2025年(第43回)毎日ファッション大賞受賞者決定 AURALEE岩井良太が大賞、FETICO舟山瑛美が新人賞

  • URLをコピーしました!
Pocket

AURALEE岩井良太、大賞を受賞

2025年(第43回)毎日ファッション大賞の受賞者が決定し、オーラリー(AURALEE)のデザイナー、岩井良太さんが大賞に選ばれた。岩井さんは2019年に第37回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞を受賞している。

新人賞・資生堂奨励賞はFETICO舟山瑛美に

新人賞・資生堂奨励賞にはフェティコ(FETICO)のデザイナー、舟山瑛美さんが選ばれた。

鯨岡阿美子賞は宮浦晋哉さんに、話題賞に「YKKファスニングアワード」

長年の貢献に贈られる鯨岡阿美子賞は、糸編代表取締役でファッションキュレーターの宮浦晋哉さんに決まった。話題賞にはYKKの「YKKファスニングアワード」が選出された。

選考委員特別賞はminä perhonen皆川明

tambourine 1999-00aw

また、選考委員特別賞はミナペルホネン(minä perhonen)のデザイナー、皆川明さんが受賞した。

毎日ファッション大賞とは

毎日ファッション大賞は、毎日新聞創刊110年を記念して1982年に創設された。ファッションに携わる人々の業績を顕彰するとともに、新たな才能を発掘し、情報発信を通じて業界の振興や文化の育成に寄与してきた。

2025年(第43回)毎日ファッション大賞 受賞者一覧(敬称略)

◆大賞岩井良太(いわい・りょうた) オーラリー(AURALEE)デザイナー

1983年生まれ。大学卒業後、文化服装学院夜間部に通いながらパタンナーやデザイナーとして経験を積んだ。2015年春夏シーズンにオーラリーを立ち上げ、2017年に東京・南青山に直営1号店を開いた。

2018年に「FASHION PRIZE OF TOKYO」を受賞し、翌年からパリでコレクション発表を開始。同年、「第37回毎日ファッション大賞」新人賞・資生堂奨励賞を受けた。

ブランド設立から10年。良質な素材選びと丁寧な縫製にこだわり、エイジレスかつジェンダーレスな作品を展開している。現代の価値観に寄り添うスタイルは国内外で高く評価され、世界的にファンを広げている。

◆新人賞・資生堂奨励賞舟山瑛美(ふなやま・えみ) フェティコ(FETICO)デザイナー

1986年生まれ。高校卒業後に渡英し、帰国後にエスモードジャポン東京校に入学、2010年に卒業した。コレクションブランドなどでデザイナーとして経験を積み、2020年にフェティコを立ち上げた。

女性の造形美に対する独自の視点から美意識や身体観を再構築したデザインが特徴。上品な色気と曲線美を追求したスタイルは多くの支持を集めている。

2022年に「JFW NEXT BRAND AWARD 2023」と「TOKYO FASHION AWARD 2023」を受賞し、革新的な取り組みが高く評価された。国内の繊維産地や職人と協業し、時を経ても愛される服づくりを目指している。

2025年8月にはワコールのランジェリーブランド「Yue」とのコラボ商品を発表。9月には楽天の「by R」プロジェクトを通じ、Rakuten Fashion Week TOKYO 2026年春夏のランウェイショーを予定するなど、注目を集める新鋭ブランドの一つとして今後の活躍が期待されている。

◆鯨岡阿美子賞宮浦晋哉(みやうら・しんや) 糸編代表取締役/ファッションキュレーター

1987年生まれ。杉野服飾大学を卒業後、ロンドンに留学し、2017年に糸編を設立した。「日本のものづくりの発展と創出」を掲げ、年間200を超える繊維産地や工場を訪問。素材開発や展示企画、メディア運営などを通じて地域産業の魅力を発信している。

「産地の学校」や「TEXTILE JAPAN」といったプロジェクトを通じて、若者の関心が薄れていたテキスタイル産地に光を当ててきた。産地の就労支援や人材育成、デザイナーとのマッチング、生地の共同開発など、多角的な取り組みを展開し、繊維・ファッション産業の持続可能性に貢献している。

◆話題賞YKK 「YKKファスニングアワード」

「YKKファスニングアワード」(主催:YKK、YKKスナップファスナー)は、若手クリエーターの国際的な活躍を支援する目的で2001年に創設された、日本最大級の学生向けファッションデザインコンテストで、今年で第25回を迎える。

「人が身に着けられる作品」をテーマに、YKKのファスニング商品を活用した作品を募集している。受賞者にはYKK商品の無償提供などの支援が行われる。

節目となる今回は、新たに資源循環や廃棄削減を前提としたサーキュラーデザインの観点で優れた作品を選出する「Circular Design特別賞」を設けた。世界的企業による取り組みは、次世代デザイナーの育成やファッション業界の発展に貢献すると高く評価された。

◆選考委員特別賞皆川明(みながわ・あきら) ミナペルホネン(minä perhonen)デザイナー

©Shoji Onuma

1967年生まれ。1995年に「minä」(2003年から「minä perhonen」)を設立。オリジナルのテキスタイルを中心に、衣服や家具、器など暮らしに寄り添う幅広いアイテムを展開している。

2006年に「毎日ファッション大賞」大賞、2016年に「毎日デザイン賞」を受賞し、ファッションとデザインの両分野で高く評価された。

職人による刺しゅうの温かみあるステッチや、チョウや植物など自然をモチーフにした普遍的なデザインは世代を超えて支持されている。スウェーデンや台湾で展覧会を開くなど海外でも高い評価を得ており、「100年続くブランド」を掲げ、素材と職人技を大切にした持続可能なものづくりを追求している。

2025年にはフィンランド政府から「フィンランド獅子勲章 騎士一級章」を授与された。本年11月にはブランド創業30周年を記念し、東京・世田谷美術館で展覧会「つぐ minä perhonen」の開催が予定されている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!