側には「光庵-ガラスの茶室」などの12分の映像が流れており、会場奥のスペースでは光が透明なプリズムの表面を透過し屈折することで、無数の色のスペクトルが現れる「プリズム」を展示。「虹の建築」プロジェクトは虹の光を体感する建築で、巨大なプリズムの彫刻によって、光の建築を生み出しているという。
Text & Photo:Shinichi Higuchi / Chief Editor(樋口真一)
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