
ファーストリテイリング5ブランド合同展示会
ファーストリテイリンググループは2025年秋冬展示会を同社ショールームで開催し、ユニクロ(UNIQLO)、ジーユー(GU)、セオリー(Theory)、セオリーリュクス(Theory Luxe)、プラステ(PLST)の5ブランドが新作を披露した。ユニクロのテーマは「Revisiting Classic(リヴィジティング・クラシック)」。服のルーツやオーセンティックな要素を振り返りつつ、定番素材の進化や新技術、機能性素材を駆使したデザインを提案している。
クラシックを再解釈した秋冬コレクション
秋物は米国東海岸のアイビースタイルをベースに、プリンストン大学やハーバード大学のキャンパスを想起させるトラッドに現代的な要素を加えた。ネクタイや異素材の組み合わせによる着こなしを提案する。冬物はニューヨーク北部のリゾート地やキャンプ地を着想源に、アウトドアテイストを盛り込んだ。
展示では定番のデニムやシャツが並び、特に「バギーカーブジーンズ」は人気を集めている。秋物ではチェック柄やプリーツのコートが多彩にそろい、サテン素材のキャミソールドレスも紹介された。すでに発売されており、レイヤードアイテムとして好評だ。
ユニクロ: シーやパフテックの新提案

冬物では「ユニクロ: シー(UNIQLO: C)」のスウェットセットアップが注目を集めた。昨年登場し若者を中心にヒットしたアイテムで、今季はフードなしのクルーネックタイプを新たに投入する。
次世代中綿素材「パフテック」を使った商品も拡充した。粒状の中綿によってデザイン自由度が高く、ボーダーやダイヤ柄、さらには一見中綿が入っていないように見えるデザインまで可能にした。それでいてダウン並みの保温性を持ち、「羽毛を使わない新しい温かさ」として提案する。ユニクロはパフテックを主力のアウター素材として展開し、コラボレーション企画でも採用する。
三大素材のニットと進化するヒートテック

ニットはメリノウール、スフレヤーン、カシミアの3種類を展開。暖冬でも着やすい薄手のメリノウールからはポロセーターやショートカーディガンが新登場。スフレヤーンはチクチクしない柔らかな肌触りで欧州市場でも評価される。カシミアはわたの段階から染色することで発色の良さを実現し、職人の色合わせでハイブランド愛用層にも支持されている。
昨年登場した「ヒートテック カシミアブレンド」も紹介された。好評を受け、今季からはメンズも展開。タートルネックとクルーネックの2型をそろえ、家庭の洗濯機で洗える点も特徴だ。合成繊維と天然素材を融合し、双方の利点を引き出した。
広がるコラボレーション

「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」は英国のハイキングから着想。コーデュロイ素材を襟や袖口に用いたパフテックジャケットのほか、柄ニットやボクシーシルエットのポロニットを披露した。
「コントワール デ コトニエ(Comptoir des Cotonniers)」は、人気のカーブシルエットパンツをコーデュロイ素材で展開し、全店舗で販売する。ジャケットやミニスカートも加え、セットアップとして楽しめる構成に。さらにカシミア素材のニットやダブルフェイスコートも紹介された。
「ユニクロ: シー」はボア襟の取り外せるジャケットやカシミアベストなど個性派アイテムを提案。コラボライン唯一のシューズも登場し、ウィメンズながら28センチまでサイズを用意して男性も着用できる。
キッズ・ベビーにも広がる機能素材

ユニクロはキッズ・ベビー分野も強化する。ベビーラインに初めて「ヒートテック」を導入し、肌に触れる部分はコットン100%とした。ストレッチ性が高く、動きやすさと暖かさを両立する。
速乾性と伸縮性を兼ね備えた「ドライスエット」を使ったアイテムも登場。定番のパンツやサイドポケット付きモデルのほか、マネキン着用のウエアも同素材で仕立てられ、多様な展開となった。
小さいサイズでもトレンドを意識し、スフレヤーン素材のポロニットは大人用デザインをそのまま縮小したような大人びた仕上がりとなっている。






















