東京テキスタイルスコープ(TOKYO TEXTILE SCOPE)が2025年スタート。日本ファッション・ウィーク推進機構が新たな総合テキスタイル展を開催

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日本ファッション・ウィーク推進機構は、2025年から新たな総合テキスタイル展「東京テキスタイルスコープ(TOKYO TEXTILE SCOPE、TTS)」を開始する。同展は、これまで国内で開催されていた「JFW ジャパン・クリエーション(JFW JAPAN CREATION)」と「プレミアム・テキスタイル・ジャパン(Premium Textile Japan)」の2つの展示会を統合し、新たなコンテンツを加えて再編するもので、グローバルなファッション・テキスタイル市場のニーズに応えることを目的としている。

東京都立産業貿易センター浜松町館で、会期は3日間に拡大

「東京テキスタイルスコープ」は、東京都立産業貿易センター浜松町館を会場に、2026年春夏展を2025年5月14日から16日まで、2026年秋冬展を同年11月12日から14日まで、それぞれ3日間開催する。従来の2日間開催から3日間に拡大し、来場者の利便性を高め、より多くの人々が参加しやすい環境を提供する。また、展示フロアは会場の2階から5階までの全4フロアを利用し、過去の展示会での1~2フロアに比べ規模を大幅に拡大。これにより、多くの出展者を受け入れ、スペース不足で出展できなかった企業や団体も参加しやすくなっている。アクセス面では、JR浜松町駅やゆりかもめ竹芝駅から徒歩圏内の利便性も確保している。

未来志向のテーマで業界の新たな可能性を開く「東京テキスタイルスコープ」

「東京テキスタイルスコープ」は、未来志向のテキスタイルをテーマに、デザイナーや製造事業者、アパレル・小売業者などが集い、価値観や目標を共有し、新たな創造と交流が生まれる場を提供することを目指す。また、日本各地の繊維産地や染色・後加工の技術など、ものづくりの強みを世界に発信し、「産産連携」や「産学連携」を通じて新たなビジネスチャンスの創出にも力を入れる。さらに、次世代の人材育成や繊維・ファッション分野での新規事業開拓も支援する。

JFWシーズントレンド・インデックス・What’s Nextコーナーは継続

展示会内には、出展企業の注目素材を紹介する「JFWシーズントレンド」コーナーや、各企業が推奨する素材が集まる「インデックス」コーナーを設置し、シーズンごとのトレンドや来場者にとって重要な情報を提供する。また、次の売れ筋素材を探る「What’s Next Textile」での人気素材投票や、サステナブルな取り組みを紹介する「What’s Next Sustainable」、関連する「What’s Next Seminar」も引き続き実施される。

スタートアップ支援:「ワッツネクストスコープ」で新規事業にスポットライトを当てる

新商品開発や繊維・ファッション分野での新規事業開拓に取り組むスタートアップ企業や団体のトピックスを紹介する「ワッツネクストスコープ(What’s Next Scope)」も設置される。名称は「東京テキスタイルスコープ」にちなんでおり、次世代のテキスタイル分野で注目されるスタートアップに焦点を当てることを目的としている。これにより、従来の繊維業界にはなかった企業や、繊維・アパレル業界に新たな価値を提供する企業や団体にスポットライトを当て、日本の繊維ファッション産業の高付加価値化とさらなる発展を支援する。また、これらの企業は通常の出展募集では参加が難しい場合が多いため、日本ファッション・ウィーク推進機構が積極的に支援し、展示会での参加機会を提供する。

「産地フォーカス」で若者の関心を引き出し、リクルート活動もサポート

新たな試みである「産地フォーカス」企画では、日本の繊維産地や染色・後加工の強みを世界に発信し、ビジネスマッチングの機会も設ける。従来の「産地のものを集める」にとどまらず、産地での取り組みを疑似体験できる展示も計画している。若い世代が実際に産地に足を運ぶことが難しい点を踏まえ、展示会内でその体験を提供し、産地の底力を感じてもらうことで、若い世代の関心を引き出し、国内外で評価される日本の伝統的なものづくりや素材の魅力を再発見する機会を提供する。また、若い世代へのリクルート活動にもつなげる場とする。

ファッション・コレクション事業と連携したビジネスマッチングでデザイナーを支援

JFWコレクション事業との連携を強化したビジネスマッチングも実施される。これまでも「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」や「JFW ジャパン・クリエーション」でデザイナーブランドの商品が展示され、パリコレクション(パリファッションウィーク)でコレクションを発表するブランドや、東京のファッションウィークに参加するデザイナーが来場することも多かったが、「東京テキスタイルスコープ」では、独自のものづくりに挑戦したいデザイナーと新たなビジネスパートナーとのマッチングを積極的に支援する。また、コレクション事業とテキスタイル事業のインフラを活用し、デザイナーが自らの作品を発表し、評価される場を提供。これにより、デザイナーがより高い目標を持って作品づくりに取り組むきっかけを創出する。単に展示の場として機能するだけでなく、ビジネスや評価の場となることを目指し、具体的な話し合いが進められている。

次世代の人材育成に向けた産学連携のコンテストを検討中

産学連携事業の一環として、繊維・ファッション分野で次世代の人材育成を促進する取り組みも進める。産地や企業から提供された素材を活用し、学生が作品を発表するコンテストの開催も検討中だ。この取り組みを通じて、学生が職人との交流を通じて業界への関心を深め、リクルート活動としても機能することが期待されている。また、多くの企業が抱える若手人材不足の問題に対応するため、キャリア形成を支援し、若い世代の参入を促す場を提供する。

「フレンドリーフロア」で自由な情報交換と交流の場を提供

さらに、「出会い・発見・交流・新たな創造」をテーマに、従来の商談ブースに加え、参加者が気軽に交流できる「フレンドリーフロア」を設置。商談にとどまらず、自由に情報交換や交流ができる場を提供することを目指している。

「TOKYO TEXTILE SCOPE」の名称とロゴに込めた思い

「TOKYO TEXTILE SCOPE」という名称とロゴには、東京から世界へ日本のテキスタイルを発信し、新たな市場へつながる躍動感を表現している。

会見で日本ファッション・ウィーク推進機構の古茂田博事務局長は「今回の取り組みは、日本のテキスタイルの価値向上と新たな発信の第一歩です。サプライヤーとバイヤーが集まり、情報や意見を共有し、活発なものづくりに取り組む場を目指しています。また、『東京テキスタイルスコープ』が、ファッションやテキスタイルを学ぶ学生にとって、業界の最前線に触れ、夢を育む機会になることを期待しています」とコメント。

また、「2~3年後のイメージとして、3日間のテキスタイル・トレードショーを1週間の『テキスタイルウィーク』に拡張し、関連イベントも展開することも検討しています。将来的には、1週間のテキスタイルウィークだけでなく、1カ月にわたるテキスタイルイベントを開催する可能性もあります」と述べた。

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