ダリやミロとのコラボレーション?。ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)は2017/2018年秋冬コレクションでデカダンス-柔らかな反乱をテーマに、オーソドックスなフォルムに不思議な造形を加え予定調和を崩したデザインを提案した。Text & Photo:Shinichi Higuchi
トップスの袖は溶かしたようにドレープを加え、フォルムを崩し、ドレスやライダースジャケットにはキャンバスのようにジョアン・ミロなどを彷彿とさせるシュルレアリスム風の絵を描く。身体の線を美しく描いたはずのドレスにも歪みを加え、クラシックなケープを切り裂く。ポスト・クラシックのひとつとしての不協和音。
画家として様々な作家とコラボレーションし、刺激を受けることで変化し、表現を広げてきたコシノヒロコ。これまでもシュルレアリスムなどからインスパイアされたデザインを発表してきたが、サルバドール・ダリの代表作のひとつである記憶の固執に登場する柔らかい時計など、アート作品からの影響を感じさせる今シーズンのコレクションは服でもダリなどのアーティストとコラボレーションしているよう。
古着がヴィンテージとして評価され、英国をテーマにしたコレクションが増えるとともに、80年代、90年代が再評価され、コシノヒロコなどのベテランや大御所の仕事も見直されている今。時空を超え相反する質感を共存させたダリをはじめとする様々なアーティストとも共通する表現やデザインが新鮮だ。常に変化していくヒロココシノ。次はどんな未来を見せてくれるのだろうか。
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