リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)2017/2018年秋冬オバマが原爆慰霊碑に献花した花輪から着想10月には10周年記念ショーも計画

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ファッションがメディアとして何かできるのでは

「ドナルド・トランプ米大統領への反対やテロからではなく、戦後(第2次世界大戦終結から)70年を経てオバマが広島を訪れたという視点から作った。ファッションがメディアとして何かできるのではと考えた」と語る山縣良和。リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)は2017/2018年秋冬コレクションで昨年5月、バラク・オバマ米大統領(当時)が広島を訪れた際に、広島平和記念公園の原爆慰霊碑に献花した花輪からインスピレーションを得たデザインを提案している。たくさんの花とリボンを乗せた円形のドレス。家紋のように背中に花輪を刺しゅうしたものもある。また、今シーズンは1940年代のオートクチュールからインスパイアされたデザインもポイント。当時のオートクチュールのシルエットとカクテルサテンやシュリンク、フロッキーなどのテクニックを駆使した日本の素材を共存させている。Text & Photo:Shinichi Higuchi / Chief Editor(樋口真一)

戦前、戦中、戦後という時代の流れの中でファッションが再開し、クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)がラインで世界をリードした時代のシルエットと日本の繊細な素材、更に東洋趣味。「911」直後のパリコレクションでは白一色のスタイルや愛と平和へのメッセージを込めたコレクションが話題となったことを思い出させる。デザインから演出まで80年代、90年代が注目されるとともに、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)からドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)、ジバンシィ(GIVENCHY )まで、代表的なデザインや、アイコニックなコレクションや素材を再構築し、更に未来に向かおうとする中で、80年代、90年代にも注目された円ドレスや日本の素材とオートクチュール的なラインの共存も印象的だ。

10月にはリトゥンアフターワーズ10周年のコレクションをやりたい

2007年にリトゥンアフターワーズをスタート。以降、来場者がステージを歩く様子を来年のファッションとした秘密のファッションショー、服の無いコンセプトだけのコレクション、そしておそらく東京コレクションの伝説のショーのひとつになるだろう七福神をテーマにした2013年春夏コレクションなどを開催。マルセル・デュシャンの泉を思わせる問いかけとストリートスナップやブロガーがリードする時代への皮肉、ゴミを集めたアートを思わせるデザインと日本の祭りや伝統の融合、コンセプチュアルな反戦へのメッセージとCM的な単純でわかりやすい平等など、独自の世界を追求し、新しい試みを続けてきた。

また、昨年12月には、学生時代から現在まで描いてきたデザイン画やイラストレーションを紹介する初めての絵画展「ファッションイラストレーション バイ ヨシカズヤマガタ」を開催。一方で、109の乃木坂46の選抜チーム「乃木坂 46 SHIBUYA109 福神 produced by TGC」とのコラボレーションのビジュアルも話題となった。

「日本のほかフランス、イタリア、アメリカ、アジアなど海外でも展開していますが、パリコレクションはまだもう少し先になると思います。もっとビジネスや土台を作ってからやらないと。慎重に考えています。ただ、東京については今年10月には10周年のコレクションをやりたい」

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