2019年(第37回)毎日ファッション大賞はアンリアレイジ(ANREALAGE)の森永邦彦さん。新人賞はオーラリー(AURALEE)の岩井良太さん。

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「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社

2019年(第37回)毎日ファッション大賞の表彰式が11月8日、東京・渋谷のEBis303で行われ、アンリアレイジ(ANREALAGE)の森永邦彦さん、オーラリー(AURALEE)の岩井良太さん、トモ コイズミ(Tomo Koizumi)の小泉智貴さんらが出席した。Text:Shinichi Higuchi(樋口真一)写真提供:毎日新聞社

「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社

37回目を迎えた今回。大賞を受賞したのはアンリアレイジのデザイナーの森永邦彦さん。2011年に新人賞・資生堂奨励賞を受賞している森永さんは、授賞式のための映像を自身で制作。「スピーチは苦手なので映像を作りました。最初はショーのダイジェストにしようと思っていましたが、昨日の夜、8年間のバックステージをつないだ映像に変えました。その映像を見て、本当にたくさんの人たちが時間と血を流してくれたのだと思いました。アンリアレイジは僕だけに光が当たっていますが、光は影がなければ出来ません。ブランドも16年。最初は小さな光でしたが、たくさんの人が大きな光に変えようと影で支えてくれたことに心から感謝しています」と挨拶。

森永さんは毎日ファッション大賞を創設した田中宏さんにも触れ、「ブランドを始めたときからがんばれと言われましたし、いつか毎日ファッション大賞を取れるようにもの作りをしないさいと言われてきました。田中さんは昨年亡くなってしまいましたが、この1年は田中さんが自分たちのショーを見てくれていると思ってやってきました。大賞受賞の話を聞いて、しっかり見てくれていたんだと思うと同時に、この先もぶれずに、たゆまずに道を歩んでいきたいと思いました」などと話した。

また、新人賞・資生堂奨励賞はオーラリーのデザイナー岩井良太さん。鯨岡阿美子賞は台東デザイナーズビレッジ村長の鈴木淳さん、話題賞は「無印良品 銀座」が、それぞれ受賞。特別賞は衣料品の大量廃棄が国際問題となる中、繊維リサイクルに取り組む日本環境設計が選ばれた。選考委員特別賞はトモ コイズミの小泉智貴さんに贈られた。

「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社

岩井さんは「僕たちのブランドは多くの方たちに支えられています。原料の生産者、紡績屋、機屋など言い出したらきりがありません。今回の受賞を聞いたとき1番楽しみだったのは、その人たちに報告することでした。僕にとって、チームのみんなはもちろん、工場や周りの皆さんは昔から見守ってもらっている身内みたいな存在です。ブランドを始めてから親戚が増えたような感じでした。僕のわがままにつきあってくれる取引先の皆様やチームのみんなには本当に感謝しています。ブランドの立ち上げから目指しているのはお客様、卸先、工場の方々など、関わる人たちが少しでも幸せになることです。これからもその気持ちを忘れずに、自分たちがいいと思うものを信じて、関わってくれる人とのつながりを信じて、ブランドを続けていければ」。

「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社

鈴木さんは「創業支援という地味で目立たない仕事を評価していただけたことを本当に感謝しています。ファッション業界に入るときに、会社に入社する人もいますが、独立して会社を立ち上げる人もたくさんいます。彼らは、バイトをしたり貯金を切り崩したりしながら、自分で商品を作り、販売し、事業を大きくしようとしますが、今の状況ではビジネスを大きくすることは難しい。自信を失っていく人たちもたくさんいます。台東デザイナーズビレッジでやってきたのは、応援し、アドバイスし、時には一緒に泣いたり、笑ったりして、成長していくのを見届ける、とても幸せな仕事です。これからも、ファッション業界の未来を創っていく若者たちに力を貸していただければと思っています」などと話した。

良品計画の金井政明会長(右)と無印良品銀座有田明央店長(左)「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社

良品計画の金井政明会長は「地域の皆さんが経済活動に参加し、一緒に豊かな文化を育て、地域や社会を作っていく本拠地になりたいと思って作りました。面白がって使ってもらえれば」。無印良品銀座有田明央店長は「銀座の中に出来た公園のように皆様に愛されたい」とコメント。

「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社

日本環境設計の岩元美智彦会長は「2021年を目標にフランスにリサイクル工場を建設する予定で奮闘しています」とするとともに「最初にサービスを導入してくれたのは無印良品の金井社長(当時)でした。金井社長の一言がなければここに立てていないと思っている。今日は一緒の舞台に立ててうれしく思っています」と述べた。

「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社

小泉さんは「インターネットやSNSの力を感じるとともに、私が体験したストーリーが若い世代に夢と希望を与えることが出来れば。今年起きたことはゴールではなく、スタート地点。チャンスを無駄にすることなく、マイペースで活動を続け、作品を発表していくことが大きな使命だと思っています」と喜びを語った。

表彰式終了後にはオーラリーのショーも行われた。

毎日新聞創刊110年を記念して1982年にスタートした毎日ファッション大賞。年間を通してファッションという文化活動の中で最も優れた成果を上げたデザイナーや経営者、コーディネーター、企業、団体を選び、表彰するほか、優れた創作活動をした新人デザイナーやファッションデザイナー以外でファッション界に功績を残した人、ファッション文化に貢献し、社会的にインパクトを与えた人や企業などを表彰している。

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「2019年(第37回)毎日ファッション大賞」表彰式/写真提供:毎日新聞社

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