在日イタリア商工会議所「THE NIC Award 2025」開催 若手デザイナーが東京で最新コレクション披露

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「NIC Award 2025」東京・武蔵小山で開催 イタリア若手デザイナーを発掘

在日イタリア商工会議所は2025年11月14日、東京・品川区の武蔵小山商店街パルムで「THE NIC(THE NEW ITALIAN COOL) Award 2025(ニューイタリアン クールアワード2025)」を開催した。「THE NEW ITALIAN COOL」は、日伊両国のファッション業界で活躍する人材育成を目的に、次世代を担うイタリアの新人ファッションデザイナーを発掘するプロジェクトで、2024年に始まった。2回目となる授賞式とファッションショーは、イタリア・ミラノ市の商店街ガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世と姉妹提携を結ぶパルム商店街で行われた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

NEW/UPCOMINGなど4部門で受賞者を発表

在日イタリア商工会議所のNIC Awardは、イタリアの若手デザイナーを表彰し、日本で紹介するプロジェクトとして開かれている。イタリアの新しいブランドと若い才能を日本市場に紹介し、日伊両国の新たなコラボレーションを促すことを目的としている。

エントリーブランドは、設立から2年以上が経過し日本未進出のファッション衣料品・アクセサリーブランドを対象とする「NEW」と、イタリアのファッション学校に在籍する学生を対象とする「UPCOMING」の2つに分かれている。エントリーブランドが発表した作品は、日本市場への適応性やブランドのアイデンティティを踏まえ、専門の審査員がクリエーティビティ、エシカル、サーキュラー、持続可能性などの観点から評価した。

審査員には、ファッションデザイナーの小泉智貴さん、江角泰俊さん、リステア〈RESTIR〉クリエイティブディレクターの柴田舞子さん、ユークス ジャパン ジェネラルマネジャーの堀田律子さん、ファッションジャーナリストで元「GQ JAPAN」編集長の鈴木正文さん、「Marie Claire」編集長の田居克人さん、「WIRED JAPAN」編集長の松島倫明さんらが参加した。審査は独創性や革新性、サステナビリティへの取り組みを基準に行われた。

アルベルト・ザンベルリがW受賞 ナインファイブナイン、ジュリア・リンらも選出

NEW部門(ウェア)およびプレス賞には、仕立ての伝統と素材の実験を融合させた現代的ビジョンが評価され、アルベルト・ザンベルリ(ALBERTO ZAMBELLI)が選ばれた。NEW部門(アクセサリー)は、伝統的職人技を持続可能で国際的な表現に刷新したブランド、ナインファイブナイン(959)が受賞した。UPCOMING部門では、美学と技術研究を融合させ、グローバルな視点を持つデザインが評価され、ジュリア・リン(GIULIA LIN)が選ばれた。

リネアペレ特別賞・サステナビリティ賞なども実施

イタリアのレザーを使用したクリエーターを表彰するリネアペレ(LINEAPELLE)特別賞は、NEW部門が革新的な素材使いと持続可能なラグジュアリーの概念を再解釈したクロノス・コープス(CHRONOS CORPS)、UPCOMING部門が芸術的感性と素材実験を融合させる能力が評価されたマリア・パロンバ(Maria Palomba)に贈られた。

サステナビリティ賞は、持続可能でエコフューチャリスティックなビジョンを掲げるフィアッロ(FIALLO)が受賞した。

NEW部門(ウェア)とプレス賞のダブル受賞となったアルベルト・ザンベルリさんは、「この企画に参加させていただいたことをとても嬉しく思っています。東京に来られて非常に嬉しいです」と喜びを語った。審査員の江角さんは「受賞おめでとうございます。今後のご活躍をお祈りしています」とエールを送った。

ナインファイブナインのデザイナーは「審査員の皆さんに感謝します」と述べた。ジュリア・リンさんは「とても幸せです。このようなチャンスを与えていただき、感謝しています」と話した。

フィアッロの2人は「東京という素晴らしく先進的な都市で、私たちのテクノロジーやイノベーション、クラフトマンシップを披露できたことを非常に嬉しく思っています」と語った。

受賞者が東京でショーを披露 在日イタリア商工会議所が支援プログラムを提供

受賞したイタリアの新進クリエーターたちは東京に招かれ、ファッションショーでコレクションを披露し、報道関係者や日本の主要アパレル業界関係者らと交流した。受賞作品は、在日イタリア商工会議所のショールームで1か月間展示される。同商工会議所はファッションバイヤーや業界関係者との関係構築を支援し、全ファイナリストは日本市場に関する個別コンサルティングを受ける。また、地元デザイナーや職人とのワークショップやアーティスト・レジデンシーにも参加する。

ファントーニ事務局長「イタリア人デザイナーと日本の専門家をつなぐ真のクリエーティブ・ハブに」

在日イタリア商工会議所のダヴィデ・ファントーニ(Davide Fantoni)事務局長は、「第2回を迎えた The NIC Award には80人以上のデザイナーが参加し、前回の2倍となりました。また、業界パートナーとの貴重な協力関係も構築されました。この取り組みは単なるコンテストではなく、イタリア人デザイナーと日本の専門家をつなぐ真のクリエーティブ・ハブとして、新しい才能を戦略的に促進し、日本の消費者の関心をイタリアの創造性へ向けることを目指しています」と述べた。

審査員を務めた柴田さんは「今年の参加デザインの質は極めて高く、多くがすでに日本市場に対応できるレベルに達していると考えています」とコメントしている。

NEW部門(ウェア)およびプレス賞アルベルト・ザンベルリ(ALBERTO ZAMBELLI)

NEW部門(アクセサリー)ナインファイブナイン(959)

UPCOMING部門ジュリア・リン(GIULIA LIN)

リネアペレ(LINEAPELLE)特別賞NEW部門クロノス・コープス(CHRONOS CORPS)

リネアペレ(LINEAPELLE)特別賞UPCOMING部門マリア・パロンバ(Maria Palomba)

サステナビリティ賞フィアッロ(FIALLO)

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