無印良品が代官山に新旗艦店をオープン「MUJI Labo」の世界観を体現

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良品計画は2024年10月11日、東京都渋谷区に「MUJI Labo」の世界観を表現した旗艦店「無印良品 代官山」をオープンした。衣料品エリアが先行オープンし、生活雑貨エリアは11月15日に開店する予定だ。オープンに先立ち、10月9日にメディア向け内覧会が行われ、リニューアルされた「MUJI Labo」の秋冬アイテムや店舗が公開された。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

無印良品は2024年秋冬コレクションから、衣料品のレギュラーラインを一部見直した。それに伴い、「MUJI Labo」もコンセプトを再構築し、リニューアルを実施した。代官山店では、新しいコンセプトを強く打ち出し、「MUJI Labo」のコレクションを中心に展開している。

「MUJI Labo」2024年秋冬コレクション:環境配慮型素材を活用

「MUJI Labo」の2024年秋冬コレクションでは、環境配慮型素材として、自然の力を最大限に活かした無印良品らしい思想を反映した「再生のカシミア」と「まんまのカシミア」をキーファブリックに商品を展開している。また、無印良品は独自の環境配慮基準に基づき、地球環境や動物福祉に配慮した認証済み素材を使用している。専門チームが世界中で素材開発や生産者との連携を行い、企画段階から独自性を追求している。

さらに、素材の力を引き立てるため、無駄なデザインや装飾を排し、シンプルながらもディテールにこだわった商品に仕上げている。

国内外で高評価を得た「MUJI Labo」シリーズ

素材の特性やクラフトマンシップという原点に立ち返り、新たな挑戦を反映した今回のシリーズは、日本国内の18店舗およびネットストアに加え、パリやニューヨーク、上海など、海外13か国・地域でも販売されている。先月のパリでの先行発売では、高評価を得ており、順調なスタートを切っている。

「無印良品 代官山」店舗デザインに見るクリエイティブなこだわり

こうした無印良品の理念は、代官山店の店舗デザインにも反映されている。

「無印良品 代官山」の店舗作りには、多くの工夫が凝らされている。無印良品の方針として、クリエイターの名前は公表していないが、空間やビジュアル、BGMなどを通じて、無印良品の理念に共感するクリエイターとの協力を続けている。

店内は、商品が主役となるように、什器やインテリアが目立たず、商品が際立つ空間を作り上げている。空間全体を円形でつなげ、柔らかな雰囲気を演出しつつ、顧客が商品と向き合いやすい設計にしている。また、商品が素材から作られていることを伝えるため、店頭やテーブルには素材を生かした高い完成度の単品商品を展示し、ファッションではなく素材の特性に焦点を当てたアプローチを強調している。

店内BGMで表現された無印良品の理念

さらに、店内のBGMも、素材や生産者との距離を縮めたいという思いから作られている。例えば、化粧水が天然水で作られていることを音で表現し、水の滴る音や機織り機の音を基本のリズムに据え、それにクラシック音楽をアレンジして組み合わせたBGMを作るなど、無印良品の理念を音を通じて表現している。

良品計画の未来展望:「MUJI Labo」と持続可能な商品開発

良品計画は、誕生以来、生活者の視点を重視し、素材の選定、工程の点検、包装の簡略化といった独自のコンセプトを掲げてきた。また、顧客の共感と信頼を長年にわたり築いてきた。衣料品においても、創業当初から「まんまの色」や洗いざらしのブロードシャツなど、長く愛される定番商品を展開している。1990年代から使用しているオーガニックコットンをはじめ、素材の特性やクラフトマンシップを重視して商品開発を行っている。

無印良品は、今後も地球環境の維持や社会課題の解決、文化や伝統からの学びという3つの軸を基に、商品開発を推進し、顧客が「これでいいんだ」と感じられる商品を提供していく方針だ。

「無印良品 代官山」のビジョン

良品計画の山本直樹上席執行役員は「無印良品 代官山」について、「未来の無印良品への挑戦を、人、商品、空間を通じて立体的に体験できる店舗が完成したと考えています」とコメント。代官山を選んだ理由については、「ファッションの観点から言えば、フラッグシップ店舗を作る際に、原宿や表参道、青山といった感度の高いエリアに出店するのが一般的です。しかし、素材にこだわり、しっかりとしたライフスタイルを持つ方々が多く住んでいるエリアであり、共感してくださる方々が集まる場所として代官山を選びました」と説明している。

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