バレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)を会場に、モデルを使ったインスタレーション形式でコレクションを発表したジュンコ シマダ(JUNKO SHIMADA)。Text & Photo:Shinichi Higuchi (樋口真一)
「コンテナに積み込まれて、新しいコレクションを身にまとった人形たちが“パレ・ド・トーキョー”に到着。楽しいコントラストのコレクションは、Day&Night、Long&Short、Hot&Cold、Matte&Shiny、Cool&The Chic、The City&The Countryside、The Simple&The Rich、、、。大好きな野生の草花とバラのブーケのような組み合わせ”パレ・ド・トーキョー”でのこの短い滞在を経て、ニューヨーク、ブルターニュに向かうために、またパッキンされるのです」という今シーズン。
白、肌色、黒のマスクで顔を隠したモデルたちは、通常のようにランウェーを歩くのではなく、マネキンのように並んでいる。ヘビのモチーフとヘビの鱗(うろこ)、それらを連想させるプリーツ、花など使ったマニッシュなコートやジャケットなどのマニッシュなアイテム。ドレスやスカート。美しさと陰影。透ける素材の上に刺青(いれずみ)のように描かれる花。
1年前の70回目の記念となるコレクションでは、島田順子自身が好きなチェックなど、原点に戻ったかのように、英国を思わせるトラディショナルなものに集中。前回は浦島太郎のお話やタイとヒラメが舞い踊る歌そのもののようなモチーフなど、日本や竜宮城を思わせるコレクションを見せたジュンコ シマダ。今回は竜宮城から帰った彼女が再び小さな女の子に戻り、お人形遊びや着せ替え人形のように自分の作った服を着せているようにも見えた。
80年代、90年代が新しいヴィンテージとなり、ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)がメンズを中心に再ブームと呼べそうな状況になるとともに、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されているコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の展覧会が、世界から注目を集めている今。80年代にボディーコンシャスなどで東京コレクションをリードし、試行錯誤を経て好きなものに戻ったジュンコ シマダが次にどんなコレクションを見せてくれるのか。楽しみだ。