
TGC 20周年「BEYOND TOGETHER」を掲げ、さいたまスーパーアリーナで開催
「第41回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2025 AUTUMN/WINTER」(TGC)が9月6日、さいたまスーパーアリーナで開かれた。20周年を迎えた今回は「BEYOND TOGETHER ―共に創るのさらにその先へ―」をテーマに、多彩なブランドステージやアーティストライブ、テクノロジーを駆使した特別演出を展開した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
TGCは2005年に始まり、「日本のガールズカルチャーを世界へ」を掲げて年2回開催を続けてきた。これまでに延べ800万人以上が体感し、SDGsや地方創生など社会課題の発信にも取り組んできた。
今回は会場のさいたまスーパーアリーナ(25周年)とのコラボレーションも実施。外観3か所を特別ビジュアルでラッピングし、過去15公演の名場面や出演者のサインを掲出した。
野口強が手がけるオープニング

開幕を飾ったのは、スタイリスト野口強が手がける「TGC SPECIAL COLLECTION」。中条あやみ、池田エライザ、三吉彩花の3人がトップバッターを務め、記念回にふさわしい幕開けとした。



ILLITが日本デビュー直後に初出演、点灯式でもメッセージ

韓国の5人組ガールグループILLIT(アイリット)が初出演。9月1日に日本デビューしたばかりで、Japan 1st Single「時よ止まれ」など3曲を披露した。
ユナは「たくさんの声援で楽しくパフォーマンスできた」と語り、ミンジュは「自主的で積極的な意思と“何にでもなれる”という意味を込めた名前」と説明。モカは「東京で大勢の前に立った経験が忘れられない」と話し、ウォンヒは「次はもっと大きなステージで挑戦したい」と意欲を見せた。点灯式ではイロハが「夢は諦めなければ必ず叶う」と来場者に呼びかけた。
Darich・MILKFED.が1st FASHION SHOW STAGEで華やかなブランドステージを披露

オープニングライブに続く最初のファッションショーでは、ダーリッチ(Darich)が「アメカジ×ガーリー」をテーマに赤を基調としたコーディネートを披露。藤田ニコルや村重杏奈が登場した。


30周年を迎えたミルクフェド(MILKFED.)はアニバーサリーステージを展開。櫻坂46の山﨑天、日向坂46の小坂菜緒、NHK連続テレビ小説「風薫る」で主演に抜てきされた上坂樹里らが王冠をまとって登場し、華やかにランウェイを歩いた。
また、ME:IのKOKONAとSUZUもSNS企画「#TGC出演希望」に応えて初出演を果たした。
中条あやみ、AI「ジェミニ」が生成したLEDドレスで新境地

Google Pixelのステージでは、中条あやみが数万個のLEDを搭載した総重量約15キロのドレスで登場。ファンの声を基にAI「ジェミニ」が生成した7種類のデザインを投影した。
ドレスは「深海のマーメイド」「夜空を旅する流れ星」「いちごとミルクのプリンセス」「幻の蝶」などに次々と変化。中条は「本当にTGCで初めての試みで、とても楽しかったです」と語り、「SNSを通じてファンから寄せられた意見をAIに反映させ、皆さんと一緒に作ったドレスになった」と説明した。
また「13年間出演してきましたが、常に新しい挑戦をしたかった。ファンの声が形になり、とても思い出深いステージになりました」と振り返り、「Google Pixelの力を借りて実現できたことが嬉しい。機能を共有して楽しんでほしい」と呼びかけた。
萬田久子、ジャンポール・ゴルチエ記念ステージで13年ぶりランウェイ


ジャンポール・ゴルチエの半生を描く「ファッションフリークショー」日本公演を記念したステージでは、東京2020オリンピック閉会式でソロパフォーマンスを披露し、有名アーティストのミュージックビデオの振付など幅広く活動するアオイヤマダがスペシャルサポーターとして出演。ダンスパフォーマンスを見せた。続いて、三吉彩花、石川愛大、MAZZELのNAOYAがオートクチュールを披露した。

シークレットゲストとして登場した萬田久子は、TGCでのランウェイ出演は約13年ぶりで、過去2回に続く3回目。元サッカー日本代表の槙野智章にエスコートされ、ゴルチエが手がけた一点物のドレスで舞台に立った。
萬田は「13年ぶりにこの舞台に立ち、とても興奮しました。ゴルチエの一点物の衣装を着られて光栄です」とコメント。「2023年に観劇しましたが、今回はさらにグレードアップしていると思います。10回でも観たいくらい」と話した。
新ブランド「Mixmii」デビュー、希空とさくらが登場

SNS総フォロワー500万人を超えるモデルのMINAMIがディレクションを手がける新ブランド「Mixmii(ミクスミー)」がデビュー。ファー付きフード、ダブルジップ、左右非対称のデザインなどを特徴とするアイテムを披露した。
さくらは「ファーやキラキラの装飾が可愛い。左右のデザインが違うのも新鮮」と話し、希空は「ラメ入りでシルエットがきれいに見える。動きやすさも魅力」とコメント。MINAMIは「自分の好きとトレンドをミックスし、唯一無二のブランドにしたい。大勢の前で披露できて幸せ」と語った。アイテムはQRコードを通じて購入可能となった。
WEGOがストリートを提案、日向坂46・金村美玖ら出演

ウィゴー(WEGO)は「SWEAT COLLECTION」を展開。希空、長浜広奈、MON7A、本田紗来、日向坂46の金村美玖らが出演し、スウェットにチェック柄やレースを組み合わせた秋冬コーディネートを披露した。
フィナーレでMEOVVライブ、中条・池田・三吉が振り返る20周年


グランドフィナーレでは約60人のモデルが再び登場した。ガールズグループMEOVVも特別参加し「MEOW」「HANDS UP」を披露、華やかに締めくくった。
中条あやみは「これまでで一番最高のTGCになりました」と語り、池田エライザは「同い年3人でオープニングとフィナーレを飾れたのは感慨深い」と振り返った。三吉彩花も「会場や配信で見てくださった皆さんと一緒に楽しめたことがうれしい」とコメントした。
TGCが発信する社会課題と次の20年への展望
TGCは国連や官公庁とも協力し、SDGsや地方創生など社会課題の発信に取り組んできた。20周年を迎えた今回は「共創」の理念をさらに発展させ、ファッション、テクノロジー、エンターテインメントを融合。次の20年に向けた方向性を示した。