「1年前から富士フイルム(FUJIFILM)とコラボレーションし、一緒に素材開発に取り組み、今回はこのパーティのための服を作った。能や伝統芸能をベースにしながら、新しいものを作りたいと思い、能と未来がコラボレーションする舞台にした」と語るユイマナカザト(YUIMA NAKAZATO)のデザイナー中里唯馬さん。
「アスタリフト イン-フォーカスローンチパーティ(ASTALIFT IN-FOCUS LAUNCH PARTY)」が8月31日、東京・六本木の東京ミッドタウン・ホールAで開催された。9月、「アスタリフト(ASTALIFT)」から、美の潜在能力にアプローチする、新概念のスキンケア「アスタリフト イン-フォーカス(ASTALIFT IN-FOCUS)」がスタートするのを機に行われたもの。今回は、世の中の女性を輝かせたいというヴィジョンと、それを後押しする確かな研究エビデンスに感銘を受けた中里が、その世界観の創作に参画した。Text & Photo:Shinichi Higuchi (樋口真一)
ベルギーアントワープ王立芸術アカデミーを日本人最年少で卒業し、2009年に自身のファッションレーベル「ユイマナカザト」を設立。2016年7月には日本人として史上2人目、森英恵以来12年ぶりに、パリ・オートクチュール・ファッション・ウィークの公式ゲストデザイナーに選ばれ、コレクションを発表した。その後も、継続的にパリでコレクションを発表し、テクノロジーとクラフトマンシップを融合させた作品が評価されている中里。
当日は、「アスタリフト イン-フォーカス」誕生までのストーリーや、ユイマナカザトのコレクション作品とアートの展示、富士フイルム最先端技術の体験とともに、ユイマナカザトと能×現代音楽アーティスト青木涼子のコラボレーションショーも発表。「Beauty Awakening」と題し、能や天女の羽衣と同ブランドらしい未来を感じさせるハイテク技術や最新素材を融合したコレクションが登場した
また、パーティでは、高澤義明シェフが、富士フイルムの「サイエンス」とイン-フォーカスのコンセプト「生命力」をテーマにした7種類のメニューを用意。ナノテクノロジーをイメージして、トマトのガスパチョと透明なジュレをパフェのようにした「野菜パフェ」や、焼いたネギの香りを付けたミルクに、世界最高級と言われるスッポンのコラーゲンボールを浮かべた「弾(はじ)けるコラーゲン」、日本三大薬湯の1つ松之山温泉水を使用したパンと白レバーパテにオレンジのパーム油を加えた「生命力溢れるパン」など、食からも美の可能性を表現した。
「今後も業種やテクノロジーの境界を越えていきたいし、これからは服を作るだけではなく、アスタリフト イン-フォーカスが女性を内側から変えるように、人類の新しい姿を作っていきたい」という中里。その言葉がどのようなコレクションやコラボレーションになるのか。今後の活動も注目されそうだ。