アーティスト・増田セバスチャンによるシックスディー セバスチャンマスダ(6-D Sebastian Masuda)2018年春夏コレクション

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アーティスト・増田セバスチャンによる新ブランド、シックスディー セバスチャンマスダ(6-D Sebastian Masuda)が10月24日、東京・北青山のTRANK HOTEL 開業準備室で2018年春夏コレクションを発表した。テーマは「Noise it Colorful.」。初めてのコレクションとなった今回。ラインウェイ形式でショーを行った。Text & Photo:Shinichi Higuchi (樋口真一)

きゃりーぱみゅぱみゅなどを手がけるアートディレクターとしても知られる、増田セバスチャンの初めてのコレクション。鮮やかな色を使った衣装のような服やケーキのようなオブジェを置いたステージなどを予想して集まったプレスやバイヤー、関係者など、観客たちの前に現れたのは、予想とは全く逆の風景とコレクションだった。

会場は汚れがつかないように柱や天井などをビニールで覆っている。建築現場のような雰囲気。90年代の一時期ブームになったように椅子もなく、全員がスタンディング。そして、逆光とストロボの光、耳をつんざく音楽の中で現れたモデルが着ているのは衣装ではなく、コレクションらしいコレクション。ピンクのストライプシャツとコルセットにアシメトリーなスカート、PVC(ポリ塩化ビニル)のライダースジャケットとイエローのドレス、半透明の襟とブラトップにPVCとパンツのコーディネート。そして、黒や赤のタキシード風ジャケットとパンツ。光と影の中で細部は見えないが、トレンドのビニルや肌を見せたデザイン、フリルを使った装飾的なスタイルなど、メンズとレディースのモードがそろっている。

黒や白、光にイエローやピンク、レッドなどの鮮やかな色をアクセントとしてプラスし、今シーズン、様々なコレクションで見られたデコラティブなデザインも使っているものの、「かわいい(KAWAII)」に代表される海外が日本に求めるトーキョーカルチャー的なものや子供文化、ストリートファッション、ブログやInstagram受けする要素などは感じられない。いい意味で予想を裏切ったコレクション。

「ハイファッションのど真ん中でやりたいと思っている。このプロジェクトは1年かけて、どのタイミングでやるのか、選びに選んでコレクションを開催した。コレクションでは大量生産、大量消費、工業製品ということから、PVCなどを使い、個性と言っても皆、同じではないかということを、カラフルな色彩を封印しながら伝えたかった。大人の人たちに見てほしいし、ハイファッションに殴り込みをかけたい、もっとファッションにもメッセージが伝わるようにしたい」という増田セバスチャン。

アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO)の翌週に開催したことについて「海外での活動も多いが、東京コレクションは海外からは注目されていない。今後もショーは続けたいし、海外でもコレクションをしたい。やるとすれば、これまでも活動してきたニューヨークになると思う」とするとともに「90年代のモードやハイファッションへのアンチテーゼとして仕事をしてきたが、それがメジャーになってしまった。だから今回は自分の作ったものに対するアンチテーゼとしてそぎ落としたものを作ってみた。春夏、秋冬の年2回にこだわらずに、年1回大きなショーをするという形でもいいと思う」と話した。今後の展開も注目を集めそうだ。

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