
「ガールズパワー」をテーマに2025/2026年秋冬トレンドを提示
「第41回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2025 AUTUMN/WINTER」が9月6日、さいたまスーパーアリーナで開催された。今シーズンのトレンドキーワードは「ガールズパワー」。やんちゃでかわいい「ヤンカワ」、大人の魅力を放つ「色っぽガーリー」、軽やかさを添える「ちょいふわ」の三つを軸に、国内外のブランドが多彩なステージを展開した。次世代デザイナーや復活ブランドも加わり、モデルやアーティストが最新の秋冬トレンドを身に着けて登場。時代の気分を鮮やかに表現した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
utoriが平成ギャル・ギャル男カルチャーをリバイバル

utoriは前回の春夏に続き、「第41回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2025 AUTUMN/WINTER」に参加した。同社が展開するナインティナインティガール(9090 girl)は「2000年代の平成ギャルのリバイバル」をテーマに、レオパード柄やルーズソックスに加え、秋冬らしいファーレッグウォーマーを取り入れたスタイルを披露した。モデルの希空やあのが登場し、その世界観を鮮やかに体現した。

また、新ラインのニーマルマルニー(2002)では、2000年代に一世を風靡した「ギャル男」カルチャーを現在のトレンドと組み合わせ、utoriとしての「平成リバイバル」を表現した。
マリテ+フランソワ・ジルボーが再始動


さらに、かつてパリ・ファッションウィークの公式スケジュールでコレクションを発表していたフランスのマリテ+フランソワ・ジルボー(MARITHÉ + FRANÇOIS GIRBAUD)が、現代的な解釈でブランドを再始動し、今回TGCに初登場を果たした。クラシックとカジュアルを掛け合わせた秋冬らしいコーディネートを披露した。
Next Designer’s STAGEで新世代が挑戦

次世代の才能に光を当てる「Next Designer’s STAGE」には、TGC初参画の3ブランドが集結した。アーチダンテ(Archi DanTe.)は「人々にとっての遊び場」を掲げ、山﨑天(櫻坂46)や曽野舜太が未来的要素を取り入れたルックで登場した。


ミズキ・イケキタ(MIZUKI IKEKITA)は「私が1番でいられる服」をテーマに、村上愛花と村重杏奈らが、デザイナーのイケキタ・ミズキとシンノスケ(SHINNOSUKE)のコラボレーションによるルックでランウェイを歩いた。


チドリ(CHIDORI)は「変身する服」をコンセプトに掲げ、上坂樹里と藤田ニコルがランウェイの途中で装いを切り替える演出を披露した。
韓国「THE HYUNDAI GLOBAL」ステージが初参加
韓国の現代百貨店が初参加した「THE HYUNDAI GLOBAL」ステージでは、「ときめく、K-Fashion」をテーマに4ブランドをオムニバス形式で紹介した。

トリーミングバード(TREEMINGBIRD)には山﨑天(櫻坂46)と椿が登場し、モノトーンで統一したノームコアスタイルを提案した。レスト・アンド・レクリエーション(Rest & Recreation)では香音と鶴嶋乃愛が、日常に寄り添う快適な装いを披露した。


ザ・バーネット(The Barnnet)には加藤史帆とイ・シアンが登場し、モダンとクラシックを交差させたタイムレスなスタイルを示した。オヘシオ(OHESHIO)では守屋麗奈(櫻坂46)とあのが、ミニマルで繊細ながら個性を際立たせる方向性を見せるなど、Kファッションの多様な表現が展開された。
国内ブランドもトレンドを解釈
国内の人気ブランドも、3つのキーワードをそれぞれの文脈に落とし込んだ。ダーリッチ(Darich)は、カジュアル・セクシー・フェミニンの3軸を融合させ、藤田ニコルと村重杏奈が赤を基調とした「アメカジ×ガーリー」を披露した。メインアーティストとして出演するミーアイ(ME:I)のKOKONAとSUZUがファッションショーに初登場し、「#TGC出演希望」に寄せられたリクエストに応える形でランウェイデビューを果たした。

ジェイダ(GYDA)は、ブランドの象徴であるデニムにリメイクを施したショーピースを軸に、「女性の色気」と「抜け感」を表現した。生見愛瑠と茅島みずきが登場し、スウィート ステディ(SWEET STEADY)の奥田彩友と白石まゆみがペアウォークを披露した。今回のトレンドキーワード「ちょいふわ」を取り入れたアイテムも並び、素材と分量感で軽さを加えた。
moment+レオパード、チェック、ファーを用いた冬のスタイリング
モーメントプラス(moment+)は、「手軽にトレンドかつベーシック」という立ち位置を反映し、レオパード、チェック、ファーを用いた冬のスタイリングを提案した。モデルとして村重杏奈、くれいじーまぐねっと、なえなのが登場した。
disemBySiiKがTGC初登場、多様性をテーマに存在感


北村郁人と石井沙衣子が手掛けるブランド、ディゼムバイシーク(disemBySiiK)が東京ガールズコレクション(TGC)のステージに初登場した。ブランドは「日常と心のドレスアップ」をテーマに掲げ、ジェンダーや人種、年齢を超えて、すべての人の心と日常を彩るファッションを提案した。今回の演出は、2025年3月に開催された「disemBySiiK 2025 Autumn/Winter Collection『IN MY ROOM』」をゼロから再構築したもの。トップバッターとして池田美優が登場し、綱啓永、NOA、TGC初出演の中沢元紀へと続き、フィナーレは池田エライザが飾った。
TGC「ヤンカワ」「色っぽガーリー」「ちょいふわ」といったキーワードを、それぞれのブランドらしく表現
「第41回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2025 AUTUMN/WINTER」は、「ガールズパワー」をテーマに、平成カルチャーのリバイバルから復活ブランドの再始動、アニバーサリー企画、次世代デザイナーの挑戦、さらには韓国のKファッションの本格参入まで、さまざまな切り口で秋冬トレンドを打ち出した。国内の人気ブランドも「ヤンカワ」「色っぽガーリー」「ちょいふわ」といったキーワードを、それぞれのブランドらしく表現し、幅広いスタイルを提案した。




