
日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)は8月29日、東京・品川のWHAT CAFEで「Rakuten Fashion Week TOKYO 2026 S/S」の開幕と「Japan Fashion Week 20th Anniversary Ceremony」を行った。
冒頭であいさつした下地毅理事長は「2005年に前身となるファッション戦略会議が発足し、2026年春夏で20周年を迎えた」と述べ、震災やコロナ禍、SNSの発展などを経てファッション・ウィークが進化してきたことに触れた。「東京で築かれてきた歴史を振り返り、次の20年に向けて決意を新たにする」と語り、支援への感謝を表明した。
続いて古茂田博事務局長が、20周年のテーマ「世界の継ぎ目となれ」と1年間のキービジュアル「twenty+twenty」を紹介。20年間で1844回のショー、524ブランドの発表があったことを振り返り、第1回の神宮前テント会場や、2005年に首相官邸で行われた小泉純一郎首相、安倍晋三官房長官のもとでのミニショーに言及した。
式典には20周年アンバサダーの俳優・宮沢氷魚が登壇。「ファッションは自分の芸歴を築き上げた大切な要素。アンバサダーとして日本のブランドの魅力を世界に発信していきたい」と述べた。この日は日本人デザイナー中村仁一が手がけるブランド「シュタイン(stein)」を着用し、アクセサリーとしてシャネルのブローチを身につけた。2017年には『MEN’S NON-NO』の専属モデル時代に東京のファッション・ウィークに出演した経験も明かした。
乾杯の発声はコシノヒロコが務め、「東京が世界のファッション都市となるように尽力してきた20年だった。デザイナーとして70年のキャリアを歩んできたが、若い世代が元気にファッション・ウィークを楽しんでいる姿を見て力強さを感じる」と話した。
このほか、ブランドデビュー30周年を迎えた丸山敬太が「東京のファッションが長く盛り上がり続けることを願う」と述べ、35周年を迎えた芦田多恵も登壇。「AIの進化などデザイナーを取り巻く環境は変化しているが、ものづくりへの情熱があれば時代をけん引できる」と語った。
ツモリチサトも登壇し「長い間好きなことを続けてこられたことを幸せに思う」とあいさつ。9月1日から渋谷ヒカリエで約200体を展示するアーカイブ展を開催すると説明した。

式典では「JFW NEXT BRAND AWARD 2026」の授賞式も実施。グランプリは「MUSSHAN(ムッシャン)」の木村由香が受賞した。木村は「小さなブランドが形を成してこられたのは多くの方々の支えによる。今後、社会とどう関わり、服を通してどのように発信するかを考えたい」と語った。
審査員代表の滝沢直己は「ノミネートブランドはいずれも個性的だったが、MUSSHANはデザイナー自身の思いを感じさせる新しいタイプの服づくりを示した。日本のブランドは縫製や素材だけでなく、例外的な発想が特徴になっている。常に変わり続けることが重要だ」と講評した。
特別賞は「Jun.y(ジュン・ワイ)」の山本淳が受賞した。